一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

揚げ物は高カロリー 食べ過ぎると肥満遺伝子が2倍に増加

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム 脂肪肝/NAFLD/NASH 「少食」食事は腹7~8分目 食生活

 カレーやシチュー、肉料理、揚げ物などは、油脂分を多く含む食品だ。揚げ物(フライ)をよく食べる人は、カロリーのとり過ぎになるだけでなく、遺伝子的な影響もあらわれるという研究が発表された。
揚げ物を食べ過ぎると肥満遺伝子に影響
 揚げ物を食べる回数の多い人は、肥満に関連する遺伝子変異が体内で起こり、肥満になりやすくなることが、3万7,000人以上を対象とした調査研究で明らかになった。

 この研究は、米国のハーバード公衆衛生大学院、ブリガム アンド ウィメンズ病院、ハーバード大学医学部の研究者が合同で行ったものだ。

 研究チームは、米国で行われている3件の大規模な前向き研究のデータを解析した。「看護師の健康に関する研究」(Nurses' Health Study)に参加した9,623人、「医療従事者追跡研究」(Health Professional's Follow-up Study)に参加した6,379人、「女性ゲノム健康研究」(Women's Genome Health Study)に参加した2万1,426人の遺伝子を調べた。

 研究チームは、肥満と関連が深いとされる32の遺伝子変異を識別し、遺伝子による肥満危険度をスコア化した。このスコアが高い人ほど、肥満の遺伝的要因を強くもっていて、肥満になりやすいことが判明した。

 さらに参加者に、外食の頻度や、週に揚げ物を食べる回数などの食事に関する質問や、体格指数(BMI)、運動の頻度など、生活習慣全般についてのアンケートに定期的に回答してもらった。

 食事アンケートをもとに、参加者を揚げ物を食べる頻度で「週に1回」、「週に1〜3回」、「週に4回以上」の3グループに分けた。揚げ物を食べる頻度が高いほど、BMIが上昇し肥満が増える傾向が示された。

 揚げ物を週に4回以上食べている人では、週に1回だけの人に比べ、肥満と関連のある遺伝子変異が2倍以上みつかった。

 「油で炒めた食品は高カロリーで、食べ過ぎると、BMI(体格指数)が上昇し、肥満になりやすいことは、従来から分かっていました。今回の研究では、揚げ物をよく食べる人では、肥満に関連する遺伝的な傾向が強まることが明らかになりました」と、ハーバード公衆衛生大学院のルー キー氏(栄養学)は話す。

生活スタイルを改善すれば遺伝的影響を変えられる
 最近の研究では、肥満や2型糖尿病などの生活習慣病の発症に、DNAの塩基配列の変化(変異)が影響することが解明されているが、こうした疾患に関わるのは遺伝子のDNAだけではないことが分かってきた。

 そこで、塩基配列の変化による要因ではなく、細胞分裂を経て引き継がれる遺伝子機能の変化や仕組みについて解明する新しい研究「エピジェネティクス」が注目されている。

 肥満やストレスなどの環境因子は関連遺伝子のDNAを変えることはないが、その転写活性を変えて、遺伝子の活性化や抑制遺伝子の不活性化を促し、疾病をもたらすことが解明されている。

 近い将来に、遺伝子を検査することで、肥満や2型糖尿病になりやすさを予測することが可能になるかもしれない。

 「肥満の遺伝素因をもつ人は、食事を見直し健康的に変えていくことで、遺伝的リスクを低減し、肥満を予防できるようになります」と、ハーバード公衆衛生大学院のフランク フー教授は話す。

 油を多く使った料理は、フレンチポテトやフライドチキン、ドーナツなど、ファーストフードに多く含まれる。肥満の遺伝的因子をもつ人は、なるべくこれらの食品を食べないことが勧められるという。

 研究チームは今後、揚げ物以外の、全粒粉、野菜、果物、ナッツ類といった健康的とされる食品と遺伝子変異との関連も調査する予定だという。

Risk of obesity from eating fried foods may depend on genetic makeup(ハーバード公衆衛生大学院 2014年3月18日)

[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2021年01月28日
【健やか21】「COVID-19 ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する⽅へ 」の提言(⽇本産婦⼈科感染症学会・⽇本産科婦⼈科学会)
2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査

生活習慣 ▶ 食生活

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
【健やか21】「子どもの食育を考えるフォーラム」がWeb開催(日本小児医療保健協議会)
2021年01月14日
【セミナーレポート】今こそ“栄養のすすめ”−ウイルス、癌、認知症に打ち克つ力を!−Web配信中! 健康と長寿によって、活力ある未来社会の実現を目指す「世界健康フォーラム2020」
2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に

一無・二少・三多 ▶ 「少食」食事は腹7~8分目

2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」
2020年12月14日
【新型コロナ】薬膳レシピで「コロナうつ」「コロナ疲れ」に克つ 食養生で心身の不調を解消 近畿大学

疾患 ▶ 脂肪肝/NAFLD/NASH

2020年10月26日
毎日の歩数が多いほど死亡リスクは低下 1日の歩数を1000歩増やすだけでも効果
2020年08月28日
日本人は肥満ではなくても脂肪肝になりやすい サルコペニア予備群の段階で対策を
2020年08月12日
ウォーキングなどの運動は「魔法の薬」 座ったままの時間を減らすだけでも効果 室内運動もお勧め
2020年08月12日
全国の1万人超の健康診断の受診状況や病気予防への取組みを調査 できない理由は「何をすればよいか分からない・お金がかかる・面倒」
2020年01月09日
7月12日は「人間ドックの日」 ロゴマークの募集を開始 日本人間ドック学会
全国生活習慣病予防月間
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート