一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

たった2分間のウォーキングで運動不足の悪影響をリセット

キーワード: 糖尿病 CKD(慢性腎臓病) 肥満症/メタボリックシンドローム 三多(多動・多休・多接) 身体活動・運動不足

 デスクワークが多く、運動不足が続いている人に朗報だ。1時間に2分、立ちあがって歩くことで、座りっぱなしでいることによる健康への悪影響を"リセット"できることが明らかになった。
1時間ごとに2分のウォーキングが寿命を延ばす
 健康寿命を延ばすために必要なことは、「座ったまま過ごす時間」をいかに減らすかということだ。平均的な米国人は、テレビを見る時間も含めて1日に平均7.7時間を「座ったまま過ごしている」という。

 「座っている時間が長いと、肥満や2型糖尿病、心臓病の発症リスクが増えるだけでなく、運動不足によりがんの発症リスクも増えます」と、米ユタ大学医学部のスリニバサン ベドゥ氏は言う。

 運動ガイドラインでは、活発なウォーキングなどの運動を週に150分行うか、水泳や自転車、ランニングなどの強めの運動を75分行うことが勧められている。

 しかし、そうした運動を毎日続けるのは難しいという人は少なくない。そんな人が無理なく運動を続けられるようにするため、ベドゥ氏らは「健康増進の効果のある運動の最小量はどれくらいか」という研究を行っている。

 研究チームは、全米健康栄養調査(NHANES)に参加した3,626人を対象に調査した。参加者のうち383人は慢性腎臓病(CKD)と診断された。運動の量と強度を測る機器を装着してもらい、軽いウォーキングなどの運動の頻度と、体を動かさないでいる時間を計測した。

 その結果、長時間座り過ぎていることで生じる健康リスクを打ち消すために、ウォーキングや掃除、ガーデニングなどの軽い運動を短時間行うと効果的であることが判明した。

 1時間あたり2分間、座っている時間を軽い運動に置き換えると、心筋梗塞や脳卒中の死亡リスクが33%低下し、寿命が延びるという。

 「たった2分間、体を動かすだけでも、1日の時間を合計すると運動量は相当なものになります。毎日の生活で活動している時間は16時間で、毎時間に2分のウォーキングなどの身体活動をすると、週に400kcalを多く消費することになります」と、ベドゥ氏は言う。

 特に慢性腎臓病のリスクが高く、1日を通して体を動かす時間が少ない運動不足の人で、この運動法のメリットは大きいという。

テレビの視聴時間が2時間延びると肥満リスクは25%上昇
 「もちろん1日にまとまった時間をとって運動をできれば、それに勝ることはありません。しかし、1時間に2分のウォーキングでも効果があることが分かったのは朗報です」と、ベドゥ氏は言う。

 米ペニントン生物医学研究センターの研究によると、「座ったまま過ごす時間」や「テレビを見ている時間」が長いことは健康上のダメージになるという。

 座ったまま過ごす時間を1日3時間未満に抑えれば、平均寿命を2.00年も延ばせ、また、テレビを見る時間を1日2時間未満に抑えれば、平均寿命を1.38年延ばせる可能性がある。

 また、ハーバード大学の調査では、テレビの視聴時間が2時間延びると、肥満になるリスクが25%上昇し、2型糖尿病を発症するリスクが15%上昇することが分かった。しかし、テレビを見る時間を30分削り、その時間にウォーキングをすると、肥満や糖尿病のリスクが減少するという。

 「少しの時間でも体を動かすようにし、余裕があれば勤め先や自宅の周りを歩いたり、カジュアルな運動をするべきです。くれぐれも冷蔵庫に歩いていき軽食をつまむといったことのないようにしましょう」と、研究者は付け加えている。

Walking an Extra Two Minutes Each Hour May Offset Hazards of Sitting Too Long(ユタ大学 2015年4月30日)
Light-Intensity Physical Activities and Mortality in the United States General Population and CKD Subpopulation(Clinical Journal of the American Society of Nephrology 2015年4月)

(Terahata)

関連トピック

疾患 ▶ 糖尿病

2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開
2019年11月22日
妊娠中の長時間労働や夜勤が健康リスクに 全国の約10万人の女性を調査 エコチル調査
2019年11月22日
ナッツが肥満や糖尿病のリスクを低下 ジャンクフードをナッツに置き換える食事法

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
2019年11月22日
腸内細菌が内臓脂肪に影響 内臓脂肪の少ない人に多い菌が判明 健診のビッグデータを分析
2019年11月22日
ナッツが肥満や糖尿病のリスクを低下 ジャンクフードをナッツに置き換える食事法

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年12月02日
インフルエンザシーズン到来にそなえて 感染前の最後の砦「のどバリア」を高める習慣とは
2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開

疾患 ▶ CKD(慢性腎臓病)

2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開
2019年11月06日
食事の改善で「腎臓病」のリスクを減らせる 高血圧・糖尿病・肥満がCKDの要因
2019年10月17日
体重を3%減らすだけで肥満症を改善 肥満解消のための実践的取組み 【日本肥満症予防協会セミナー・レポート】
2019年10月02日
糖尿病の治療をしないと腎機能が低下 リスクは4年後に8倍超に上昇
2019年09月19日
厚労省が「食事摂取基準2020年版」の要点を公表 脂質異常症と高齢者のフレイルに対策

生活習慣 ▶ 身体活動・運動不足

2019年12月06日
【2/5市民公開講演会「多動で生活習慣病・がん予防」参加者募集中!】全国生活習慣病予防月間2020
2019年10月10日
運動が体の老化を抑制するメカニズムを解明 骨に加わる力が炎症を抑制
2019年09月17日
毎日の家事が女性の寿命を延ばす 軽い身体活動を積み重ねると死亡リスクが低下
2019年09月11日
筋肉の質の低下を決める3つの要因が判明 高齢者の筋肉を維持するために 名古屋大学
2019年08月30日
筋力アップで糖尿病に対策 血糖値の上昇を抑える 週1回の筋トレで効果
全国生活習慣病予防月間
大正製薬 コバラサポート
尿酸値PR
新着ニュース
毎年2月は、全国生活習慣病予防月間
Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
乳がん治療と乳房再建の情報ファイル
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
大人の健康生活ガイド 30代以上の中高年者に関する健康情報を提供
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート
病気別BEST100サイト 知りたい病気の最新情報がすぐにわかる、病気サイトの百科事典