一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

温州ミカンの「β-クリプトキサンチン」が生活習慣病の予防に有用

キーワード: 脂質異常症(高脂血症) 糖尿病 がん セルフケア トクホ 健康食品

 農業・食品産業技術総合研究機構は、浜松市での10年間の追跡調査の結果、温州ミカンに含まれる「β-クリプトキサンチン」を多く摂取すると、2型糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の予防に有用である可能性があるという研究を発表した。

 欧米などの最近の栄養疫学研究から、果物・野菜の摂取が、がんや循環器系疾患の予防に重要であることが明らかにされつつある。また、これらの生活習慣病の発症に酸化ストレスが関与しており、果物・野菜に多く含まれるカロテノイドなどの抗酸化物質が酸化ストレスを軽減することでさまざまな生活習慣病の予防に有効である可能性があると考えられるようになってきた。
糖尿病リスクが57%、脂質異常症リスクが34%低下
 カロテノイド色素は天然に存在する色素であり、ニンジンやカボチャに多いβ-カロテン、トマトに多いリコペン、緑色野菜に多いルテインなどがある。β-クリプトキサンチンは日本の温州ミカンに多く含まれている。

 農研機構果樹研究所は、浜松医科大学健康社会医学講座、浜松市(旧三ヶ日町)と合同で2003年度から継続して栄養疫学調査「三ヶ日町研究」を実施。この研究では、温州ミカンに多く含まれるβ-クリプトキサンチンや緑黄色野菜に多いβ-カロテン、葉物野菜に多いルテインなどのカロテノイド色素とさまざまな健康指標との関連を調査している。

 研究チームは、調査開始から10年間で追跡調査が完了した910人について、β-クリプトキサンチンをはじめとする血中カロテノイド値と2型糖尿病などの生活習慣病の発症リスクとの関連について縦断的に解析した。

 まず、調査開始時にすでに2型糖尿病を発症していた被験者を除いて、血中β-クリプトキサンチン濃度について、低いグループから高いグループまでの3グループに分け、各グループの2型糖尿病の発症率を調査。その結果、血中β-クリプトキサンチンが高濃度のグループにおける2型糖尿病の発症リスク(ハザード比)は、低濃度のグループを1.0とした場合0.43となり、有意に低い結果となった。

 また同様に、血中β-クリプトキサンチンが高濃度のグループにおける脂質異常症の発症リスクは、低濃度のグループを1.0とした場合0.66となり、有意に低い結果となった。

 さらに、血中β-クリプトキサンチンが高濃度のグループにおける非アルコール性肝機能異常症(血中高ALT値)の発症リスクは、低濃度のグループを1.0とした場合0.51となり、有意に低い結果となった。どの関連も、喫煙・運動習慣や総摂取カロリー、アルコール摂取量などの影響を取り除いても統計的に有意だったという。
「三ヶ日みかん」が機能性表示食品に
 なお、調査開始時の血中β-クリプトキサンチン濃度の平均値は、低グループでおよそ0.5μM、中グループで1.5μM、高グループで3.5μMだった。それぞれの温州ミカンの摂取量は、低グループでは「毎日は食べていない」、中グループでは「毎日1?2個」、高グループでは「毎日3?4個」食べていた。

 これまで同研究所では、β-クリプトキサンチンの骨の代謝に与える効果を明らかにしてきた。また、温州ミカン中のβ-クリプトキサンチン含有量の保証技術の開発に取り組んできた。これらの研究成果により、生鮮品としては初めて「三ヶ日みかん」が骨の健康に役立つ機能性表示食品として発売された。

 今回新たに得られた知見をもとに、温州ミカンの機能性訴求ポイントを増やすために産地と検討を進めていくとしている。

農業・食品産業技術総合研究機構

(Terahata)

