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ウォーキングが脳の老化を防ぐ 運動量が多いほど認知機能は改善

キーワード: ストレス関連疾患/適応障害 三多(多動・多休・多接)

 ウォーキングなどの有酸素運動を行うと、脳の老化を防げることが明らかになった。運動の量が多いほど脳に良い効果があらわれるという。専門家は週に3~5日のウォーキングを習慣として行うことを勧めている。
脳の神経細胞は年齢を重ねるにつれて減っていく
 加齢に伴う肉体や精神の衰えを抑え、健康に保つための対策をさぐる研究が、世界中で活発に行われている。

 脳の神経細胞の数は、年齢を重ねるにつれて減っていく。脳中では神経細胞(ニューロン)が複雑な神経ネットワークを形成している。歳をとるにつれて、このネットワークは減少し脳が萎縮していく。

 しかし生活習慣を改善することで、脳萎縮を抑えられることが最近の研究で分かってきた。もっとも有効な対策は、ウォーキングなどの適度な運動を習慣として行うことだという。

ウォーキングを行っている人では脳萎縮が減少
 スコットランドのエディンバラ大学の研究チームは、638人の高齢者を対象に、家事や軽い散歩、競技などの激しい練習まで、週に行っている運動の種類と時間を調べた。

 さらに、脳のMRI(核磁気共鳴画像法)検査を行い、白質の変化を調べた。白質は神経細胞間の電気信号を運ぶ神経繊維の部分で、脳のさまざまな部位をつなげている。

 その結果、白質の減少がもっとも少なかったのは、運動を習慣として行っている人だった。「ウォーキングを週に数回行っている高齢者では脳萎縮が減少しており、脳の老化を示す徴候も少なかった」とエディンバラ大学老年期認知症センターのアラン ガウ氏は話す。

 一方で、家庭や地域社会を含めて社会的な交流を保ち、新しいことに興味をもつことで、体と心の老化を防げると考えられている。しかし、実際にMRI検査を行ってみると、精神的な活動や社会的な活動は、運動に比べ脳の衰えを改善する効果は少ないことが判明した。

運動量が多いほど脳の活動は活発になる
 ウォーキングなどの有酸素運動を習慣として行うと、脳の活動が活発になり、認知能力の低下を防げることが、米国のカンザス大学医学部の研究でも明らかになった。

 研究には、認知機能の低下の兆候がみられない65歳以上の男女101人が参加した。研究チームは参加者を、▽運動を行わないグループ、▽週に75分の運動を行うグループ、▽週に150分の運動を行うグループ、▽週に225分の運動を行うグループに分け、認知機能の変化を調べた。

 研究チームは、記憶、情報処理、注意力、集中力、思考などを調べる16種類のテストを行い、参加者の認知機能を評価した。

 26週間後、運動を行ったグループでは、認知機能が向上していることが明らかになった。運動の恩恵は運動量の多い人ほど増加することも分かった。

 運動量の多い人では、視覚空間の処理能力が大きく改善されていた。これは、対象が空間のどこにあるのかを知覚し把握する能力だ。

週に3~5日のウォーキングが恩恵をもたらす
 「少量の運動でも認知機能に良い効果をもたらしますが、運動量を増やすと効果はさらに高まります。週に3~5日のウォーキングを続けることをお勧めします」と、カンザス大学医学部のジェフリー バーンズ氏は言う。

 なぜ運動に脳を保護する作用があるのか不明の点も多いが、「有酸素運動を含む身体活動を習慣として行うことで心臓のポンプ作用が活発になり、脳に血液が十分にいきわたりニューロンが活性化しやすくなるからだろう」と研究者は説明している。

 「運動は、加齢にともない増えていく心疾患や脳卒中、糖尿病、がんなどの危険性も低下させます。運動をはじめるのが遅すぎるということはありません。ただ歩くだけでも脳に良い効果がもたらされます。適度な運動を毎日の生活に取り入れるべきです」と、バーンズ氏は述べている。

Exercise for brain health, study suggests(エディンバラ大学 2012年10月23日)
New research shows older adults can improve brain function by raising their fitness level(カンザス大学 2015年6月10日)

(Terahata)

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