一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

睡眠不足が3日続くと糖尿病や肥満に悪影響が 脳にも異変

キーワード: 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 睡眠障害 ストレス関連疾患/適応障害 「多休」休養をしっかりとる

 睡眠不足が3日続くと、糖尿病や肥満に悪影響を及ぼすおそれがある。睡眠障害は脳のメカニズムにも異変を起こす――。睡眠の質を高めることが、血糖コントロールを改善するために必要であることが明らかになった。
睡眠不足が続くと遊離脂肪酸が上昇
 シカゴ大学の研究チームは、18〜30歳の健康な男性19人を対象に、4日続けて約8時間の睡眠をとるパターンと、4日続けて4時間強の睡眠をとるパターンで過ごしてもらった。

 期間中、被験者の睡眠をモニターし、食事内容もコントロールした。採血も定期的に行った。

 そして判明したのが、睡眠不足が4日続いた被験者では、深夜と早朝に「遊離脂肪酸」が15〜30%上昇し、早朝まで5時間高濃度の状態が続くということだ。

 遊離脂肪酸は、脂肪細胞内にたくわえられた中性脂肪が分解され、血液中に放出されたもの。体を動かすエネルギー源になるが、血中の濃度が高まると、2型糖尿病や肥満、心血管疾患などを悪化させる要因になる。

睡眠不足が3日続くだけでインスリン抵抗性は悪化
 血中の遊離脂肪酸の濃度は、通常は夜間に上昇したのち降下する。遊離脂肪酸濃度が高いままだと、インスリンの作用が悪くなるインスリン抵抗性につながる。実際、睡眠が不足すると遊離脂肪酸が増え、インスリンの働きが23%低下していた。

 睡眠制限が夜間の成長ホルモンの分泌を促し、また血中ノルアドレナリン値を高め、それらが遊離脂肪酸の上昇につながっているという。

 つまり、睡眠不足が続くと、2型糖尿病や肥満を招きやすい状態に陥っているということだ。今回の実験では短い睡眠を4日間続けてとってもらったが、3日目でその影響ははっきりあらわれたという。

 「睡眠不足により、重要なホルモンであるインスリンの作用が得られにくくなることが分かりました。インスリン抵抗性は、糖尿病を発症して間もない患者でよくみられます」と、米シダーズ サイナイ メディカルセンター(ロサンゼルス)のジョジアン ブロサード氏は説明する。

睡眠不足が「脂肪をもっと多くとりたい」という欲求を強める
 たった一晩の睡眠不足が脳に影響し、「脂肪をもっと多くとりたい」という欲求が強まる――。こんな研究結果を、米ペンシルベニア大学医学部の研究チームが発表した。睡眠不足は、代謝性ホルモンに影響をもたらすのに加え、脳機能の変化をもたらすという。

 「今回の研究で、睡眠不足により脳に変化があらわれ、接触行動にも影響することが分かりました。米国にはシフト勤務に従事する労働者が約1,500万人います。そうした人の健康管理に役立つ成果です」と、主任研究者のヘンギ ラオ氏は言う。

 研究チームは、21〜50歳の肥満ではない成人46人を対象に睡眠実験を行った。うち34人に睡眠不足の状態を5日間続けてもらい、脳内機能の変化をMRI(磁気共鳴画像)で測定した。

 参加者は期間中、好きなだけ食事をとることが許された。食事はメニューから選んでもらい、食事内容をすべて記録した。

 その結果、睡眠障害群は、徹夜した晩に約平均1,000kcalを余分に摂取したことが分かった。徹夜した後の日中の摂取カロリーは、正常に睡眠を取ったあとの日中の摂取カロリーとほぼ同じになった。

