一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

「残薬」対策で薬の飲み残しを大幅に減少 29億円の医療費を抑制

キーワード: 二少(少食・少酒) 「無煙」喫煙は万病の元 三多(多動・多休・多接)

 処方された薬を患者が大量に飲み残す「残薬」が問題になっている。薬剤師が医師に照会し調剤する薬を減らすなどして、2012年度におよそ29億円の医療費が抑制できたことが判明した。4月8日に開催された中医協総会では「残薬の解消に向けた薬剤師の取り組みが期待される」という意見が出された。
残薬の調整で29億円の医療費を抑制
 2016年度の診療報酬改定に向け、患者が薬を飲み忘れたり、複数の医療機関から同じ薬を処方されたりして生じる薬の飲み残し、いわゆる「残薬」の解消に向けた対策が必要との意見が、中央社会保険医療協議会(中医協)総会で出された。

 厚労省が提示した資料では、長期投薬の増加などにより、飲み忘れや飲み残し、症状の変化によって生じたと思われる多量の残薬が生じていることが示された。

 2013年に厚労省の委託調査として全国998の薬局を対象に実施された「薬局の機能に係る実態調査」では、「残薬」を有する患者について、「頻繁にいる」は17.1%、「ときどきいる」は73.2%で、合計で約9割に上った。患者(1,927人)への調査は、「大量に薬が余ったことがある」が4.7%、「余ったことがある」が50.9%という結果になった。

 また、東京理科大学薬学部の鹿村恵明教授が日本薬剤師会からの委託事業で540薬局を対象に行った「2013年度全国薬局疑義照会調査」では、処方箋応需枚数(18万3,532枚)のうち、形式的な疑義照会を除いた薬学的疑義照会は4,141件だった。このうち「残薬に伴う日数・投与回数の調整」を行ったのは約10%の420件に上った。

 この数値を処方箋応需枚数(18万3,532枚)に当てはめると、残薬の調整は0.23%で実施されていることになり、全国の年間の処方箋枚数に換算すると、医療費をおよそ28億7,000万円(1件当たり1,595円)抑制できたという。

長期処方が残薬や病気の悪化の原因になると指摘
 日本医師会は、かかりつけ医が残薬を調整しながら薬局と連携して対処する必要性を強調。また、長期処方によって病気の悪化を発見することが遅れるケースが多いことにふれ、「長期処方そのものに問題があり、見直すべき時期に来ている」と指摘した。

 薬局では、処方箋を受け付け、残薬が認められた場合、医師に疑義照会し、処方変更の指示を受けた後に調剤するなどの対応がとられている。

 健康保険組合連合会(健保連)は、「無駄のないように効率的な投薬をするためには、薬剤師の役割は大きい」と指摘。医薬分業が進み、保険者や患者の負担額が増える中で、服薬指導、残薬管理、在宅での薬剤の指導など、医療費の適正化に向けた薬剤師の働きに期待を込めた。

薬の飲み残し対策を実行 患者の服薬コンプライアンスが向上
 埼玉県薬剤師会が、昨年度取り組んだ「高齢者等の薬の飲み残し対策事業」の調査結果によると、介護が必要ない自立した高齢者は要介護者と同様に、飲み忘れなどにより残薬をもっているという。

 50歳以上、慢性疾患で1年以上の服薬歴を有する患者150人(平均年齢78.6歳)を対象に調査を実施したところ、全ての患者で残薬が確認されました。

 初回調査時の患者1人当たりの残薬は8.0品目、8,435円だったが、薬剤師が残薬の状況に応じた患者への服薬指導や医師への処方調整依頼などの取組みを積極的に行った結果、2.5ヵ月後には6.0品目、3,690円にまで減少し、総額を222万7,704円から94万5,735円に削減できたという。

 薬剤師が患者宅を訪問して医薬品の使用状況を見ながら服薬指導を行うとともに、一包化やお薬カレンダーの活用など患者の状態に応じた工夫を行った結果、服薬コンプライアンスが大幅に向上した。

第294回中央社会保険医療協議会総会(厚生労働省 2015年4月8日)
高齢者等の薬の飲み残し対策事業(埼玉県薬剤師会 2015年3月19日)

(Terahata)

関連トピック

一無・二少・三多 ▶ 「無煙」喫煙は万病の元

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年11月12日
11月14日は「世界糖尿病デー」 糖尿病の半分以上は予防できる
2019年11月12日
日本高血圧学会が「台風19号により被害を受けられた皆さまへ」を公表
2019年08月08日
「新型たばこ」はやはり危険 WHOが報告書「規制の対象とするべき」
2019年08月07日
「治療と仕事の両立」は困難と6割超が回答 多様な働き方を選択できる社会へ

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年12月02日
がん患者の食事の悩みを解消するサイトを公開 料理教室と連携しレシピを作成 国立がん研究センター
2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年12月02日
インフルエンザシーズン到来にそなえて 感染前の最後の砦「のどバリア」を高める習慣とは
2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開
全国生活習慣病予防月間
大正製薬 コバラサポート
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート