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病気のある人も安全・効果的に運動 健康マネジメントの標準化・可視化

キーワード: 三多(多動・多休・多接) 「多動」身体を活発に動かす

日本規格協会が「医療連携プロセス標準策定コンソーシアム」を開始

 一般財団法人日本規格協会は、生活習慣に起因する疾病保有者を主な対象に、日常生活にフィットネスなど運動を取り入れるサービスを提供する「医療連携プロセス標準策定コンソーシアム」の代表団体としてプログラムを展開中だ。那覇市と沼津市で行われている実証事業の様子は「アクティブライフ365」で公開されている。
医療連携プロセス標準モデルを策定
 「医療連携プロセス標準策定コンソーシアム」は、経済産業省の平成25年度委託事業に採択され、事業は今年で4年目の実証段階に入った。健康分野をこれからの成長産業の大きな柱にしていくことで、国民の健康を維持し、結果的に医療費の抑制にもつなげようという狙いがある。

 これまで運動指導の対象となるのは主に健常者で、疾病保有者や高齢者向けではないというイメージ強かった。一方で、医療機関を通院している生活習慣病の患者は、かかりつけ医などから「日常生活の中に運動を取り入れなさい」という指導を受けている。しかし、具体的にどのような運動をしたらいいか分からなかったり、運動が可能であっても日常生活に運動を取り入れるのが容易ではないという人も多い。

 そこで、これらの人々にも日常生活の中で運動を楽しみながら続けてもらい、安全性と効果を実証しようと、医師やフィットネス事業者、運動指導・支援サービス業者、健康運動指導士、利用者らと検討を進め、平成24年度に「医療連携プロセス標準モデル」を策定した。

脈拍を常時測定できるリスト型脈拍計も活用
 このプロセス標準モデルは、質的に安心できるサービスを提供するために、医療機関とサービス提供事業者の役割分担や標準の書式などを定めている。この中では、「日常生活の中での運動」を実践してもらうために、「好きなこと・やりたいこと」にフィットネスの要素を組み合わせたサービスを提供し、日常生活を楽しく過ごす中で自然に疾病予防や健康増進が図られるモデル形成を目指している。体力増進というより「アクティビティ(活動)」を重視する考えだ。

 疾病保有者は、医師による運動指示書や検査結果などをもとに、推奨する運動や注意事項のアドバイスを受ける。専門知識をもった健康運動指導士などがその情報にもとづいて安全で効果的、しかも持続できるメニューを提案し、サービス事業者の下でアクティビティを行い、再び医師に報告する。医師、サービス事業者、健康運動指導士らの役割と責任のモデルを標準化し、全国どこでも利用者が安心して利用できるようするのが狙いだ。

 4年目の今年は10月から来年1月まで、沖縄県那覇市周辺と静岡県沼津市で計50人程を対象に実証段階に入っている。通院し生活習慣病の治療を受けている患者や、運動が推奨される肥満者、心筋梗塞などのリスクがあり心臓リハビリテーションを必要としている患者、ロコモティブシンドロームのリスクの高い人などが対象で、最終的に事業報告書が作成される。

 沼津市で実施されている実証事業の初日には、50〜70歳の女性を中心に、フィットネスのカウンセリングが実施された。参加者には、健康状態のチェックや体力テスト(体力年齢チェック)の実施後、健康運動指導士とのマンツーマンの面談を踏まえて、1人ひとりにあった「運動目標と注意事項」を設定し、趣味嗜好についてヒアリングをしながら参加プログラムが決定された。

 運動記録を計測するために、セイコーエプソン製のリスト型脈拍計の貸し出しも行われた。このリスト型脈拍計は、独自のセンシング技術により、手首に付けることで、液晶表示や音により脈拍を常時測定・把握でき、自身で脂肪燃焼に適した運動強度などを調整できるというもの。この機器を装着し、運動時に脈拍を一定ゾーンに保つことで、効率的に脂肪を燃焼できる。さらには運動プログラム参加時以外も装着することで、日常生活の身体活動量の変化を分析することもできる。
安全性・継続性・効果性が柱とした質の高いサービスを提供
 収縮期血圧が140mmHg以上の人の割合は、65歳以上では男性31.2%、女性30.1%に上る。また、糖尿病や糖尿病予備群に該当する人の割合も、65歳以上では男性46.3%、女性36.1%に上る。

 このように65歳以上の人の大半はなんらかの疾病保有者である可能性がある一方で、運動に取り組んでいる人の割合は増えていない。運動習慣のある人の割合は、男性35.0%、女性29.2%で、に過ぎない(平成23年国民健康・栄養調査)。1日の歩数の平均は、男性7,233歩、女性6,437歩で、10年前に比べ減少している。

 高血圧症や糖尿病を中心に、生活習慣病の疾病保有者は医師から運動や食事の指導を受けることが多いが、入院時以外で、個人でその指導を実行するのはなかなか困難だ。「活発な歩行を交えながら1日当たり8,500〜9,000歩程度を歩くと効果的」などと指導されることが多いが、適切なアドバイスを得られないと持続できないという現実がある。

 そこで疾病の予防、早期の対処、再発の防止によってQOL(生活の質)を保つために、健康マネジメントという考え方が必要になる。医療関係団体やフィットネス関係団体と日本規格協会で構成される「医療連携プロセス標準策定コンソーシアム」が構築したモデルでは、疾病保有者を囲んで医師、健康運動指導士、フィットネス事業者、運動指導・支援サービス業者らが連携して、その人に合った運動メニューを作成・実施し成果を確認する。

 それぞれの役割連携を標準化し、同じ質のサービスが受けられることで、疾病保有者は安心して効果的な運動に取り込めるようになる。何らかの健康リスクを抱えている人を対象としているので、医師の「運動指示書」の内容は重要だ。

 プログラムの柱は3つある。まず「安全性」では、かかりつけ医ののもとで定期的に治療を受けながら、診断情報にもとづき健康運動指導士などの力を借りながら、リスクの高い人も安全に行える運動メニューを作成。場合によっては医師の下で運動負荷試験も行う。

 第2の「継続性」では、観光事業者など利用者を楽しませることが得意な新規参入事業者の参加も見込んでおり、その人の趣味や嗜好に合わせた、長続きするメニューを追求する。

 第3の「効果性」では、医学的に見て効果が出るように、運動の量と期間を定め、そのデータを確認する必要がある。サービス提供者が、サービスのプロセスごとに適切な管理が行なわれているかを確認し、サービス提供者に対する認証の指標(基準)も検討するという。

アクティブライフ365

(Terahata)

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