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運動に適した時間帯はいつ? 「運動療法 情報ファイル」が実証実験

キーワード: 糖尿病 三多(多動・多休・多接)

 運動療法は、食事療法とともに車の両輪にたとえられるほど基本治療として重要視されています。しかし、「運動をいつ行えば良いのか」、「血糖値はどれくらい下がるのか」という疑問をもつ人は少なくありません。

 『糖尿病の運動療法 情報ファイル』では、「運動をいつ行えば効果があるのか」という疑問に応えるために、経口血糖降下薬を服用中の患者さんが実証実験を行いました。

 運動を行うと血糖値は確実に下がりますが、運動を行う時間帯によって、血糖値の下がり方に差が出るという結果になりました。

ケースステディ編:測ってみました 運動の時間帯を変えてみた(糖尿病の運動療法 情報ファイル)

「食後1時間後」と「食後3時間後」では血糖値の下がり方に差が出る
 運動すると血液中のブドウ糖が減少し、脂質も下がり、インスリン抵抗性が改善し、インスリンが効きやすくなります。運動を行うことで、糖尿病合併症の発症予防、さらに高血圧、高脂血症も改善し、心筋梗塞、脳血管障害などを引き起こす動脈硬化の予防にもつながります。

 運動療法には急性と慢性のふたつの効果があります。急性効果では、運動し筋肉が働くことにより、筋肉中のブドウ糖や脂肪酸が消費され、それを補うため、血液中のブドウ糖や脂肪が減ります。

 今回の実証実験では、慶應義塾大学スポーツ医学研究センターの勝川史憲先生に監修いただき、52歳の2型糖尿病患者「たけさん」に協力してもらいました。

 腕時計型脈拍計をつけてもらい、「食事の1時間前」、「食後1時間後」、「食後3時間後」の3つの時間帯に運動を行った場合と、運動を行わない場合、合計4通りを測定しました。運動を行う時間帯によって、また行わなかった場合を比べて、時間の進行にあわせて血糖値の上昇がどのように変わっていくかを測定しました。

 ブドウ糖と脂質の代謝をともにバランスよく改善させるのは、中等レベルの運動、つまり、「ややきつい」と感じる程度の運動です。汗ばみ、運動しながら会話ができるくらいが適切です。

運動する時間帯や体調によって、血糖値の下がり方に差が出る
 運動強度の目安として、もっともよく使われるのは「脈拍数(心拍数)」です。脈拍数は、一定の時間内に心臓が拍動した回数をいい、通常は1分間の回数であらわされます。効果的な運動の強度を知るためにもっとも効果的な方法は、自分の脈拍数をリアルタイムに測定することです。

 実証実験の結果は、「運動はいつ行っても血糖値は下がる」というものでした。30分の有酸素運動を行うことで、250mg/dLを超えていたたけさんの血糖値は、100〜150mg/dLに下がりました。

 しかし、血糖値の降下を示す曲線は、運動をする時間帯によって、まったく違うものになりました。食後1時間後の運動では、血糖値のピークになる部分がちょうど運動の時間に合い、血糖値の上昇が抑えられました。運動終了後に少し上昇しますが、そのまま自然に下降しました。

 運動をすると、血液中のブドウ糖を細胞に取り込むタンパク(GLUT4)が増えて、インスリンが効きやすくなります。また、脂肪組織はエネルギー貯蔵のほか、さまざまなホルモンを作り出しています。そのなかにインスリン抵抗性の原因になるホルモン(TNFα)があります。運動により脂肪細胞が減るとTNFαも減り、インスリン抵抗性を改善する働きをするホルモン(アディポネクチン)が増加します。

 運動はほぼ毎日行うのが理想的ですが、運動する時間帯や体調によって、血糖値の下がり方に差が出てきます。「継続は力なり」です。できることから運動をはじめてみましょう。

 詳しくは『糖尿病の運動療法 情報ファイル』をご覧ください。

ケースステディ編:測ってみました 運動の時間帯を変えてみた(糖尿病の運動療法 情報ファイル)

(Terahata)

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