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ウォーキングが高齢者の脳を守る 運動が脳のダメージを補う

キーワード: ストレス関連疾患/適応障害 三多(多動・多休・多接)

 加齢にともない増える脳小血管病による脳障害の徴候がみられても、ふだんから活発に体を動かしている高齢者では、運動能力の低下がみられないことが、米国のラッシュ大学の研究で明らかになった。
運動は高齢者の脳を守るために効果的
 ウォーキングなどの活発な運動を毎日続けることは、高齢になってから介護の必要のない自立した生活を維持するために重要だ。

 「ウォーキングなどの運動は、高齢者の脳を守るために効果的であることが判明しました。運動能力を維持することは、自立と生活の質を維持するため重要です」と、ラッシュ大学緊急医療センターのデブラ フライシュマン氏は言う。

 脳組織は、神経細胞が集中している「灰白質」と、神経線維が集中している「白質」とに二分される。高齢者がコンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)といった検査を受けると、白質に大小さまざまな異常がみつかることがある。これが「白質病変」だ。

 白質病変の多くは部分的に血液が行き渡らなくなる虚血性病変で、軽度であれば自覚症状がなく、脳機能障害や生活能力も低下しない。しかし、重症の場合は、脳卒中やそれに伴い起こる脳血管性認知症の危険性が高くなる。

 研究には、同大学が実施している高齢者の長期記憶に関する研究に参加している60〜96歳の高齢者167人が参加した。参加者の多くで白質病変の徴候がみられた。

 研究チームは、参加者に活動量計を11日間身に付けてもらい、ウォーキングなどの身体活動の強度と時間を記録した。さらに、運動能力を測定するテストを実施し、MRI検査で脳の白質病変の程度を調べた。

適度な運動が大きな効果をつながる
 その結果、もっとも活発に体を動かしていた高齢者は、白質病変の徴候があっても、運動能力テストの得点に影響がみられなかった。

 しかし、身体活動の量が中程度の高齢者では運動能力の低下がみられ、もっとも身体活動が低レベルの人では運動能力が著しく低下していることが判明した。

 運動量が上位10%に含まれるもっとも活動的な参加者は、時速4km程度のウォーキングを、1日1.5時間続けていた。

 「11日間という短い期間の調査でしたが、ふだんから活発に体を動かしている高齢者は、脳の血管の病気から守られていることが示されました。マラソン選手になる必要はありませんが、身体活動を通じて運動機能を維持することが必要です」と、フライシュマン氏は指摘する。

 米国の運動ガイドラインでは、65歳以上の高齢者は週に2.5時間の活発なウォーキングを継続して行い、筋力トレーニングを週に2回行うことが勧められている。しかし、2013年の調査によると、これを実行している高齢者はわずか16%だった。

 「朝・夕の30分のウォーキングでも良いので、日常の生活の中で、積極的に体を動かす機会をもつけることが大切です」と、フライシュマン氏は強調している。

Exercise Can Boost Brains In Older Adults(ラッシュ大学 2015年3月17日)

[Terahata]

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