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熱中症「高齢者ほど危険」 75歳では体温上昇幅が20歳代の2倍に

キーワード: 三多(多動・多休・多接)

 75歳以上の高齢者は体温を感知する機能が衰えて発汗しにくくなり、熱が体にこもり、体温の上昇幅が20代の2倍程度となることを、名古屋工業大大学院の平田晃正准教授(情報工学)らが突き止めた。
75歳の体温上昇幅は若者の約2倍
 消防庁によると、昨年7〜9月に熱中症で救急搬送された患者の44%が高齢者。汗をかきにくいことから高体温になり、熱中症になりやすいと考えられているが、科学的な裏付けは十分ではなかった。

 体温は皮膚や内臓、骨にある温度を感知する器官の情報をもとに脳の視床下部にある中枢がコントロールしている。体温が上昇すると、脳が汗を出すよう指示するが、高齢者は温度感知の機能が低下し、発汗しにくくなる。

 研究グループは、スーパーコンピューターを用い、過去の研究で報告された実測データから、体温が変化する際に脳がどのように働いているかを推定した。

 その結果、75歳以上は体内深部の温度変化を十分感知できておらず、体温が一定以上に上がるまで、汗をかくなどの体温調整機能が働かないことが分かった。

 気温32.5度、湿度60%の状態に90分いた場合と、通常の体温と比較したところ、20歳代は0.17度、65歳は0.34度(20代の2.0倍)、75歳は0.66度(65歳の1.9倍)、それぞれ上昇した。

 気温を35.0度にすると、20代は0.24度、65歳は0.45度(20代の1.9倍)、75歳は0.83度(65歳の1.8倍)と、20代と65歳、75歳の体温上昇幅はそれぞれ約2倍の開きがあり、熱中症の危険が高まった。

高齢者では体温調整機能が働かきにくい
 若者はすぐ汗をかいたが、高齢者は15分以上たってから発汗し、量も少なかった。高齢者は体内深部の温度変化を十分感知できておらず、体温が一定以上に上がるまで、汗をかくなどの体温調整機能が働かないことが分かった。

 熱中症は汗のかき方だけが原因ではなく、高齢者は体内水分量がもともと少ないことや、暑さへの感覚が鈍くなっており、気温が高くなっても気付かない点も指摘されている。

 平田准教授は「高齢者は体温が上昇しやすい。気付いたときはすでに想像以上に上がっているおそれがある。75歳以上になると10年前と比べて体温上昇幅が倍になるので、自分の感覚に頼り過ぎないことが必要だ」と注意を呼び掛けている。

名古屋工業大学大学院工学研究科情報工学専攻平田研究室

(Terahata)

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