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がん10年生存率を初公開 がん生存率は年々向上 全部位は58.2%

キーワード: がん 健診・保健指導

 国立がん研究センターは、「全国がん(成人病)センター協議会」(全がん協)の協力を得て、加盟施設での診断治療症例に関する部位別10年相対生存率を集計し、結果を全がん協のホームページで公開した。国内でこれほどの規模でがんの10年相対生存率が公表されるのははじめて。
がんの「5年相対生存率」と「10年相対生存率」を公開
 がんの生存率は治療による効果をあらわす指標で、がん診療評価などにおいて重要な要素となる。一方で、信頼できる生存率を算出するには、精度の高い予後調査の実施などの課題があった。

 同センターの研究班は、1999年診断症例より部位別施設別5年生存率を公開。さらに2012年にはグラフで表示する生存率解析システム「KapWeb」の公開を開始した。

 今回、部位別施設別5年相対生存率については、2004年から2007年に診断治療を行った14万7,354症例を集計。10年相対生存率については、1999年から2002年に診断治療を行った3万5,287症例を集計した。

 生存率には、実測生存率と相対生存率がある。このうち相対生存率は、性別、年齢分布、診断年が異なる集団において、がん患者の予後を比較するために、がん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢・分布をもつ日本人の期待生存確率で割ったものをさす。
部位ごとの5年相対生存率 全部位は68.8%
 個々の数値をみていくと、全部位全臨床病期の5年相対生存率は68.8%で、1997年の62.0%から徐々に改善している。同センターは「化学療法、放射線治療や早期発見技術の進歩が貢献している」とみている。

 生存率が高いのは「前立腺(100%)」「乳(92.9%)」「甲状腺(91.6%)」。次いで、「子宮体(84.9%)」「大腸(75.9%)」「子宮頸(75.1%)「胃(73.1%)」が70%以上を保持している。「卵巣(61.0%)」「肺(43.9.%)」「食道(42.3%)」「肝(34.8%)」などが続く。一方、「胆のう胆道(28.9%)」「膵(9.1%)」は3割以下にとどまっている。
全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率
(2004-2007年診断症例)
出典:全がん協加盟施設の生存率協同調査(2015年)
部位ごとの10年相対生存率 全部位は58.2%
 今回がはじめて集計となる全部位全臨床病期の10年相対生存率は58.2%だった。同じデータベースの5年相対生存率は63.1%となっており、5年間で4.9%の減少がみられる。

 10年生存率において高い生存率をみせた部位は、「甲状腺(90.9%)」「前立腺(84.4%)」「子宮体(83.1%)」「乳(80.4%)」「子宮頸(73.6%)」など。「大腸(69.8%)」「胃(69.0%)」「腎(62.8%)」「卵巣(51.7%)」などが続く。逆に「肺(33.2%)」「食道(29.7%)」「胆のう胆道(19.7%)」「肝(15.3%)」「膵(4.9%)」などは低い数値となった。

 5年後、10年後の両方を見ての生存率では、乳がんはマンモグラフィー検診の普及などにより10年生存率でも80.4%と高い。前立腺がんも、腫瘍マーカーの普及で早期発見が可能になり、「病期1」でがんが見つかったケースでは生存率は10年近くまででほぼ100%に上る。一方、肝臓がんと膵臓がんの生存率は時間の経過とともに目立って低下する。
全がん協部位別臨床病期別10年相対生存率
(1999-2002年初回入院治療症例)
出典:全がん協加盟施設の生存率協同調査(2015年)
インターネットで公開 がん治療法選択の判断の目安に
 なお、研究班は今回の結果をKapWebに反映させて公開。「がんの種類」「病期」「治療法」などの条件設定で検索でき、5年もしくは10年までの生存率年次推移をグラフで見られる。

 今回、10年相対生存率のほか、新規診断症例、治療法の選択項目が追加され、より詳細な条件設定が可能となった。「どの治療法を選んだら生存率が高くなるかを知ることができる。治療法選択の判断の目安になる」と、国立がん研究センターは述べている。

 胃がんの10年生存率(左)と乳がん(右)の10年生存率。乳がんは5年以降も傾斜が続いていることがわかる。 KapWeb(全がん協加盟施設の生存率共同調査/全がん協生存率)
全がん協生存率(全がん協加盟施設の生存率協同調査)
全国がん(成人病)センター協議会

(Terahata)

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