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心房細動が国民病に 65歳以上男性の10人に1人が「疑いあり」

キーワード: 二少(少食・少酒) 心筋梗塞/狭心症 三多(多動・多休・多接)

 健康日本21推進フォーラムは、60歳以上の心房細動の治療を受けている通院患者と、心房細動の診断を受けたことがない一般生活者を対象に、心房細動への意識に関する調査を行った。心房細動の治療を受けていない患者では、半数以上が「心房細動が原因で脳梗塞が起こる」ことを認知していないという結果になった。

 調査に回答したのは、心房細動の治療を受けている通院患者(通院患者、250人)と、心房細動の診断を受けたことがない一般生活者(一般生活者、250人)。通院患者のうち、55.2%が高血圧を、22.0%が糖尿病を、また一般生活者のうち29.6%が高血圧を、7.6%が糖尿病をそれぞれ発症していた。調査の監修は日本脳卒中協会が行った。
心房細動になると脳梗塞の危険性が高まる
 心房細動は加齢とともに有病率が高まる不整脈の一種。心房細動を放置すると、心房内の血流がよどんで血栓ができやすくなることで「脳卒中」を起こしやすくなる。また、拍動が速い状態が続くことで心臓に負担がかかり「心不全」をまねきやすくなる。

 事前に行った2万6,130人を対象に行った実態調査では、65歳以上の男性の10人に1人にその疑いがあるという結果が示されており、超高齢社会にともない心房細動の患者数は今後も増え続けることが予測されている。

 心房細動は、動悸などの自覚症状を伴うこともあるが、健診などが発見のきっかけとなることが少なくない。心房細動が続くとその状態に慣れてしまい、症状を感じにくいこともある。自覚症状の有無に関わらず健康診断で心電図に異常がみつかった場合は、詳しい検査を受ける必要がある。

 通院患者に心房細動と診断されたきっかけを聞いたところ、「脈の乱れを感じて自発的に病院を受診して」(40.0%)、「健康診断の心電図の検査で指摘されて」(34.8%)、「別の病気の検査で指摘されて」(18.4%)という結果となり、自発的な受診がなければ心房細動が放置されていた可能性が示唆された。

 通院患者に心房細動と脳梗塞の関連について聞いたところ、「心房細動になると脳梗塞の危険性が高まる」(93.2%)、「血栓(血液の塊)が脳の血管を詰まらせることで脳梗塞になる」(90.8%)、「心房細動になると脳梗塞になる危険性が高まる」(88.0%)となり、認知率が高いことが示された。

 しかし、同じ質問を一般生活者にしたところ、それぞれ45.6%、36.0%、30.0%となり、通院患者に比べ心房細動についての認識に大きな開きがあった。心臓の疾患が脳梗塞を引き起こす危険因子であることが一般には十分に認知されていないことが示された。

 また、通院患者の多くは、心房細動と診断された際に「心房細動が原因で脳梗塞が起こる」ことについて医師から説明を受けていた(80%)。一方で、「脳梗塞には、大きく分けて、動脈硬化が原因のものと、心臓病(心房細動など)が原因のものの2種類がある」(68.0%)、「心房細動による脳梗塞は、突然発症する」(52.0%)といった、心原性脳塞栓症の発症リスクに関する認識は十分に高いとはいえず、重症化リスクに対する認識不足が浮き彫りとなった。

新しい抗凝固薬が登場し選択肢は広がっている
 心房細動の治療は、心臓の拍動のリズムを正常に戻して、脳梗塞を防ぐことがいちばんの目的となる。脳梗塞を防ぐ治療としては「抗凝固薬」が使われる。

 従来の抗凝固療法は、ビタミンKを含有する食品などの摂取制限があるなど、患者の生活の質(QOL)の点から薬の服用を中止するケースが少なくなかった。現在は、通院患者、一般生活者が望む「1日1回の服用で済む」、「脳梗塞の予防効果が優れている」、「出血合併症が少ない」などの特徴をもつ新しい抗凝固薬も登場し、選択肢が広がっている。

 心房細動患者に魅力を感じる抗凝固薬について聞いたところ、発症者では「1日1回の服用で済む」(70.8%)、「脳梗塞の予防効果が優れている」(60.4%)、「他の薬剤との飲み合わせの心配がいらない」(53.6%)が続いた。

 通院患者が服用している抗凝固薬は、「ワーファリン(ワルファリン)」がもっとも多く37.2%、次いで「プラザキサ(ダビガトラン)」(12.0%)、「イグザレルト(リバーロキサバン)」(2.4%)、「エリキュース(アピキサバン)」(0.4%)となった。

 「心房細動を巡る環境は、今大きく変わり始めています。だからこそ、心房細動の疑いがあると感じたら、"たかが脈の乱れ"と軽視せず、その先に要介護など重症化しやすい脳梗塞という疾患が控えているという危機意識をもって、早めに受診することが重要です。脳梗塞の予防を目的に抗凝固薬の服用を適切に開始し、かかりつけ医と相談しながら生活や症状にあった抗凝固薬の服薬を生涯にわたって続けることが必要です」と、山口武典・公益社団法人日本脳卒中協会理事長は述べている。

健康日本21推進フォーラム

(Terahata)

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