 しかし、睡眠障害群では徹夜後、正常に睡眠した後に比べ脂肪摂取量が大幅に多く、炭水化物の摂取量が少ないことが明らかになった。

睡眠障害は脳のメカニズムにも悪影響をもたらす
 睡眠不足の参加者では、脳内の「顕著性ネットワーク」と呼ばれる脳内の連結性が増加することも明らかになった。

 これは脳機能に関わるカギとなる脳内ネットワークのひとつで、このネットワークの連結性と脂質からのカロリー摂取量には正の相関が見られ、炭水化物からのカロリー摂取量には負の相関がみられた。

 「睡眠不足は脳のメカニズムにも悪影響をもたらします。睡眠を十分にとることが、健康的な食生活を促し、適正体重を維持するために必要であることが、脳内ネットワークの連結性の観点から明らかになりました」と、ラオ氏は述べている。

New study helps explain links between sleep loss and diabetes(シカゴ大学 2015年2月19日)
Penn Medicine Researchers Show Brain Activity Can Predict Increased Fat Intake Following Sleep Deprivation(ペンシルベニア大学 2015年2月11日)

(Terahata)

関連トピック

疾患 ▶ 糖尿病

2017年11月01日
「糖質50%オフおせち」 お正月も食事には気を抜けない
2017年11月01日
40歳代の独身男性のメタボ該当率は23% 既婚者の2倍
2017年10月26日
ヨーグルトが糖尿病の慢性炎症を抑制 プロバイオティクスの効果
2017年10月25日
【新連載】「糖尿病デバイス革命」を公開 糖尿病リソースガイド
2017年10月19日
【追加募集決定!】「糖をはかる日」クッキングセミナー

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2017年11月01日
「糖質50%オフおせち」 お正月も食事には気を抜けない
2017年11月01日
40歳代の独身男性のメタボ該当率は23% 既婚者の2倍
2017年10月19日
【追加募集決定!】「糖をはかる日」クッキングセミナー
2017年10月19日
結婚生活が安定すると男性の肥満や健康状態は改善 夫婦仲が健康に影響
2017年10月06日
「血糖値スパイク」を食事と運動で改善 「糖をはかる日」講演会(1)

疾患 ▶ 睡眠障害

2017年05月02日
階段運動はコーヒーを飲むより効果的 たった10分の運動で活力が向上
2016年12月21日
睡眠時間が足りないと甘いものが欲しくなる? 寝不足はダイエットの敵
2016年09月02日
保健指導用・健康事業用「教材・備品カタログ2017年版」の送付申込開始
2016年06月29日
見たい医療系動画がすぐに探せる「medoga(メドーガ)」を公開
2015年12月09日
20〜30歳代の7割に睡眠の悩み 半数以上が就寝直前までスマホ

一無・二少・三多 ▶ 「多休」休養をしっかりとる

2017年06月21日
東京糖尿病療養指導士(東京CDE)、東京CDS 2017年度の講習会の日程を公開
2017年06月08日
睡眠を改善するための10ヵ条 睡眠不足とメタボが重なると危険
2016年12月21日
睡眠時間が足りないと甘いものが欲しくなる? 寝不足はダイエットの敵
2016年10月19日
厚生労働省が「過労死等防止対策白書」を初めて作成
2016年04月28日
地震で不眠が続いている? 睡眠を十分にとるための対処法を公開

疾患 ▶ ストレス関連疾患/適応障害

2017年09月22日
「肥満」と「うつ病」のダブルパンチ 体重コントロールは脳にも良い
2017年09月08日
うつ病を「インスタグラム」の投稿写真から早期発見 70%の精度で特定
2017年08月07日
20歳から体重5kg増加は健康リスク 体重を増やさない10の方法
2017年07月14日
災害時の心のケアをする専門家チーム「DMORT」 被災者の悲嘆に対応
2017年06月27日
3つのアプリを開発「考えよう!いじめ・SNS@Tokyo」
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
大人の健康生活ガイド 30代以上の中高年者に関する健康情報を提供
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート
病気別BEST100サイト 知りたい病気の最新情報がすぐにわかる、病気サイトの百科事典
※一般社団法人 日本生活習慣病予防協会と名称の類似した団体がありますが、当協会との関わりは一切ありませんので、ご留意願います。