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乳製品で骨折リスクを低下 スウェーデンなどで176億円の波及効果

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 牛乳やヨーグルトなどの乳製品の摂取を増やすことで、骨粗しょう症による骨折リスクが低下し、医療経済的にも効果があるとの研究が発表された。乳製品を多くとり股関節骨折を予防することで、スウェーデン、フランス、オランダの3国だけで176億円の波及効果を期待できるという。
 カルシウムは乳製品や魚や野菜などに含まれる。欧米ではカルシウムの総摂取量の60〜70%は乳製品によるものだ。乳製品にはカルシウム以外に、ミネラル、ビタミン、ビタミンDなどの必須栄養素に加え、骨の健康に有益な良質なタンパク質も含まれる。

 欧州でもスウェーデン、フランス、オランダの3国は、日本に比べ乳製品の消費量が非常に多い。ジュネーブ大学病院のネル リッツォーリ教授(骨疾患)らは、食事調査をもとにこれらの国ごとに乳製品の摂取量と、乳製品由来のカルシウム摂取量を算出し、骨折のリスクとの関連を求めた。

 骨粗しょう症は、骨量が減って骨がもろくなる病気だ。健康であれば、骨の中は密につまっていて骨の強度を保つ柱の構造がしっかりしている。しかし骨粗しょう症になると柱が少なくなりもろい状態になる。骨量減少に伴う骨折は、運動能力の低下や疼痛を引き起こし、寝たきりや死亡率の上昇をまねき、生活の質(QOL)の低下につながる。

 骨粗しょう症は、患者の負担に加えて、巨額の社会的・経済的負担をもたらす深刻な疾患だ。特に股関節の骨折は、入院とリハビリテーション、介護期間が長期に及ぶ傾向があり、患者の就業や社会生活も妨げられる。

 研究者らは、カルシウム摂取量の低下により引き起こされた股関節部骨折数と障害調整生命年(DALYS)の関連を算出した。障害調整生命年は、疾病がもたらす経済的負担を総合的に示した指標で、疾病や障害により社会的生活に障害が起こったことで生じた損失を表している。

 乳製品によるカルシウム摂取量を増加させると、各国の医療経済にどれほど効果があるかを算出した。その結果、乳製品摂取を増加させることにより、フランスでは2,023例、スウェーデンでは455例、オランダでは132例も骨折を防ぐことができると推計された。

 股関節部骨折のリスクを低下させることによる各国ごとの経済的影響は、フランスで134億円(1億2,900万ユーロ)、スウェーデンで35億円(3,400万ユーロ)、オランダでは6億円(600万ユーロ)に上るという。

 「乳製品の適切な摂取や、習慣的な運動といった生活習慣が、骨粗しょう症の発症に大きく影響する。また、高齢期の骨量は若いころの最大骨量と密接に関連している。若いころに骨量が少なかった人は、早い段階で骨粗しょう症を発症しやすい。幼年期と青年期のころに最大骨量をできるだけ増やし、骨の健康を保つ対策が重要となる」とリッツォーリ教授は述べている。

New health-economic model shows benefits of boosting dietary calcium intake(国際骨粗しょう症財団 2012年11月13日)

(Terahata)

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