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たばこ規制から50年 800万人の命を救い平均寿命を20年延長

キーワード: 「無煙」喫煙は万病の元

 米国で50年に及ぶたばこ規制により、800万人の早期死亡が回避され、延長された寿命は20年に及ぶことが、イェール大学公衆衛生大学院のセオドア ホルフォード氏らによる調査で明らかになった。この研究は「米国医師会雑誌(JAMA)」に発表された。
たばこ規制により延長された寿命は平均19.6年
 米国では1964年1月に公衆衛生局長官報告が発表され、喫煙による健康影響がはじめて明らかにされた。今年はその発表から50年目にあたる。当時の長官だったルター テリー博士は「たばこは健康に悪影響をもたらします。もっとも関連が深いのは肺がんで、喫煙は心臓病の発症も増やす可能性が高いのです」と発表した。

 この発表を受け、米国で大規模なたばこ規制キャンペーンが公衆衛生活動として展開された。たばこのパッケージには警告ラベルが貼られ、喫煙による健康被害を訴える広報活動が行われ、テレビやラジオではたばこ広告が規制されるようになった。

 研究グループは、1964年以降に実施されたたばこ規制との関連において、1965〜2009年に国立保健統計センターにより集計された全国の推定死亡率および死亡率比を用いて、実際の喫煙関連死亡率と、たばこ規制がなかったと仮定した場合の推定死亡率との比較を行った。

 約7,000件の論文をレビューし、地域住民の喫煙歴と死亡率の関連を解析し、主要評価項目を早期死亡の回避数および救済生存年数とし、喫煙量の変化に伴う40歳時の余命の変化の評価を行った。

 その結果、1964〜2012年における喫煙関連死亡数は1,770万人と推定された。これは、たばこ規制が実施されなかった場合の喫煙関連の早期死亡数よりも800万人(男性530万人、女性270万人)少ない。たばこ規制がなかった場合、喫煙者の約半数は65歳以前に死亡したと想定し、延長された寿命は平均19.6年と推算した。

 たばこ規制により救済された生命年数の合計は1億5,700万年(男性1億1,100万年、女性4,600万年)に達した。40歳時の平均余命は男性が7.8年、女性は5.4年延長し、そのうちそれぞれ30%、29%がたばこ規制によると推算された。

たばこ規制はまだ道半ば たばこが原因で死亡する人はもっと減らせる
 「喫煙がもたらす早期の死亡の31%が、たばこ規制によって回避できたとみられます。50年にわたるたばこ規制の努力が実を結び、たばこによる死亡の回避率は規制を開始した当初は11%だったのが、2004〜2012年には48%に拡大しました」と、ホルフォード氏は話す。

 現在では、たばこ広告は全米で規制されており、全てのたばこ製品には「たばこは中毒性がある」、「喫煙によって死亡率が上昇する」といった警告ラベルが貼られている。疾病管理予防センターによると、米国の公共スペースの半数以上は喫煙禁止になっている。

 「たばこ規制はまれにみる公衆衛生上のサクセスストーリーを生み、喫煙が関連する死亡数をおよそ半分に減らすことができました。しかし、たばこ規制はまだ中間ポイントに差し掛かったところです」と、研究者は指摘する。米国では50年間に喫煙者の数は減少したが、現在でも4,400万人(人口の約20%)が喫煙していると推定される。

 「地域によっては成人の喫煙率が50%に達するケースもあります。たばこが原因となり死亡する人をもっと減らせるはずです。もしあなたがたばこを吸うのなら、禁煙が確実に実行できるもっとも重要な健康増進の手段であることを肝に銘じて欲しい」と、ホルフォード氏は強調している。

An Estimated 8 Million Lives Saved Since Surgeon General's Tobacco Warning 50 Years Ago, Study Finds(イェール大学 2014年1月7日)
Tobacco Control and the Reduction in Smoking-Related Premature Deaths in the United States, 1964-2012(JAMA 2014年1月8日)

(Terahata)

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