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「知的な好奇心」が脳力を高める 認知症を予防

キーワード: 三多(多動・多休・多接) 認知症

 読書や書き物、知人との対話など、脳に刺激を与える活動をすることは、高齢者の認知症予防に有用という研究が発表された。高齢者を含める全ての年齢層で、知的な刺激は脳を活性化し、認知能力を維持するのに有用だ。

 米国ラッシュ大学医療センターの研究チームは、294人の高齢者を対象に、思考や記憶の活性化に関するテストを行った。

 脳に刺激を与える活動は、▽読書をする、▽音楽を聴く、演奏する、▽書き物をする、▽チェスのようなゲームをする、▽劇場や美術館、博物館を訪問する、▽子供と遊ぶなど、さまざまなものがある。

 調査の対象者の死亡年齢は平均89歳で、対象者が亡くなるまで続けられ、追跡期間の平均年数は5.8年だった。

 研究チームはアンケートにより、子供のころから現在に至るまで、上記のいわば「脳の訓練」を行う頻度を訊ねた。その結果、脳に刺激を与える活動を行う頻度に比例して、記憶力や思考力の衰えが抑えられることが分かった。

 特に、人生の後半に「脳の訓練」を行う頻度が高かった人は、普通程度の人に比べて記憶力の低下は32%抑えられていた。一方で、ほとんど行わない人は普通程度の人に比べ、記憶力低下の速度は48%速くなっていた。

 「生活スタイルの活性化は、身体の健康の視点から重要とみられることが多いのですが、実は脳の健康に対しても重要な意味をもっています。人生の全般において、脳に適度な刺激を送り続けることは、認知能力の低下を防ぐために大切です」と、ラッシュ大学のロバート ウィルソン氏(神経学)は話す。

 アルツハイマー病などの認知症の予防と治療の鍵を握るのは「アミロイドβ」というタンパク質だ。アミロイドβが脳内で凝集するとともにアルツハイマー病が進行していく。高齢者の認知能力の低下のおよそ3分の1は、脳卒中などの脳血管障害や、アミロイドβの蓄積によるアルツハイマー病が原因となる。

 ウィルソン氏らは、対象者の死後、脳の解剖を行って認知症の徴候がなかったかどうかを確認した。アミロイドβの増加や、新皮質のレビー小体、神経原線維変化などの認知症を示す病変を調べた。その結果、生涯にわたって「脳の訓練」を行っていた人は、そうでなかった人よりも脳の異常が少ないことが分かった。

 「知的な活動をして、脳に適度な刺激を送り続けることは、年齢がいくつであっても、あなたが誰であっても、一生のあいだに継続できることです。いつまでも活動的であることが、認知能力の低下だけでなく、認知症の予防にもつながります」と、ウィルソン氏はアドバイスしている。

Life-span cognitive activity, neuropathologic burden, and cognitive aging(米国神経学会 2013年7月3日)

(Terahata)

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