一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

父親になると肥満になりやすい 子育てと健康増進の両立が課題

キーワード: 二少(少食・少酒) 肥満症/メタボリックシンドローム 脂肪肝/NAFLD/NASH 三多(多動・多休・多接)

 子供ができた若い父親は肥満になりやすいことが、米国のノースウェスタン大学の研究で明らかになった。「男性にとって家庭をもつ時期は、健康上の問題をかかえやすい時期である。適切なヘルスケアを提供できる体制が望まれる」と研究者は指摘している。
男性は家庭をもち子供ができると体重が増えやすい
 男性は家庭をもち子供ができると、体重が増え、BMI(体格数)が上昇しやすいことが、米国の1万人以上を対象とした大規模調査で明らかになった。

 「もしもあなたが若い父親であれば、子供たちが残したピザを食べて片付けるべきではない。父親になることは、体重とBMIの増加という代価をもたらすおそれがあることを知っておくべきだ」と、研究者は指摘している。

 研究チームは、年齢が25~34歳の父親である男性3,425人と父親でない(子供がいない)男性6,828人を対象に調査した。

 1994年に開始された「全米若年者健康調査」は、米国の若者を12歳から30歳超まで追跡して、健康状態の変化などを調べている大規模研究で、20年間続けられ1万253人が参加している。

 今回の研究は、父親になることと体重やBMIといったバイオマーカーの変化の間に関連があることを明らかにしたはじめての研究だ。

子供の誕生により父親のBMIは2.6%増加
 「過去の調査では、結婚によって男性の体重が増えることが示されています。結婚して父親になることは、男性の健康に大きな影響をもたらすことは明らかです」と、ノースウエスタン大学フェインバーグ医学部のクレイグ ガーフィールド氏は言う。

 男性が体重を増やし、BMIが上昇することは、2型糖尿病、がん、心臓病などの発症リスクが高まることを意味する。

 調査の結果、子供が生まれた後に子供と一緒に住んでいる男性ではBMIが平均で2.6%増加していた。これは、身長が180cmの男性では2kg程度の体重増加に相当する。

 一方で、子供がいない男性では、体重減少幅は身長が180cmの男性で600g超に相当する程度だった。

 なお、子供が生まれた後に子供と一緒に住んでいない男性でも、BMIは平均で2%増加していた。

子供ができると父親の生活スタイルは大きく変化する
 父親となった男性の体重が増加するのは、家庭をもつことで生活スタイルが変化し、食習慣が変わるためと考えられる。

 「あなたが父親になるということは、新しい家庭で責任を負うということです。以前は運動のために使えた時間は家事や育児に費やされるようになり、あなた自身の時間をなかなかとれなくなります」と、ガーフィールド氏は説明する。

 家庭の食事スタイルが、子供が好むクッキーやアイスクリームなどのスナック菓子に偏るおそれもある。

 「子供とともに食事をとり、子供が残した食品を代わりに平らげ、皿をきれいにする習慣のある父親を知っています。子供のために生活スタイルを変え、結果的に生活スタイルが不健康になる男性は少なくありません」。

 若い父親に共通する背景として、かかりつけ医をもっていないことが挙げられるという。"自分はまだ若く健康だ"と思っており、肥満が引き起こすさまざまな生活習慣病とは無縁だと思いがちだという。

 しかし、実際には肥満は高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓病、脳卒中などの深刻な疾患の危険因子であり、年齢を重ねるにつれてこれらの病気の発症リスクは上昇していく。

 また、過去の研究では、子供の誕生をきっかけにうつ病の初期症状を呈するようになる男性が少なくないことが示された。

子育てで忙しい男性は医療機関の受診頻度が低い
 自分の健康管理が不十分な男性でも、子供の医療のために小児科医とは近しい関わりをもつことが多い。子供に保険診療を受けさせるために、子供に付き添って小児科医を訪れる頻度が高くなる。

 「このことには、子供と父親の健康を管理する上で重要な意味があります。小児科で家族ぐるみで栄養カウンセリングやメンタルヘルス教育を提供できれば、父親の健康状態を改善できる可能性があります」と、ガーフィールド氏は指摘する。

 父親になることは、男性の人生の発達段階において重要な意味がある。男性にとって多くのことが変化する神秘的な瞬間となるが、健康上の問題をかかえやすい時期でもあることを社会に認知させる必要もあるという。

 「子育てで忙しい世代の男性は一般的に医療機関を受診する頻度が低いので、どうすれば適切なヘルスケアを提供できるかを考えることが課題となっています」と、ガーフィールド氏は述べている。

Fatherhood Makes Men Fat(ノースウェスタン大学 2015年7月21日)
Longitudinal Study of Body Mass Index in Young Males and the Transition to Fatherhood(American Journal of Men's Health 2015年7月21日)

[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2021年01月28日
【健やか21】「COVID-19 ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する⽅へ 」の提言(⽇本産婦⼈科感染症学会・⽇本産科婦⼈科学会)
2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査

疾患 ▶ 脂肪肝/NAFLD/NASH

2020年10月26日
毎日の歩数が多いほど死亡リスクは低下 1日の歩数を1000歩増やすだけでも効果
2020年08月28日
日本人は肥満ではなくても脂肪肝になりやすい サルコペニア予備群の段階で対策を
2020年08月12日
ウォーキングなどの運動は「魔法の薬」 座ったままの時間を減らすだけでも効果 室内運動もお勧め
2020年08月12日
全国の1万人超の健康診断の受診状況や病気予防への取組みを調査 できない理由は「何をすればよいか分からない・お金がかかる・面倒」
2020年01月09日
7月12日は「人間ドックの日」 ロゴマークの募集を開始 日本人間ドック学会
全国生活習慣病予防月間
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート