一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

肥満の若者は「自分は太っている」と思っていない 保健指導が必要

キーワード: 二少(少食・少酒) 肥満症/メタボリックシンドローム 脂肪肝/NAFLD/NASH 三多(多動・多休・多接) 食生活 身体活動・運動不足

 米国の肥満や過体重の若者の多くは「自分は太っている」という自覚をもてないでいるという調査結果が発表された。「若者の行動変容を引き出すために、自己の体重を客観的にみる習慣を身に付けさせる必要がある」と研究者は指摘している。
"自分は太っている"と認識することが最初のステップ
 肥満や過体重の人が、自分の体重の変化について認識することは、体重コントロールを実行するための最初のステップとなる。

 しかし、肥満や過体重が増えている米国では、自身の体重に対して客観的な認識をもたない若者が増えているという調査結果が発表された。

 「自分で体重をはかり、標準体重であるか、それとも肥満であるか、正確な認識をもつことが、体重コントロールのための行動変容を起こすきっかけになります。"自分は太っている"と認識できる人には、食事や運動などの生活スタイルを見直すチャンスがあります」と、米国のジョージア サザン大学公衆衛生学部のジアン チャン氏は言う。

 しかし実際には、自己の体重管理について、客観的な指標をもとに正確に判定できない若者が増えているという調査結果が示された。米国の若者の肥満の割合は、過去20年間に2倍以上に上昇している。

 「自分の体重がどれくらいであれば標準体重なのか、適切に理解していない肥満や過体重の若者が増えています。そうした若者は、減量を望むことがより少ない傾向があり、食事を改善しようという意欲も薄いと考えられます」と、チャン氏は言う。

肥満や過体重に対する社会的な観念が変化
 研究チームは、米国健康・栄養調査(NHANES)の12~16歳の青年期の若者のデータを解析した。対象となったのは1988~1994年の調査の1,720人と、2007~2012年の調査の2,518人。

 対象者は、両方の調査で「自分の体重について、過体重、痩せ、適正のどれだと思いますか?」という質問を受けた。さらに、体格指数(BMI)スコアを用いて、肥満、過体重、適正体重にカテゴリー分けされた。

 その結果、肥満や過体重の若者のうち「自分は過体重だと思う」と回答した割合は、2007~2012の調査では1988~1994年の調査に比べ29%減少していた。

 「この20年間に若者の肥満は2倍に増えました。それに応じて、肥満や体重に対する社会的な観念も変化している可能性があります」と、チャン氏は指摘する。

 肥満や過体重の若者は、同世代の仲間を基準にして自分の体重について判断しており、客観的な指標であるBMIを気にしなくなっている傾向があるという。

 若者の多くは自己と他者を比較して、同世代の知人が肥満であると、自分が肥満であることを肯定的にとらえるようになる。若者は思春期を経て成長するにつれて、体格が大きく変化することも、この傾向に寄与している可能性がある。

肥満は40歳未満の若者でも問題に
 一方で、メディアや保健関連の産業、医療分野では、若者がほっそりとした体型を維持するのが理想的というイメージを広めている。理想と現実のギャップに挟まれて、過体重と肥満の若者は、自分が過体重であるという事実をますます認めたがらなくなっているという。

 「肥満の若者がやがて中年になり、高齢者になるにつれ、肥満は高血圧や糖尿病などのさまざまな生活習慣病の原因になります。自分の過剰な体重を意識することが、行動変容を引き出すための最初の一歩になります」と、チャン氏は言う。

 若者の自己の体重に対する認識を改め、体重を適切にコントロールするよう行動を変えることは、若者への社会的な圧力と精神的な苦痛をやわらげることにもつながる。

 「肥満に関しては、40歳以上の中高年で問題にされがちですが、もっと若い世代にも関心を向ける必要があります」と、チャン氏はまとめている。

Am I Fat? Many of Today's Adolescents Don't Think So(American Journal of Preventive Medicine 2015年7月14日)

[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2021年01月28日
【健やか21】「COVID-19 ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する⽅へ 」の提言(⽇本産婦⼈科感染症学会・⽇本産科婦⼈科学会)
2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査

生活習慣 ▶ 身体活動・運動不足

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に
2020年12月24日
【新型コロナ】医療機関の受診控えで健康リスクが上昇 日本医師会は安心マークを発行「感染防止を徹底しているから、安心して来て」
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】新型コロナとインフルの同時流行に備えて 発熱したら電話で「かかりつけ医」に相談 上手な医療のかかり方プロジェクト

生活習慣 ▶ 食生活

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
【健やか21】「子どもの食育を考えるフォーラム」がWeb開催(日本小児医療保健協議会)
2021年01月14日
【セミナーレポート】今こそ“栄養のすすめ”−ウイルス、癌、認知症に打ち克つ力を!−Web配信中! 健康と長寿によって、活力ある未来社会の実現を目指す「世界健康フォーラム2020」
2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に

疾患 ▶ 脂肪肝/NAFLD/NASH

2020年10月26日
毎日の歩数が多いほど死亡リスクは低下 1日の歩数を1000歩増やすだけでも効果
2020年08月28日
日本人は肥満ではなくても脂肪肝になりやすい サルコペニア予備群の段階で対策を
2020年08月12日
ウォーキングなどの運動は「魔法の薬」 座ったままの時間を減らすだけでも効果 室内運動もお勧め
2020年08月12日
全国の1万人超の健康診断の受診状況や病気予防への取組みを調査 できない理由は「何をすればよいか分からない・お金がかかる・面倒」
2020年01月09日
7月12日は「人間ドックの日」 ロゴマークの募集を開始 日本人間ドック学会
スローガン川柳審査中
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート