一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

薬局でHbA1c値を測定し3割に受診勧奨 糖尿病診断アクセス革命

キーワード: 二少(少食・少酒) 糖尿病 三多(多動・多休・多接)

 薬局の店頭で検査を行い、糖尿病の早期発見につなげようというプロジェクト「糖尿病診断アクセス革命」で、これまでに検査を受けた約2,500人のうち、糖尿病や予備群と疑われる人は約3割に上ったことが、プロジェクト代表の矢作直也・筑波大学内分泌代謝・糖尿病内科准教授らのまとめで分かった。健康診断を受けていないという人も多く、矢作先生は「糖尿病を早期発見するために、新たなスクリーニング検査の機会を提供できた」としている。

 プロジェクトは2010年10月にスタート。現在は東京都足立区と徳島県内のそれぞれ10店舗の薬局で展開した。参加薬局に、1マイクロリットル(1,000分の1ミリリットル)という微量の血液でHbA1c値を測定する小型検査機器を設置した。

 検査を希望する人は、薬剤師の説明を受けた上で、指先で自己穿刺採血を行い測定する。結果はその場でわかり、糖尿病や予備群が疑われる場合には、薬剤師が連携医療機関への受診を勧め、早期治療へ導くという仕組み。医療機関や健診施設よりも身近な場所にある薬局を活用し、地域医療連携を活性化するのが狙いだ。

 検査を受けた2,514人のうち、糖尿病と強く疑われた人(HbA1c6.5%以上)は約12%、予備群の可能性が高い人(HbA1c6.0〜6.4%以上)は約16%で、3割に医療機関へ受診勧奨を行い、症状が悪化する前に治療を始められる可能性が開けた。全体の43%は定期的な健康診断を受けておらず、「糖尿病診断アクセス革命」が新たなスクリーニング検査の場を提供した。

 日本では、糖尿病が「強く疑われる人」は890万人、「可能性を否定できない人」は1,320万人で、合計2,210万人が糖尿病の危険性が高いと推定されている。実際に医療機関を定期受診している糖尿病患者数は約270万人とみられており、糖尿病有病者の約4割はほとんど治療を受けていない。

 「糖尿病の検査と治療を受けていない人の方がずっと多い現実があり、目の前の患者さんの治療だけを行っていれば十分というわけではありません」と矢作先生は話す。

 「糖尿病は初期には自覚症状が乏しいため、早期発見のために血液検査は特に重要です。薬局と医療機関の地域連携によって、早期発見・受診勧奨をするシステムが有用であることが示されました」としている。

 ただ、薬局で検査を受けることは臨床検査技師法の運用で制限される場合がある。これまでプロジェクトを展開する上で、保健所の許可を得られるかどうかが地域ごとに異なるという課題も浮かび上がった。今後、このような活動がより広く展開されるよう、規制緩和の必要性を指摘している。この点については現在、国の規制改革会議や産業競争力会議などで検討が進んでいるという。

糖尿病診断アクセス革命
 糖尿病診断アクセス革命(矢作直也代表)は、「指先微量採血によるHbA1c測定」を用いて血液検査へのハードルを下げ、広く検査の機会を提供することで、未発見・未治療の糖尿病の患者さんや糖尿病予備群の方々をすくい上げ、糖尿病を減らすことをめざす地域医療連携プロジェクト。
 筑波大学と糖尿病診断アクセス革命事務局を中心に、東京都足立区では、NPO法人ADMS・足立区薬剤師会・足立区医師会、徳島県では徳島文理大学との共同研究として行われている。
http://a1c.umin.jp/

(Terahata)

関連トピック

疾患 ▶ 糖尿病

2016年11月02日
世界糖尿病デー(2) テーマは「糖尿病の眼」 糖尿病で失明しないために
2016年11月02日
世界糖尿病デー(1) 発症しても2人に1人が健診を受けていない
2016年10月28日
「肥満症」を治療して、高血圧や糖尿病など健康障害を一気に改善
2016年10月28日
スローカロリーで肥満解消 糖質の吸収を遅らせて血糖値上昇を抑える
2016年10月28日
スローカロリーを楽しく学ぼう! アニメーション動画を公開

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2016年01月25日
専門機関や相談窓口を全県に設置目標 アルコール健康障害対策関係者会議
2016年01月25日
日本型食生活が「動脈硬化」を防ぐ 「日本食」は世界に誇れる健康食
2015年12月02日
低カロリー甘味料を利用すれば体重を減らせる 摂取カロリーも減少
2015年11月19日
「第4回健康寿命をのばそう!アワード」表彰式 健康づくりへの取り組みを評価
2015年11月18日
「ビール腹」の人は要注意 内臓脂肪がたまると死亡リスクが上昇

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2016年02月15日
健康な生活の基本スタイルは「一無、二少、三多」 「多接」を楽しみ笑って健康長寿
2016年02月02日
オススメの「睡眠」関連教材・ツールのご紹介
2016年01月25日
ウォーキングが腸内フローラを改善 腸内細菌叢が変化し脳を健康に
2015年12月25日
海外旅行者は感染症に注意!発生状況と予防策の情報入手を
2015年12月25日
カフェイン入り「エナジードリンク」の飲み過ぎで健康障害 死亡例も
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
大人の健康生活ガイド 30代以上の中高年者に関する健康情報を提供
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート
病気別BEST100サイト 知りたい病気の最新情報がすぐにわかる、病気サイトの百科事典
※一般社団法人 日本生活習慣病予防協会と名称の類似した団体がありますが、当協会との関わりは一切ありませんので、ご留意願います。