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腰痛に悩まされる割合は10人に1人 職場でできる腰痛対策

キーワード: 三多(多動・多休・多接)

 腰痛に悩まされる人は世界的に増えている。10人に1人は腰痛を抱えており、その3分の1は職場で発生していることが明らかになった。腰痛は簡単な対策で改善できる。
腰痛は年代によって傾向が変わる
 シドニー大学の研究チームは、187ヵ国21地域を対象に行われた「世界的な疾病の課題2010」研究のデータをもとに、腰痛が引き起こす障害について調査した。

 腰痛の原因はさまざまだが、年代によって原因に傾向がみられる。40〜50歳代では、原因の多くを「椎間板ヘルニア」が占める。

 頚椎は、積み木のように重なる椎骨と、それらの間にありクッションの役割を果たしている椎間板で構成されている。椎間板が傷んでいると、圧力が加わることで脊髄や神経根を圧迫することがある。このような状態が頚椎椎間板ヘルニアだ。

 加齢や長時間にわたって首に負担がかかる姿勢をとる、また運動などで首に大きな力が加わることも、椎間板が傷む原因になる。

 60歳以上で多いのは「脊柱管狭窄症」で、脊柱(背骨)の中の神経が通る空間(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫されて腰痛が現れる病気だ。

 一般的に、腰椎椎間板ヘルニアはおじぎをすると症状が強くなり、体を反らせると楽になるが、脊柱管狭窄症は体を反らせると症状が強くなり、おじぎをすると楽になる。

働き盛りの世代で腰痛が増えている
 腰痛は原因を特定できないケースが多く、全体の80%以上は原因がはっきりしていないという。エックス線検査などの画像検査で異常が発見されにくい筋肉や関節、椎間板などに原因があるとみられ、特に筋肉に関係する腰痛が多いとみられている。

 職場で発生する腰痛には、「長時間の同じ姿勢でいる」、「荷物などの持ち上げが多い」、「力仕事が多い」ことなどが影響している。

 シドニー大学の研究チームは、腰痛が引き起こす障害を「障害調整生命年」(DALY)で算出した。この数値は病気やケガなどで損失された年数を示すものだ。

 試算によれば、全世界で職場での腰痛によって生じたDALY値は2,200万ほどで、3分の1は労働作業に関連した要因により引き起こされているという。腰痛が起こるのが多い年齢は35〜65歳で、男性で合計約1,350万のDALY、女性で830万のDALYが示された。

 腰痛に悩まされるのが多いのは先進国だけでなく、人口密度の高いアジアや北米、中東においてもみられる。アジア、オセアニア、アフリカでも腰痛は増加している。

 「腰痛のリスクがもっとも高いのは、農業部門に従事する働き盛りの世代です。先進国でも、腰に負担のかかる介護・看護の分野で増えています」と、研究者は述べている。

腰痛を予防・改善する方法
 「腰痛は、ほとんどの人が人生のどこかで経験する身近な病気です。世界の9.4%の人が、腰痛に悩まされていますが、一過性の腰痛を含めると割合はもっと多くなります」と、シドニー大学のティム ドリスコル教授(公衆衛生学)は話す。

 オーストラリアでは、80%が腰痛を経験したことがあり、4人に1人が深刻な症状をもっているという。また、仕事を10日以上欠勤した人の25%は腰痛が原因で、それによる経済的損失は年間4,900億円(48億ドル)に上る。

 シドニー大学公衆衛生学部では、腰痛を予防・改善する対策として、次のことを勧めている。

腰痛を予防・改善する5つの対策

・ 長時間の同じ姿勢は腰に悪い
 長時間同じ姿勢でいると、筋肉を偏って使用することになる。さらに座り姿勢は、立ち姿勢と比べると、椎間板の負担がおよそ4割増加するというデータもある。デスクワークなど同じ姿勢を続けなければならない場合、ときどき立ち上がって腰を伸ばしたり、体操をするなど、体を動かすことが大切だ。

・ 筋肉が衰えると腰痛の悪循環に陥りやすい
 腰回りの筋肉は、30歳代から老化が始まり、運動不足が加わると、筋肉はさらに衰えていく。やがて脊柱を支えきれないようになり、姿勢が悪くなる。すると姿勢を保とうとして筋肉が緊張し、痛みが現れる。「腰痛があると動けない → 運動不足になる → 腰を支える筋力が低下する → より腰に負担がかかる」という悪循環を起こしやすい。

・ 運動で腰痛を改善・予防する
 痛みの改善および予防に効果的なのが運動だ。腹筋や背筋を鍛えて、脊柱を支える力を高めたり、硬くなった筋肉を柔らかくする効果がある。ふだんから体を動かすようにし、ウォーキングや水泳、水中ウォーキングなどで、全身をよく動かすと効果的だ。

・ 上半身のストレッチ
 姿勢の悪化や筋肉の緊張は、痛みを長引かせる大きな要因となる。筋肉や関節などの機能を維持するためには、適度に動かすことが重要だ。病気や外傷で痛みが生じた直後は安静にするのが基本だが、少し痛みが治まったら、できるだけ動かすほうが痛みが長引かないとされる。医師や理学療法士から指導を受けて正しい姿勢で体操などを行い、筋肉を柔らかくすることが大切だ。

・ 心理的ストレスで痛みが増加
 腰痛では、心理的なストレスも痛みの原因になる。例えば不安やうつなども原因になる。痛みが長く続くことによって不安になることで痛みが増加する。運動はストレス解消にもつながるので、積極的に行うことが勧められる。

Low back pain accounts for third of all disability linked to work(シドニー大学 2014年4月1日)

(Terahata)

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