一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

座っている時間が長いと不安になりやすい? 立ち上がって運動を

キーワード: ストレス関連疾患/適応障害 三多(多動・多休・多接) セルフメディケーション

 座っている時間が長い運動不足の生活を続けていると、不安症のリスクが上昇するという調査結果が発表された。「座ったまま過ごす時間を少しでも減らし、立ち上がって運動をしましょう」と、研究者は注意を呼びかけている。
不安を感じやすい? 立ち上がって歩こう
 パソコンの前でのデスクワーク、テレビやビデオの視聴、車での移動など、現在社会では座位中心の生活をおくりがちだ。「こうした身体活動の強度が低い生活を続けていると、不安症を発症するリスクが上昇します」と、オーストラリアのディーキン大学のミーガン ティチェン氏は言う。

 不安症で悩む人は全世界で2,700万人以上に上るとみられており、過度の不安や心配、悩みなどの症状により、日々の生活を満足におくれなくなることもある。さらには心拍数の上昇、呼吸困難、筋肉の緊張、頭痛などの身体的な症状を伴うこともある。

 「現代社会では座位中心の生活が増えていることが影響し、不安症の症状を訴える患者は増えています。座位の時間が増えるとうつ症状が増えるという報告もあります。私たちは座位行動と不安症との関連について調べました」と、ティチェン氏は言う。

 座位中心の生活を続けると、肥満、心臓病、2型糖尿病、がん、骨粗鬆症のような生活習慣病を発症しやすいことは過去の研究でも指摘されているが、精神的な健康問題との関連について調べた研究は少ない。

 そこでティチェン氏らははじめて、座位中心の生活と不安症の関連を調査した先行文献を系統的にレビューした。

 研究チームは、1990年から2014年までに発表された研究から、座位行動と不安について検討し先行研究を分析し、最終的に9件の研究をレビュー分析した。2件は小児や若者を含み、7件は成人を対象とした研究だった。

 これらの研究では、座位行動は、テレビ視聴やパソコン使用、職場で座っている時間、通勤の座位時間などを含め解析していた。

 その結果、5件の研究では座位行動の増加が不安のリスクに関係することが、4件の研究では座位行動の時間の増加が不安のリスクに関係することが、それぞれ示された。

 高校生を対象とした研究では、テレビなどを1日に2時間以上視聴すると、2時間未満の場合に比べ、不安のリスクが36%増加することが明らかにされた。

1時間に数分の運動でも効果がある
 座位行動が不安を引き起こす原因として、睡眠パターンの混乱、引きこもりがちな生活、代謝的な健康状態の悪化などが考えられるという。テレビ視聴などで座位時間が長くなると社会的な関係からの離脱が起こり、それが不安を高めている可能性がある。

 「1日の間に座ったまま過ごす時間が長かったり、家庭でソファーに座る時間が長ければ、潜在的に不安症を発症するリスクが高いと考えられます。仕事が終わった後でウォーキングをするなど、運動を習慣化して対策する必要があります」と、ティチェン氏は言う。

 不安症の行動的な因子について解明することは、不安症を予防・管理するための戦略をたてる上で重要だ。

 「もしもあなたがオフィスで働いているのなら、1時間のうち数分の時間をつくり、立ち上がって体を動かすことをお勧めします。水を飲みに行く、プリンターまで歩く、立ったままデスクワークを行う、公共の交通機関では座らない、テレビを見ているときはコマーシャルの時間に立ち上がるなど、毎日の生活で工夫することが大切です」。

 なお、系統的レビューに含まれたほとんどの研究が横断的な研究であったため、座位行動と不安の間の因果関係を検証するために追跡調査を行う縦断的な研究が必要であると、研究者は指摘している。

Aussie research finds we need to get up for the sake of our mental health(ディーキン大学2015年6月19日)
The association between sedentary behaviour and risk of anxiety: a systematic review(BMC Public Health 2015年6月19日)

(Terahata)

関連トピック

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年12月02日
インフルエンザシーズン到来にそなえて 感染前の最後の砦「のどバリア」を高める習慣とは
2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開

疾患 ▶ ストレス関連疾患/適応障害

2019年07月11日
高齢者の難聴は「外出活動制限」「心理的苦痛」「もの忘れ」を増やす 13万人強を調査
2019年07月10日
メンタルヘルスケアが糖尿病患者の寿命を延ばす 血糖コントロールも改善
2019年06月06日
【健やか21】「自殺予防」リーフレットを公開しました
2019年05月22日
糖尿病とともに生きることに10人に7人が疲れている 糖尿病のメンタル支援が必要
2019年03月27日
うつ病の発症原因は「仕事の不満足」 回復では「職場ストレス」が重要 職場でのヘルスマネジメント戦略

テーマ ▶ セルフメディケーション

2018年10月09日
「健康なまち・職場づくり宣言2020」2018年の達成状況を報告〜日本健康会議
2017年10月03日
スポーツ庁「FUN+WALK PROJECT」 スニーカー通勤でウォーキングを奨励
2017年07月05日
1日20分の運動でも効果がある 「クロスフィット」が糖尿病の改善に有用
2017年07月05日
赤ワインのポリフェノールで血管が柔らかく 糖尿病の動脈硬化も改善
2017年06月30日
糖尿病+高血圧 どうすれば治療を両立できる? 高血圧の治療が進歩
全国生活習慣病予防月間
大正製薬 コバラサポート
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート