一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

飲酒で認知機能の低下が10年早まる 1日ビール2杯までが目安

キーワード: 二少(少食・少酒) 三多(多動・多休・多接) 認知症

 大量の飲酒を毎日続けていると、加齢にともなう記憶力や認知力の衰えが始まる時期が早まるという調査結果が英国で発表された。
アルコールはメンタル面への影響が大きい
 飲酒をストレス解消の手段として楽しみにしている人は多い。ちょいと一杯のつもりが深酒になってしまったということも、多くの人が経験しているだろう。

 そんな人にとって気になる情報だ。ビールを毎日3杯以上飲んでいる中年男性は、そうでない人に比べ、認知力や記憶力の衰えが10年早まるとの研究が英国で発表された。

 お酒に含まれるアルコールは脳をマヒさせ、論理性や思考能力が低下し、これがリラックス効果を引き起こす。アルコールの依存には、メンタル面の要因が大きく関わっている。

 しかし、飲酒にはリスクも伴う。「大規模な調査を行ったところ、大量飲酒が習慣化している人は、記憶力や認知力の衰えが早い年齢で起こることが判明しました」と、ユニバーシティー カレッジ ロンドンのセブリーヌ サビア氏は言う。

 ただし、ビールを飲む量が1日2杯未満の人では、記憶力や認知力の低下はあまりみられなかったという。これはアルコール換算で20gに相当する。「飲酒は節度をもって、ほどほどにしておくことが勧められます」と、サビア氏はアドバイスしている。

男性は「ビールは1日に2杯まで」が目安
 調査は、英国の5,054人の男性と、2,099人の女性を対象に行われた。飲酒の習慣についてのインタビューを10年以上の期間で3回受けてもらい、また記憶や認識機能を測定するテストも10年間で3回受けてもらった。

 最初のテストを受けた時点での男性らの平均年齢は56歳で、調査は66歳になるまで続けられた。

 飲酒量を純アルコールに換算して分かりやすく表示する方法が多くの国で行われている。その基準となるのが「ドリンク」で、国際的には1ドリンク = アルコール10gという基準量が使用されている。

 酒類の1ドリンク量は、ビール・発泡酒は250mL、酎ハイは180mL、日本酒は0.5合、ウィスキーはシングル1杯(30mL)、ワイングラスは1杯弱(100mL)が目安となる。

 研究では1日の飲酒量により、男性は(1)2ドリンク未満、(2)2ドリンク以上3.6ドリンク未満、(3)3.6ドリンク以上、女性は(1)1ドリンク未満、(2)1ドリンク以上1.9ドリンク未満、(3)1.9ドリンク以上に分類した。

 男女の合計でみると飲酒の程度の割合は、(1)の軽度飲酒の習慣をもつ人が60%、(2)の中度飲酒が20%、(3)の高度飲酒が10%だった。

アルコールが記憶や認知機能を低下 男性の方が影響大
 認知機能をテストした結果、1日にビール3ドリンク以上の飲酒を続けた人では、軽度飲酒を続けた人に比べ、記憶や認知機能の低下が10年早く起こることが判明した。1日2ドリンク以上飲んでいた人では、6年早まっていた。

 一方、2ドリンク未満のアルコール飲料もしくは全く飲まない人では、明確な差異はみられなかったという。2ドリンク未満の飲酒であれば、毎日続けても認知機能に影響しない可能性がある。

 「中年男性を対象にした今回の研究は、飲酒量と認知機能の衰えが進むスピードとの間に相関関係があることを示唆しています。この成果は、アルツハイマー病などの認知症の予防に役立ちます」と、サビア氏は説明している。

 研究に参加した女性では、飲酒による認知機能の衰えはあまりみられなかった。これは、女性では高度飲酒を続ける人が少なかったことが影響しているが、「女性ホルモンであるエストロゲンが、脳細胞が損傷を受けるのを防いでいる可能性がある」と研究者は説明している。

Heavy Drinking in Middle Age May Speed Memory Loss by up to Six Years in Men(2014年1月15日 米国神経学会)

関連情報
アルコールの飲みすぎで脳卒中の発症が10年以上早まる
認知能力の低下は45歳からはじまる 英仏研究
長時間労働は心臓病の危険性を高める 健康管理が有用

[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 認知症

2021年01月14日
【セミナーレポート】今こそ“栄養のすすめ”−ウイルス、癌、認知症に打ち克つ力を!−Web配信中! 健康と長寿によって、活力ある未来社会の実現を目指す「世界健康フォーラム2020」
2020年12月14日
腸内フローラが「睡眠の質」に影響 腸内環境と脳は相互に作用 食事で睡眠を改善できる可能性
2020年12月14日
軽い運動を短時間しただけで記憶力を高められる 脳を標的とした運動プログラムの開発へ 筑波大
2020年10月26日
毎日の歩数が多いほど死亡リスクは低下 1日の歩数を1000歩増やすだけでも効果
2020年10月26日
肥満やメタボは認知症リスクを上昇 体重コントロールで脳機能を改善 食事と運動で対策

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査
スローガン川柳審査中
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート