一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

睡眠が生活の質を決める 理想的な睡眠時間は何時間?

キーワード: 高血圧 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 脳梗塞/脳出血 睡眠障害 「多休」休養をしっかりとる 認知症

 睡眠の質を改善すると、仕事の能率が高まり、欠勤も減る。脳の健康のために良好な睡眠が不可欠であることが、最新の研究で明らかになった。
日本人の睡眠時間は足りていない
 仕事が忙しいために、十分な睡眠をとれないと訴える人は多い。睡眠不足が原因で、仕事の能率や生産性の低下を感じている人は少なくないだろう。

 仕事の効率を高めるうえで、質の良い睡眠が大切なことは多くの人が実感している。睡眠時間を見直せば、健康不安がなくなり効率的に仕事をできるようになる可能性がある。

 日本は国民の睡眠時間が世界でもっとも短い国のひとつで、世界の18ヵ国の睡眠時間を比べた経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7.8時間で、最短の韓国に次いで短かった。

 2011年国民健康・栄養調査(厚生労働省)によると、1日の平均睡眠時間は「6時間以上7時間未満」という人が多く、男性の35.5%、女性の37.7%が該当した。

 体の不調を感じていたり、仕事がうまくいかないと悩んでいる人は、自分の睡眠について一度見直してみてはいかがだろうか。

理想的な睡眠時間 男性7.8時間 女性7.6時間
 日本人にとっても気がかりな調査結果がフィンランドから寄せられた。十分な睡眠をとっている人は、仕事の能率が上がり、欠勤も減ることが明らかになった。

 調査に参加したのは、フィンランドの30歳から64歳の男女3,760人。参加者に、睡眠状況について自己申告でアンケートに答えてもらった。また、医師による健康診断を行い、睡眠と健康状態の関連性を調べた。

 その結果、睡眠時間が6時間未満もしくは9時間を超える人たちは、病欠率が高いことが判明した。病欠のリスクがもっとも低かったのは、睡眠時間が男性で7.8時間、女性で7.6時間の人たちだった。

 また寝つきが悪い、夜中に目が覚めてしまう、眠りが浅いといった睡眠障害の症状も、仕事の病欠に影響することが確認された。

 研究者は、もしも従業員の睡眠問題を解決できたなら、フィンランドのビジネスに大きな影響があるだろうと予測している。十分な睡眠をとることで、仕事の欠勤による経済的な損失の28%をカットできると計算している。

睡眠の質が低いと脳が縮小しやすくなる
 睡眠不足が続くと、血圧値や血糖値が上昇しやすくなり、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や心筋梗塞や脳血管障害のリスクが高まる。

 また免疫力を低下させ、インフルエンザなどの感染症や、がんの発症も増えることが知られている。

 これらに加えて、睡眠の質が低い状態が続くと脳が縮小しやすくなるという、気になる研究も発表された。

 研究は、オックスフォード大学によるもので、平均年齢54歳のノルウェーの男女147人が参加し、研究開始時と平均3.5年後にMRI(磁気共鳴画像)による脳の検査が行われた。

 その結果、睡眠の質が低い人では、推論や計画、記憶、問題解決に関与する脳の3つの部分に萎縮や変質がみられたという。

 睡眠の質が低い人の脳の縮小は、60歳以上の男性でより強くみられた。過去の研究で、睡眠障害が記憶力低下と脳容積減少に関連することが報告されており、今回の研究はそれを裏付けるものとなった。

 「睡眠によって脳の回復と修復が促されます。睡眠をとるということは、"脳の清掃"を行っているようなものです」と、研究者は述べている。

 「質の悪い睡眠がもたらすさまざまな弊害を断ち切るために、睡眠の質を高めるための対策を施すべきです」とアドバイスしている。

Study links healthy sleep duration to less sick time from work(米国睡眠医学会 2014年9月3日)
Sleep and Sickness Absence: A Nationally Representative Register-Based Follow-Up Study(Sleep 2014年9月1日)
Poor sleep quality is associated with increased cortical atrophy in community-dwelling adults(Neurology 2014年9月9日)

(Terahata)

