2014年07月25日
大豆の栄養パワーを再評価 大豆は自然のバランス栄養食
豆腐、納豆、みそ、しょうゆなど、和食に欠かせない大豆食品。大豆には、脂質異常症、がん、骨粗鬆症、更年期障害などを改善する多彩な作用があるとされている。日本が長寿国となった理由も、大豆をうまく食生活にとりいれたことを抜きには考えられない。
大豆がコレステロールを下げる がんの予防効果も



中高年の男性にも大豆食品はお勧め
「植物エストロゲン」と聞くと、「イソフラボンが女性の健康に効果的なのは知っているが、男性ではどうなのか」という疑問を感じる人も多いだろう。国立がん研究センターの調査が約4万3,000人を対象とした調査では、大豆をよく食べている61歳以上の男性では、摂取量がもっとも多いグループで、もっとも少ないグループと比べ、前立腺がんの発症が半分に減るという結果が出た。
男性の前立腺では、治療の必要がない微少ながんが加齢と共に増加することが知られている。それががんに進行して臨床的に発見される例は、日本人より欧米人の方が10倍も多いとされる。「大豆を食べているかどうか」という食生活の違いが原因ではないかと指摘されている。
前立腺がんは、男性ホルモンの働きが影響し発症するがんだが、女性ホルモンに似た作用をもつイソフラボンをとっていると、男性ホルモンの過剰な働きを抑え、前立腺がんができにくく、できても進行が抑制されると考えられている。
なお、日本人はイソフラボンを平均で1日に15〜22mgとっているが、サプリメントなどからの過剰摂取には注意が必要だ。厚生労働省・食品安全委員会が2006年にまとめた「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」では、大豆イソフラボンのみを通常の食生活に上乗せして摂取する場合の安全性を検討し、サプリメントや特定保健食品などで摂取する量は1日当たり30mgまでが望ましいとしている。
健康のためには、バランスの良い食事をとることが重要だ。大豆イソフラボンをサプリメントのみで摂取するよりも、大豆食品を摂取した方が理想的な食生活に近づく。日常の食生活では、各栄養素のバランスにも配慮が必要だ。
大豆・イソフラボン摂取と子宮体がんとの関連(国立がん研究センター 2014年6月18日)血中イソフラボン濃度と乳がん罹患との関係(国立がん研究センター 2008年3月7日)
大豆製品・イソフラボン摂取量と前立腺がんとの関連(国立がん研究センター 2007年3月16日)
(Terahata)