一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

残った歯が多いほど寿命は延びる 歯科医師会が最新エビデンスを公開

キーワード: 糖尿病 心筋梗塞/狭心症 ストレス関連疾患/適応障害 三多(多動・多休・多接)

 歯や口腔内を健康に保つことは全身の健康につながることを知ってもらおうと、日本歯科医師会は歯科医療と健康の関連を示す最新の研究成果をまとめ公開をはじめた。

 日本歯科医師会が公開をはじめたのは「健康長寿社会に寄与する歯科医療・口腔保健のエビデンス2015」。「歯・口腔の健康は、個人の生涯にわたるQOL(生活の質)の保持に欠かすことのできない要素」として、歯科の医学研究に関する国内外の研究のデータベースを活用し、1,000件以上の質の高い研究論文を選んで分析した。

 それによると、高齢者の残存歯数は年々増加傾向にあり、80歳で平均して14本の歯が残存している。厚生労働省や日本歯科医師会が推進している80歳で20本の歯を残そうとする「8020運動」の達成率は35%だ。

残存している歯の数(年齢階級別)平成23年歯科疾患実態調査(厚生労働省)
残った歯の数が少ない人ほど寿命が短くなる 認知症の発症率も上昇
 65歳以上の日本人2万人以上を対象とした4年間の調査では、残った歯の数が少ない人ほど寿命が短くなることが明らかになった。死亡率は、20歯以上の人に比べて、10~19歯の人で1.3倍、0~9歯の人で1.7倍に上昇した。

 愛知県の65歳以上の住民を3~4年間追跡した研究では、歯が多く残っている人では、認知症の発症や転倒する危険性が低いということが示された。

 それによると歯を失い、入れ歯を使用していない場合、歯が20歯以上残っている人や入れ歯によりかみ合わせが回復している人と比較して、認知症の発症リスクが最大1.9倍に上昇することが分かった。

 また、保有する歯が19歯以下の人は、20歯以上の人と比較して要介護認定を受ける割合が1.2倍に上昇し、要介護状態になる危険性も歯が多い人ほど少ないことが分かった。

歯周病が心血管疾患リスクを上昇
 心筋梗塞や狭心症の虚血性心疾患は、心臓の冠状動脈にプラークが形成され閉塞されていくことで生じる。歯周病原性細菌などが血管内に侵入し、血流に乗って冠状動脈に達するとアテローム形成が加速化。その結果、心血管の病気が発症しやすくなる。

 海外で行われた調査では、歯周病に罹患していると、心血管疾患の発症リスクは1.14~1.75倍に高まることが示された。

歯周病は糖尿病と密接に関連
 糖尿病は口腔内の疾患に影響を与え、特に歯周病は糖尿病と密接に関連しており、歯科医師が糖尿病の改善に寄与できる可能性があるという。歯周病を治療することで、血糖コントロールが改善した例が報告されている。

 また、口腔の健康管理を行うことで、糖尿病の早期発見や糖尿病予備群への啓発につながる可能性もあるという。

口腔ケアを行うと誤嚥性肺炎のリスクが低下
 気管に入った唾液中の細菌などが肺に感染して起こる「誤嚥性肺炎」は、高齢者に多くみられる。特に、要介護の高齢者などは飲み込む力や咳反射が低下しているため、唾液やプラークなどが気管に入りやすく誤嚥を起こしやすい。

 肺炎を起こしやすくいの歯周病原性細菌などで、そのため、高齢者に口腔ケアを行い、歯周病原性細菌などの口内細菌が減少すると肺炎の発症率が下がることが報告されている。

歯の喪失は骨密度の減少に影響
 骨量が減少して海綿状になり、もろく折れやすくなる骨粗鬆症は、高齢の女性に多くみられる。歯周病になった歯肉で産生されるサイトカインには、骨代謝に影響を及ぼすものがあり、歯の喪失と骨密度の減少には関連があるという研究報告がある。

 逆に、骨粗鬆症の人が歯周病に罹患すると、歯周組織の歯槽骨が急速に吸収されることで症状が進行しやすくなるおそれもあるという。

健康長寿社会に寄与する歯科医療・口腔保健のエビデンス 2015(日本歯科医師会)

[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 糖尿病

2021年01月28日
【健やか21】「COVID-19 ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する⽅へ 」の提言(⽇本産婦⼈科感染症学会・⽇本産科婦⼈科学会)
2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査

疾患 ▶ 心筋梗塞/狭心症

2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に
2020年12月24日
【新型コロナ】医療機関の受診控えで健康リスクが上昇 日本医師会は安心マークを発行「感染防止を徹底しているから、安心して来て」
2020年12月14日
【新型コロナ】新型コロナとインフルの同時流行に備えて 発熱したら電話で「かかりつけ医」に相談 上手な医療のかかり方プロジェクト
2020年12月14日
【新型コロナ】ワクチンがついに実用化 海外では有効性の高いワクチンが利用可能に ワクチン接種には課題も
2020年11月26日
納豆などの「発酵性大豆食品」が循環器疾患や脳卒中のリスクを低下 日本人8万人を調査

疾患 ▶ ストレス関連疾患/適応障害

2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2020年12月14日
【新型コロナ】薬膳レシピで「コロナうつ」「コロナ疲れ」に克つ 食養生で心身の不調を解消 近畿大学
2020年12月14日
腸内フローラが「睡眠の質」に影響 腸内環境と脳は相互に作用 食事で睡眠を改善できる可能性
2020年11月06日
睡眠を十分にとれないと肥満や糖尿病が悪化 日本人は睡眠が足りていない こうすれば解決できる
全国生活習慣病予防月間
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート