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肥満は「危険信号」 25歳を過ぎたら体重をチェック

キーワード: CKD(慢性腎臓病) 肥満症/メタボリックシンドローム 心筋梗塞/狭心症 脂肪肝/NAFLD/NASH 「多動」身体を活発に動かす 運動

 「最近、体重が増えてきた」という人は、大いに気にした方が良い。「肥満は体にとって危険信号です。若い頃に比べ体重が増えているという人は、体重を減らす対策を始めるべきです」と、専門家は警笛を鳴らしている。
20歳時から体重が10kg増えた人は要注意
 肥満を判定する基準となるのは体格指数(BMI)だ。BMIは、「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で計算できる。日本ではBMI値が25を超えていると「肥満」と判定される。例えばあなたの身長が160cmなら64kg、170cmなら72.3kgが「BMI値25」に相当する。

 肥満や過体重で特に深刻とみられるのは、おなかがポッコリと出る「内臓脂肪型肥満」だ。これに高血糖、高血圧、脂質異常などが加わると、脳卒中や心臓病、腎臓病などの重篤な病気を発症しやすくなる。

 極端な肥満ではなくても、20歳のころに比べて体重が10kg以上増えている人は、特に注意が必要だ。女性も女性ホルモンの分泌が減少する閉経後には、男性同様に注意が必要となる。

 米国人の3人に1人が「肥満」とされ、20歳の若者も35%が肥満とされており、社会問題となっている。米国心臓病学会(AHA)は今年4月に、「肥満」を正式に「病気」と認定する声明を発表した。米国医師会(AMA)も昨年に同様の声明を発表している。

 「肥満や太りすぎは、体にとって危険信号のようなもので、健康を損ないやすい状態です」と、AHAのゴードン トマゼルリ氏は強調する。

 米国の5,000人以上を20年間調査したニューヨーク市立大学の研究で、20歳時に肥満と判定された人の半数は35歳になっても肥満のままで、うち2割は高度な肥満に進展することが判明した。

 「若い頃に自分が肥満であることに気が付いたら、肥満を解消するために、ただちに生活習慣の改善を考えるべきです。半数の人は肥満から離脱することが可能です。肥満を解消することで、さまざまな病気を予防できます」と、研究者はアドバイスしている。

食事スタイルの改善が肥満解消の第一歩
 内臓脂肪型肥満の原因は、食べ過ぎと運動不足で、まずはこれらを改善することが大切だ。

 1日に約240kcalを食べ過ぎた状態を1ヵ月続けると、体内の脂肪組織は約1kg増える。逆に考えると、食事で摂取するエネルギー量を1日に240kcal減らすと、1ヵ月間で1kgの脂肪を減らせることになる。

 まず、腹八分目の感覚に慣れ、食べ過ぎを防ぐ。食事のタイミングをバラバラにせず、食事の時間を決めておき、それに合わせて行動するというような心構えも必要だ。

 食べたもののおおよそのカロリーや体重を記録すれば、食事量を意識する習慣をつけることができる。

 肥満がある人の中には「自分はあまり食べていないのに太ってしまう」と考える人が少なくないが、食べずに太る人はいない。間食やアルコールのカロリーを計算に入れていない人も少なくない。まずは思い込みを捨て去り、認識を改めることが大切だ。

 すでに高血糖や高血圧、脂質異常などがある人は、しっかりと治療を受ける必要がある。糖尿病や高血圧は、早い段階から薬を使って積極的に治療したほうが、その後も重篤な病気を発症しにくいことが分かっている。反対に、適切な時期に治療を開始しないでいると、その影響は数十年後まで及ぶ。

 また、最近の研究では、ストレスや心労が脳に「糖分をとりたい欲求」を起こさせることも明らかになっている。ストレスによる早食いや大食いも注意しよう。

 肥満には、体質などの遺伝的な要因も影響する。ただし、遺伝子は変えられなくても、生活習慣の改善によって、遺伝子の働きを変えられることが最近の研究で分かってきた。生活習慣病につながる遺伝子をもっていても、生活習慣を改善すれば、発症を防ぐことができる。

肥満は病気 「肥満パラドックス」は間違い?
 太っている人は、高血圧や2型糖尿病、腎臓病など、さまざまな病気にかかりやすい。脂肪の蓄積は、インスリンの効き方が悪くなる「インスリン抵抗性」を引き起こす。そのため、過体重や肥満の人は、減量をするようアドバイスされることが多い。

 しかし、実際に統計をとってみると、標準体重の人よりも過体重や肥満と判定された人の方が長生きする傾向がある。この矛盾は「肥満パラドックス」と呼ばれ、多くの医師や医療スタッフを悩ましてきた。

 ところが、2型糖尿病や高血圧症を発症した時点で肥満や過体重である場合は、明らかに死亡率が上昇し医療費も増加するという調査結果が発表された。

 韓国の成均館大学医学部のユス チャン氏らは、30〜59歳の韓国人約1万5,000人を対象に調査を行った。肥満のある人では、動脈の壁にプラークができ、血管が硬くなる「動脈硬化」が起こりやすいことが明らかになった。

 冠動脈疾患の検査の中心となりつつあるのが、コンピュータ断層撮影(CT)検査だ。CT検査で検出できるもののひとつに、血管の「石灰化」がある。動脈硬化が進行すると、プラークに血液中のカルシウムが沈着して石灰化という状態になる。

 心臓をとりまく動脈を冠動脈といい、酸素や栄養素を含んだ血液を心筋に供給している。肥満のある人では冠動脈の石灰化が際立って多くみられることが確かめられた。若年期から肥満がみられ、その期間が長いほど、冠動脈石灰化が促され、年齢が上がってから冠動脈心疾患を発症するリスクが高まることも分かった。

 「肥満の人は体重を減らすことが必要であることが、あらためて確かめられました。健康的な体重を維持することが大切です」と、チャン氏は強調している。

Treating Obesity as a Disease(米国心臓学会 2014年4月14日)
Early Obesity Linked to Increased Probability of Severe Obesity Later in Life(米国予防医学会 2014年5月6日)
"Metabolically Healthy Obesity" Found to be Associated With Coronary Atherosclerosis(米国心臓病学会財団 2014年4月31日)

(Terahata)

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