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「1日1万歩」の根拠は? メタボ改善に必要な歩数が判明

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム 脂肪肝/NAFLD/NASH 「多動」身体を活発に動かす 運動

 「健康のために1日1万歩を歩きましょう」と言われることが多いが、本当に1万歩を歩かなければならないのだろうか? 「ウォーキングには達成目標はありませんが、歩数を増やせば、健康上のメリットは確実にあります」と専門家はアドバイスしている。
「1日1万歩」の科学的な根拠は?
 市販されている歩数計や活動量計は、「1日1万歩」を目標に定めているものが多い。この1万歩という歩数目標に根拠はあるのだろうか?

 1万歩が健康目標として認知されるようになったきっかけは、意外なことに日本で販売されている歩数計の登録商標名だという。

 米国の運動ガイドラインでは、1日に1万歩を歩くことは推奨されていない。「1週間に合計150分の活発な運動を行う」ことが推奨されている。これを満たすために、1日におよそ8,000〜9,000歩を歩く必要がある。

 日本の厚生労働省が推進している「健康日本21」でも、歩数目標は男性 9,000歩、女性 8,500歩だ。実際の歩数の平均値は、男性7,139歩、女性6,257歩だった(2012年調査)。

 「1万歩を達成しなければならないという科学的な根拠はありません。ただし、歩数を増やす取り組みをすれば必ず成果を得られます」と、米ペニントン生物医学研究センターでウォーキングを研究しているキャトリーン チューダー-ロッケ氏は言う。

歩数が1,000歩増えるとウエスト周囲径は10%減少
 チューダー-ロッケ氏らの研究チームは、1,446人の米国人を対象に調査を行った。参加者に活動量計を身に付けてもらい、1日の歩数により3グループに分けた。

 メタボリックシンドロームの該当者の割合は、「5,000歩未満」のグループに比べ、「5,000歩以上1万歩未満」では40%、「1万歩以上」のグループでは72%少なかった。

 1日に1万歩以上歩いているグループでは、男性で69%、女性で72%、それぞれメタボリックシンドロームの割合が減少した。

 さらには歩数が1,000歩増えると、お腹のふくらみが引っ込み、スリムな体型になることが判明した。平均して1,000歩増えるごとに、ウエスト周囲径は男性で8〜11%、女性で6〜17%それぞれ減少した。

 それだけではない、総コレステロール値や、善玉のHDLコレステロール、中性脂肪値なども、歩数が多い人では改善されていることが判明した。「1日の歩数が増えれば増えるほどメタボリックシンドロームになりにくく、体型もスリムになることが分かりました」と、チューダー-ロッケ氏は言う。

 「1万歩を歩かなければならないわけではありませんが、もしも1万歩歩いたならば、それだけ運動で得られる恩恵は大きくなります。1日の歩数が多ければ多いほど、肥満やメタボリックシンドロームのリスクは低下します」(チューダー-ロッケ氏)。

10分のウォーキングで1,000歩を増やせる
 米メイヨークリニックでは、2型糖尿病などの生活習慣病の患者や予備群に、運動に取り組むことを勧めている。具体的には、まずは1日に1,000歩増やすことを1週間続けることを短期目標にして、やがて1万歩まで増やすことを長期目標とすると効果的だという。

 もしもあなたが1日に5,000歩しか歩いていないのなら、1日に30分だけ多く歩くことを心がければ、8,000歩に到達できる。余裕があれば、もうあと10分だけ歩けば、1,000歩増やすことができる。

 腰やひざに障害があり、長時間歩くのが困難な人も多いが、そうした人でもウォーキングをできる範囲で続けば、多くの場合で病状は改善されるという。

 「運動はどんなやり方でも効果を得られます。まずは立ち上がって、歩き始めることです。昨日できなかったことを、今日できるようになれば、やがては成果を得られます」(チューダー-ロッケ氏)。

 別の研究では、歩数計を持ち歩いて歩数をカウントすることは、毎日の運動の取り組みを促す励みになることが示されている。

 「運動は続けていれば楽しみに変わります。しばらく続けていれば、やがて運動をしないと気が済まなくなるでしょう。ウォーキングには、8,000歩でストップしなければならないという決まりはありません。実際に歩数が多ければ多いほど、効果も大きいことが確かめられています」と、チューダー-ロッケ氏は強調している。

WalkMore: a randomized controlled trial of pedometer-based interventions differing on intensity messages(健康行動プロモーション学 2014年2月15日)

(Terahata)

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