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良質な睡眠を得るための対策「寝室にスマートフォンを持ち込まない」

キーワード: 「多休」休養をしっかりとる 疲労(休養不足)

 質の良い睡眠を妨げているものは意外なものだ。「スマートフォンやモバイル端末が刺激になり、睡眠の質を低下させている可能性がある」と専門家は指摘している。

 夜中になかなか眠りにつくことができず、昼間に予定しているミーティングや、買物のリスト、裏口に鍵をかけたかなどが必要以上に気になり、さらに眠れなくなったという経験はないだろうか。

 原因はスマートフォンを寝室に持ち込んでいるからかもしれない。専門家は「スマートフォンなどの電子機器が刺激になり、睡眠の質を低下させているおそれがあります」と指摘している。

睡眠に誘う体内時計がスマホの光で乱れる
 スマートフォンやモバイル端末、ラップトップPCが睡眠に障害をもたらす理由のひとつは、その明るすぎる画面だ。明るい人工光を浴びることで、体内の睡眠のリズムに狂いが生じる。最近のスマートフォンの機種は高性能化しており、電話に加え、動画・音楽再生やゲームの機能が付いている。画面も画素数が増え大型化している。

 「体には1日周期でリズムを刻む"体内時計"が備わっており、日中は体と心が活動状態に、夜間は休息状態に切り替わります」と、ハーバード大学のチャールズ ツェイスラー教授(睡眠医学)は説明する。

 「メラトニン」は睡眠を司るホルモンで、概日リズム(サーカディアンリズム)を調節する作用がある。その分泌は主に光によって調節されており、通常は夕方から夜にかけて分泌が増える。夜中に強い光を浴びるとメラトニンの分泌量が減り、体内時計に休息の時刻が伝わらず、睡眠リズムが乱れる原因となるという。

 一方、「コルチゾール」は、利用できるエネルギーを体内に準備する働きをするホルモンだ。夜間に強い光を浴びると、メラトニンとコルチゾールの分泌が乱れて、体内時計に狂いが生じることが、不眠の原因になっているという。

 現代社会では、屋内で生活する時間が増え、太陽光を浴びる機会は減ってきている。逆に、テレビやパソコン、モバイル端末など、自然光以外を浴びる頻度は高い。中でもスマートフォンはベッドの中まで持ち込め、画面の光がメラトニンの分泌に大きく影響している可能性があるという。

 「良い睡眠を得たいのなら、寝室にスマートフォンやモバイル端末を持ち込まない方が良いのです。よく眠れないという人は、試しに就眠の2時間前になったら、スマホをいじるのはやめて様子をみると良いでしょう」と、ツェイスラー教授は指摘している。

スマホ画面のブルーライトは刺激が強い
 ある調査によると、スマートフォンを使っている人の10人中8人は夜もメールチェックを行っており、2人に1人は目覚まし機能を使ったことがあると回答しているという。

 「もしも就寝時にスマートフォンや電子機器から解放されれば、ほとんどの人はより良く眠れるようになる可能性があります」と、英サリー大学のデブラ スキーン教授(神経内分泌学)は指摘する。

 スマートフォンなどのディスプレイは、光源にLEDを採用したLED液晶ディスプレイが、省エネルギーでバッテリーが長持ちすることから主流になっている。そして、最近になってLEDが発する光の中の青い部分「ブルーライト」の刺激が強いと指摘されはじめている。

 LEDのブルーライトは、紫外線の次に波長が短く、可視光線の中でもっとも高エネルギーだ。「目の網膜で光を感受する細胞は、メラノプシンと呼ばれる感光色素を含んでおり、網膜はブルーライトに対して敏感であることが分かってきました」と、スキーン教授は説明する。

 ベッドの枕元のライトで本を読むより、スマートフォンで読んだ方が目が覚めやすいと思ったことはないだろうか。それは、液晶のブルーライトの効果かもしれない。テレビのスクリーンもブルーライトを放射するが、スマートフォンはより顔に近付けて見るので、それだけ影響も大きいという。

 スマートフォンでの電話やメールのチェックは、ほんの一瞬のことだから、それほど影響はないだろうと考えるかもしれない。しかし、実験では、強力な光線をほんの0.1秒浴びるだけでも、体内時計に影響を与えることが確かめられた。

 「体内時計に影響をもたらすのは光量だけでなく、光のタイプや、照射時間、目からの距離も重要な要素です。夜中の2時や3時に、スマホを操作して画面をみるだけで、自律神経系が刺激を受け、覚醒してしまうおそれがあります」と、スキーン教授は指摘する。

良質な睡眠を得るための7ヵ条
 人によって個人差はあるが、睡眠にはサイクルがあり、浅い睡眠(レム睡眠)と深い睡眠(ノンレム睡眠)を、1.5〜2時間間隔で繰り返している。ノンレム睡眠の役割は、覚醒時にフル稼働している脳に休息を与え回復させることにあり、眠りのサイクルの後半にレム睡眠に切り替わることで、脳を活性化して起きるための準備をしていると考えられている。

 その睡眠のサイクルを調整するのが体内時計だ。「メラトニンは目覚めてから14〜16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て分泌されます。そして朝、光を浴びると、メラトニンの分泌が止まります。朝に光を浴びて、夜は浴びないようにすることで、体内時計が正常に働くようになります」と、スキーン教授は強調する。

 ハーバード大学の睡眠医学の専門家であるローレンス エプスタイン氏は、よく眠るための秘訣として、次のことをアドバイスしている。

Let sleep burn away brain fog, from the March 2014 Harvard Health Letter(ハーバード大学 2014年3月10日)
Sleep Chronobiology and Addiction Research Group(サリー大学 2014年1月3日)

(Terahata)

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