一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

欧米型の食事スタイルが男性の前立腺がんリスクを上昇させる

キーワード: 二少(少食・少酒) がん

 前立腺がんと診断された男性が、野菜や果物、魚、全粒穀類などを多く食べる健康的な食事スタイルを続けると、死亡リスクが大きく低下することが、米国のハーバード大学の研究で明らかになった。日本の緑茶も前立腺がんリスクを下げる食品として期待されている。
欧米型の食生活を続けると前立腺がんの死亡リスクは2.5倍に上昇
 男性の前立腺がんの発症数は増えており、米国がん学会(ACS)によると前立腺がんは、がんによる死亡原因として2番目に多い。米国の前立腺がんの有病者は300万人近くに上り、日本でも年間9万8,000人が新たに発症している。

 前立腺がんはゆっくり進行することが多いので、早期発見し、適切に治療できれば完治も可能だ。最近は、前立腺がんの腫瘍マーカーをみるPSA(前立腺特異抗原)検査により、早期発見が可能になっている。

 ハーバード公衆衛生大学院の研究チームによる今回の研究は、医療従事者を対象とした大規模調査「Physicians' Health Study」に参加した40~84歳の男性を対象に行われた。

 前立腺がんと診断された男性926人を対象に、がんの治療状況の調査と、食事内容に関するアンケートを14年間継続して行った。

 参加者を、加工肉や赤身肉、脂肪分の多い乳製品、糖分、精製された穀類などの加工食品を多く食べる「欧米型の食事スタイル」と、「より健康的な食事スタイル」を続けている人に四分位で分けて比較した。

 「より健康的な食事スタイル」とは、▽野菜や果物を多く食べる、▽魚を食べる、▽赤身肉や加工肉を避ける、▽精製されていない小麦粉や玄米などの全粒穀類を食べる、▽魚やオリーブオイルなどに含まれる不飽和脂肪酸を摂取する、▽豆類や大豆類を食べる――といったものだった。

 追跡期間中に333人が死亡し、うち17%(56人)が前立腺がんが原因だった。高齢で発症した男性で死亡率が高かった。

 解析した結果、欧米型の食事スタイルが中心だった男性は、前立腺がんで死亡する確率が2.5倍、全体的な死亡リスクも67%上昇することが判明した。

 一方、「より健康的な食事スタイル」をもつ男性は死亡リスクが36%低下することが明らかになった。

食事を改善すればがんのリスクは低減できる
 「前立腺がんを発症した人が生存率を高めるために、どのような生活スタイルが効果的なのかは、これまで研究の数が少なく不明でした。今回の調査では、食事スタイルを改善すれば、死亡リスクを下げられる可能性があることが明らかになりました」と、ハーバード公衆衛生大学院のホルヘ チャヴァロ氏は言う。

 がん生存率が高い人に共通する条件は、「動物性脂肪の摂取量が少ない」「アルコールの摂取量が少ない」「たばこを吸わない」ということだった。また、「カルシウムとビタミンDを十分にとっている」という傾向がみられた。

 「今回の研究の参加者の多くは医師で、健康的な生活スタイルをもつ人が多かった。米国では欧米式の食事スタイルが一般的なので、今回の調査結果がより多くの人にあてはまるかは今後の研究で確かめる必要があります」と、論文著者のメン ヤン氏は言う。

 「しかし、健康な食事スタイルは、がんだけでなく、高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中の予防・改善にも効果的であることが過去の研究でも確かめられています。食事を改善することは全ての人に勧められます」と、ヤン氏は指摘している。

緑茶が前立腺がんリスクを下げる
 前立腺がんの予防できる食品として、日本の「緑茶」も注目されている。フロリダ州にあるモフィットがんセンターは、緑茶に含まれるカテキンに、前立腺がんを予防できる効果を期待できるという研究を発表した。

 研究チームは、カテキンに含まれる抗酸化作用や抗がん効果の高い成分「エピガロカテキンガレート」(EGCG)を抽出。49人の被験者に1年間、毎日200mgの緑茶カプセルを2錠服用してもらった。一方、他の48人の男性には、同量の偽薬(プラセボ)を服用してもらった。

 すべての被験者が、前立腺がんの前段階である悪性度の高い前立腺上皮内腫瘍(HGPIN)、または前立腺がんを疑う小病巣(ASAP)が認められていたが、カテキンを配合した緑茶カプセルを服用した被験者では、ASAPに進行したり、前立腺がんと診断されたりする割合が少なかったという。また、前立腺がんの腫瘍マーカーとしても用いられるPSA検査の値も低かった。

Western diet may increase risk of death after prostate cancer diagnosis(ハーバード公衆衛生大学院 2015年6月1日)
Dietary Patterns after Prostate Cancer Diagnosis in Relation to Disease-Specific and Total Mortality(Cancer Prevention Research 2015年6月)
Component in Green Tea May Help Reduce Prostate Cancer in Men at High Risk, Moffitt Cancer Center Researchers Say(モフィットがんセンター 2015年5月27日)

(Terahata)

関連トピック

疾患 ▶ がん

2019年12月02日
がん患者の食事の悩みを解消するサイトを公開 料理教室と連携しレシピを作成 国立がん研究センター
2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開
2019年11月12日
AYA(思春期・若年成人)世代の女性の子宮頚がんや乳がんが増えている
2019年11月06日
「がんサバイバーのための運動ガイドライン」を発表 運動はがん患者の不安や苦痛を軽減する
2019年10月17日
体重を3%減らすだけで肥満症を改善 肥満解消のための実践的取組み 【日本肥満症予防協会セミナー・レポート】

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年12月02日
がん患者の食事の悩みを解消するサイトを公開 料理教室と連携しレシピを作成 国立がん研究センター
2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開
全国生活習慣病予防月間
大正製薬 コバラサポート
尿酸値PR
新着ニュース
毎年2月は、全国生活習慣病予防月間
Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
乳がん治療と乳房再建の情報ファイル
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
大人の健康生活ガイド 30代以上の中高年者に関する健康情報を提供
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート
病気別BEST100サイト 知りたい病気の最新情報がすぐにわかる、病気サイトの百科事典