関連トピック

疾患 ▶ 糖尿病

2018年11月14日
11月14日は「世界糖尿病デー」 糖尿病とともに生きる人と家族を支援
2018年11月14日
サマータイムは「睡眠障害」の原因に 生物時計に障害 日本学術会議
2018年11月14日
なぜ「朝食を抜くと体重が増える」? 体内時計で解明 名古屋大
2018年11月14日
"防ごう、備えよう!低血糖―低血糖時のアクションプラン"公開 糖をはかる日
2018年11月12日
「糖尿病になったらいくらかかる?」を改訂 糖尿病の医療費

疾患 ▶ 高血圧

2018年11月14日
サマータイムは「睡眠障害」の原因に 生物時計に障害 日本学術会議
2018年11月14日
妊娠中の低栄養やストレスが子の高血圧の原因に 遺伝子レベルで解明
2018年10月26日
2型糖尿病患者の3人に2人に「心血管疾患」のリスク 130ヵ国を調査
2018年10月24日
生活習慣病リスクを予測するAIを開発 100万人の健診データを解析
2018年09月10日
「スマートミール」認証がはじまる バランスの良い健康な食事の証

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2018年11月14日
なぜ「朝食を抜くと体重が増える」? 体内時計で解明 名古屋大
2018年10月26日
2型糖尿病患者の3人に2人に「心血管疾患」のリスク 130ヵ国を調査
2018年10月11日
たった一晩の「不眠」でメタボや糖尿病に 睡眠を改善するための7ヵ条
2018年09月18日
2017年国民健康・栄養調査(2) 食事エネルギー量は60歳代が最多 外出しない高齢男性が低栄養に
2018年09月18日
2017年国民健康・栄養調査(1) 糖尿病・高血圧・コレステロール 多くの項目で目標未達成

疾患 ▶ 認知症

2018年11月09日
糖尿病の治療薬が「アルツハイマー病」のリスクを減らす 脳の血管を保護
2018年09月10日
社会的な孤立が生きがいの喪失につながる 社会保障・人口問題研究所「生活と支え合いに関する調査」
2018年08月28日
「認知症」を恐れる中高年が大多数 政府の施策は「知らない」 日医総研
2018年07月26日
認知症の原因は「日常生活活動」の低下 日常活動や社会的活動が大切
2018年05月31日
ビタミンCが「認知症」リスクを低下 女性でリスクが10分の1に低下

疾患 ▶ 脳梗塞/脳出血

2018年10月04日
【講演会レポート】「10月8日は、糖をはかる日」講演会 「"これからの"血糖コントロール」
2018年06月22日
アブラナ科野菜は「台所のドクター」 心疾患、脳卒中、がんのリスクを低下
2018年05月24日
2018年度東京CDE・CDS受験者用講習会7月より募集開始
2018年03月05日
PCSK9阻害薬の適正使用フローチャート 動脈硬化学会が見解を表明
2018年02月21日
気温差が大きいと「脳卒中」のリスクが上昇 季節の変わり目に注意

疾患 ▶ 睡眠障害

2018年10月11日
たった一晩の「不眠」でメタボや糖尿病に 睡眠を改善するための7ヵ条
2018年05月16日
「睡眠障害」が高血圧・糖尿病に関連 日本で最大規模の研究
2018年02月14日
【全国生活習慣病予防月間講演会レポート】「生活習慣病」と「がん」その予防に共通するキーワードは?
2017年05月02日
階段運動はコーヒーを飲むより効果的 たった10分の運動で活力が向上
2016年12月21日
睡眠時間が足りないと甘いものが欲しくなる? 寝不足はダイエットの敵

一無・二少・三多 ▶ 「多休」休養をしっかりとる

2018年11月14日
サマータイムは「睡眠障害」の原因に 生物時計に障害 日本学術会議
2018年11月14日
妊娠中の低栄養やストレスが子の高血圧の原因に 遺伝子レベルで解明
2018年08月29日
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催
2018年08月28日
「認知症」を恐れる中高年が大多数 政府の施策は「知らない」 日医総研
2018年07月31日
熱中症予防に関する緊急提言 小児や高齢者など「熱中症弱者」に注意を
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
大人の健康生活ガイド 30代以上の中高年者に関する健康情報を提供
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート
病気別BEST100サイト 知りたい病気の最新情報がすぐにわかる、病気サイトの百科事典