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子供の肥満の原因は家庭にある 一家団らんの食事が肥満を防ぐ

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム 「少食」食事は腹7~8分目 食生活

 家族といっしょに食事をすることが多い子供は、過体重・肥満になりにくいことが、ミネソタ大学とコロンビア大学による研究で明らかになった。

 肥満傾向の子供は増えており、そうした子供は成人してから肥満になる可能性が高い。子供のうちから、予防的な取組みすることが必要となっている。

 「成人期への移行期にある子供は、家族といっしょにとる食事など、家庭環境を改善することで過体重や肥満を予防できる可能性があります」と、ミネソタ大学のヘリカ ベルゲ氏(家庭医学)は言う。

家庭での食事が子供の肥満に影響
 家庭でどのような食事をとっているかが、子供の肥満に影響する。研究チームは、米国の120組の家庭に協力してもらい、実際の食事の様子をiPad(アイパッド)で数十時間にわたり撮影してもらった。

 撮影されたビデオをもとに、食事に費やす時間、食事のタイプ、家族との会話の頻度や内容などを解析した。

 さらに研究チームは、2,287人の10代の子供とその親が参加した、10年間にわたる縦断的研究のデータを解析し、食事の摂取状況・身体活動・体重コントロールなどと子供の肥満の関連を調べた。

 その結果、研究対象となった子供の51%が過体重、22%が肥満だったが、家族といっしょに食事を食べることが少ない子供は60%が過体重で29%が肥満で、肥満率が有意に上昇することが判明した。

 過体重や肥満の子供の家庭では、食卓に明るい雰囲気が少なく、食事の時間や場所も一定していない傾向がみられたという。

 一方で、標準体重の子供は、家族と団らんする頻度が高く、親が励ましの言葉をかけ、親と子が理解しあう会話の頻度が高いことが判明した。

 また、標準体重の子供は、食事の80%を台所でとっていた。それに対して、過体重の子供は食事の55%を台所でとっていた。

 さらに、標準体重の子供は食卓に両親がそろっていることが多かった。2人目の保護者は、食卓の秩序を保つ役割モデルとなっている可能性があるという。

 なお、6割の家庭では、テレビや携帯電話、コンピューター、携帯型ゲーム機など、何らかのスクリーンの電源がオンになっていたが、これは過体重児、健康体重児の家庭で同等だった。

家族が食卓に揃う頻度が週に1〜2日だけでも効果がある
 食事の時間に家族がそろうことで、家族間の感情的なつながりをもつ機会が増え、食品もより健康的なものを選ぶようになる。

 別の調査では、家族が揃って食事をとる家庭では、野菜・果物・カルシウム・全粒穀物の摂取量が多いという結果が示されている。そうした食事は肥満予防に効果的であり、今回の調査結果とも合致する。

 「家族がそろって、規則正しく、明るい雰囲気で食事をとることは、子供に安定感を与え、食習慣にも影響します。親自身もまた、健康的な食生活の役割モデルとなります」と、ベルゲ氏は説明する。

 興味深いのは、家族と食事をとる頻度が週に1〜2日だけでも、まったく家族と食事をしない子供に比べ、過体重や肥満の比率は低下していたことだ。

 「家族がそろって食事することを、週に1〜2回だけ実行するだけでも、子供の過体重・肥満を減らす効果があります。食事に長時間を費やす必要はなく、時間帯も朝食、昼時、夕食のいつでもかまわないのです」と、ベルゲ氏はアドバイスしている。

 「ドライブスルーでファストフードを調達したり、テレビの前で子供に冷凍食品を与えるのは簡単ですが、家族が食卓を囲んでとる食事は、多くの人々が考えるよりもずっと実行しやすいことです」(ベルゲ氏)。

 子供は健康的な食行動モデルを家庭で学んでいる。家族との食事には肥満・過体重に対し予防的役割がある。「子供と向き合うことの多い公衆衛生の専門家や医療の専門家は、この情報を利用し、子供の肥満に対策する親に知らせるべきです」としている。

A Family Meal a Day May Keep Obesity Away(Journal of Pediatrics 2014年10月3日)

(Terahata)

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