2014年10月17日
認知症の高齢者の消費者トラブルが1万件超 国民生活センター
キーワード:
二少(少食・少酒) 三多(多動・多休・多接) 認知症
認知症の高齢者の消費者トラブルに関する相談は、昨年度初めて1万件を超えたことが分かり、国民生活センターが注意を呼びかけている。
認知症高齢者のトラブル件数が過去最高に
周囲のケアがなければ被害が発覚しにくい
国民生活センターによると、60歳以上の認知症の人の消費者トラブルに関する相談は、昨年度1年間で全国の消費生活センターに1万1,499件が寄せられ、過去最多だった前年度(9,643件)より1,856件増えた。
相談内容は、健康食品の送りつけ商法などの他、ふとんや住宅リフォーム工事などが多い。近年ではインターネットに関連した通信回線の契約のトラブルが増えているという。また、高齢者本人がテレビやカタログの通信販売で、商品を大量に購入する事例も報告されている。
相談は、本人以外の家族や介護ヘルパーなどからが8割を占め、認知症の高齢者がトラブルや被害に遭っていることを家族や周囲の人が気づいたものが多い。
「認知症の母の自宅から健康食品とその契約書や払込票がみつかり、母が電話勧誘で約5万円の健康食品を購入していたことがわかった。母は全く覚えていない状況だ」、「母親の家に大量の羽毛ふとんが置かれていた。訪問販売で10件以上契約させられていた」といった相談事例が報告されている。
iPS細胞やSTAP細胞に関連した事業に対して、投資などを呼び掛けて消費者をだまそうとする業者の相談件数も増えているという。
認知症の高齢者は、業者からの勧誘や契約締結の場面で必要な判断能力が不十分な状態にあるために、一般の高齢者よりもトラブルや被害に遭いやすく、悪質業者のセールストークなどをうのみにして、高額な契約を押し付けられたりして、被害が大きくなる場合が多い。
国民生活センターは、「家族やホームヘルパーなど、周囲のケアがなければ被害が発覚しにくく、深刻な事態へと進展する恐れがある」として、高齢者の生活に変化や不審な点がないか確認するよう注意を呼びかけている。
居室に不審な契約書や請求書、宅配業者の不在通知、大量の通信販売カタログやダイレクトメールがある場合は要注意だ。また、健康食品や新品のふとん、同じような商品が大量にないか、屋根や壁、電話機の差し込み口に工事の跡がないかなども忘れずにチェックしたい。
家族や周囲の"見守り"と"気づき"が大切?認知症等高齢者の消費者トラブルが過去最高に?(国民生活センター 2014年9月11日)
(Terahata)