関連トピック

疾患 ▶ がん

2019年01月18日
健康について何でも相談できる「かかりつけ医」を検索できるサイトを公開 日本臨床内科医会
2019年01月09日
大人のがん教育を始めよう がん患者の就労問題に取り組む企業を支援 がん対策推進企業アクション
2019年01月09日
がん終末期患者の3割が「苦痛あり」 介護など家族の負担も大きい 国立がん研究センター調査
2018年12月07日
毎日30分のウォーキングが乳がんを防ぐ 女性の運動を増やすアイデア7選
2018年11月07日
長寿国ランキング 日本は2040年に2位に転落 社会格差が課題に

疾患 ▶ 糖尿病

2019年01月18日
健康について何でも相談できる「かかりつけ医」を検索できるサイトを公開 日本臨床内科医会
2019年01月15日
糖尿病腎症を予防 自覚症状のない糖尿病 重症化を防ぐ取組みを紹介 厚労省が報告書
2019年01月10日
2型糖尿病による筋力低下のメカニズムを解明 運動療法が筋肉の質を改善
2019年01月09日
β細胞を増殖させる治療薬を開発 糖尿病の新たな治療法に期待
2019年01月08日
糖尿病の「冷え」を6つの改善策で克服 動脈硬化が隠れていることも

疾患 ▶ 脂質異常症(高脂血症)

2019年01月18日
健康について何でも相談できる「かかりつけ医」を検索できるサイトを公開 日本臨床内科医会
2018年12月26日
「10の食品群」の栄養バランスをチェックできる無料アプリ 東京都健康長寿医療センターなど共同開発
2018年12月12日
糖尿病の食事改善をアプリで支援 金沢大学などが新たな保健指導サービス
2018年11月27日
スポーツを通じて女性の活躍を促進 子育て世代もサポート スポーツ庁
2018年11月01日
なぜ「朝食」は食べた方が良いのか? 糖尿病や体重の管理が改善

テーマ ▶ 健康食品

2018年11月16日
糖尿病の食事療法のポイントを解説 食を楽しみながら食事療法を継続
2017年08月25日
健康食品で「肝障害」 黄疸・倦怠感などの症状が 国民生活センター
2017年06月30日
ブロッコリーで糖尿病を改善? 「スルフォラファン」が血糖値を下げる
2016年06月23日
「機能性表示食品」に課題 信頼性に不安も 科学者による初の採点を公開
2016年03月30日
温州ミカンの「β-クリプトキサンチン」が生活習慣病の予防に有用

テーマ ▶ セルフケア

2019年01月08日
糖尿病の「冷え」を6つの改善策で克服 動脈硬化が隠れていることも
2018年12月27日
連休の夜更かし朝寝坊が体調不良の原因? 糖尿病リスクを朝型生活で低下
2018年12月20日
「糖尿病リスク予測ツール」を公開 3年後の糖尿病発症リスクを予測
2018年12月13日
手軽な運動で糖尿病を改善 「ウォーキング+筋力トレーニング」がもっとも効果的
2018年11月29日
仕事と運動を両立できるデスクを開発 運動不足を一気に解決

テーマ ▶ トクホ

2016年06月23日
「機能性表示食品」に課題 信頼性に不安も 科学者による初の採点を公開
2016年03月30日
温州ミカンの「β-クリプトキサンチン」が生活習慣病の予防に有用
2010年08月03日
トクホ制度を見直し、許可後も報告を義務化 消費者庁
2010年04月27日
トクホ市場が初の減少 生活習慣病予防の品目は堅調
2010年04月01日
健康食品の市場規模は1兆7700億円 アンチエイジングが拡大
全国生活習慣病予防月間
大正製薬 コバラサポート
新着ニュース
毎年2月は、全国生活習慣病予防月間
Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
乳がん治療と乳房再建の情報ファイル
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
大人の健康生活ガイド 30代以上の中高年者に関する健康情報を提供
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート
病気別BEST100サイト 知りたい病気の最新情報がすぐにわかる、病気サイトの百科事典