一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

熊本地震 エコノミークラス症候群を防ぐために「足の指でグーをつくる」

キーワード: 動脈硬化 心筋梗塞/狭心症 「多動」身体を活発に動かす

 熊本県などで発生した一連の地震の影響で、多くの人々が避難生活を続けており、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症・肺塞栓症)とみられる症状で病院に搬送される人が増えている。厚生労働省などは、エコノミークラス症候群の予防法をまとめて公開し注意を呼びかけている。
エコノミークラス症候群、被災地で多発
 熊本医療センター(熊本市中央区)によると、熊本市西区の自宅駐車場で車中泊をしていた女性が、車から降りた際に倒れ、心肺停止状態で同センターに搬送された。エコノミークラス症候群と診断され、死亡が確認された。

 熊本県内ではこの女性のように、避難所や自宅の駐車場に止めた車の中で生活している避難者が多くいる。余震が続き自宅に残りたくないという人や避難所でのプライバシーの問題がその理由だという。

 長時間座ったまま過ごしたあと、歩きはじめたとたんに、急に呼吸困難やショックを起こし、ときには亡くなることもある――これが「エコノミークラス症候群」(深部静脈血栓症・肺塞栓症)と呼ばれる病気の典型的なケースだ。

 エコノミークラス症候群は、肺動脈が血栓によって閉塞することで引き起こされる。長時間狭い椅子に座ったままの状態を強いられると、足の血液の流れが悪くなり、静脈の中に血のかたまり(静脈血栓)ができやすくなる。この静脈血栓が歩行などをきっかけに足の血管から離れ、血液の流れに乗って肺に到着し肺の動脈を閉塞してしまう。

 エコノミークラス症候群と呼ばれるので「飛行機でのみ起こる症状」だと思われがちだが、実は飛行機だけではなく、車や列車など長時間座席に座って過ごす時や、オフィスでのデスクワーク、長時間の会議などでも起こると考えられている。
エコノミークラス症候群を防ぐには
 エコノミークラス症候群の診断や治療に詳しい日本循環器学会によると、「今回の震災では、大きな余震が多発しているため、自家用車の中に避難して寝泊まりしている人が少なくない。このような車中泊の被災者は、同様に余震が頻発した2004年の中越大地震でも多く、エコノミークラス症候群の原因となった」という。

 静脈血栓症・肺塞栓症を予防するためにもっとも重要なことは、▽積極的な運動(歩行)だ。▽長時間自動車のシートに座った姿勢で眠らない、▽ときどき足首の運動を行う、▽ふくらはぎのマッサージを行う、▽十分な水分を補給する、▽可能であれば避難所で簡易ベッドを使用する――とった点に注意すれば予防できる。

 「歩行時の息切れ、胸の痛み、一時的な意識消失、あるいは片側の足のむくみや痛みなどが出現した場合には、早急に医療機関を受診して欲しい。車中泊をする場合や、避難所の中で運動などがままならない場合には、弾性ストッキングを適切な指導の下、使用することで予防効果は高まる。弾性ストッキングが被災地に届くように手配している」と、日本循環器学会は注意を呼びかけている。

 厚生労働省は、エコノミークラス症候群の予防のため「足の指でグーをつくる」「かかとを上下に動かす」といった運動や、水分補給をするよう被災者に呼び掛けており、ホームページにQ&Aなどの情報を掲載した。

 予防のための運動として(1)足の指でグーをつくる、(2)足の指をひらく、(3)つま先を地面に付け、かかとを上下に動かす、(4)つま先を引き上げる、(5)ひざを両手で抱え、力を抜いて足首を回す、(6)ふくらはぎを軽くもむ――と紹介している。

深部静脈血栓症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)の予防について(厚生労働省)
避難所における循環器疾患の予防のために注意すべきこと(日本循環器学会)
[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 心筋梗塞/狭心症

2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に
2020年12月24日
【新型コロナ】医療機関の受診控えで健康リスクが上昇 日本医師会は安心マークを発行「感染防止を徹底しているから、安心して来て」
2020年12月14日
【新型コロナ】新型コロナとインフルの同時流行に備えて 発熱したら電話で「かかりつけ医」に相談 上手な医療のかかり方プロジェクト
2020年12月14日
【新型コロナ】ワクチンがついに実用化 海外では有効性の高いワクチンが利用可能に ワクチン接種には課題も
2020年11月26日
納豆などの「発酵性大豆食品」が循環器疾患や脳卒中のリスクを低下 日本人8万人を調査

疾患 ▶ 動脈硬化

2020年12月14日
肥満や糖尿病に「コーヒー・緑茶・アルコール」は良い・悪い? どれくらい飲むと健康効果を期待できる?
2020年11月26日
納豆などの「発酵性大豆食品」が循環器疾患や脳卒中のリスクを低下 日本人8万人を調査
2020年10月26日
毎日の歩数が多いほど死亡リスクは低下 1日の歩数を1000歩増やすだけでも効果
2020年10月26日
肥満やメタボは認知症リスクを上昇 体重コントロールで脳機能を改善 食事と運動で対策
2020年09月11日
「緑茶」に肥満・心臓病・脳卒中・認知症の予防効果 お茶を飲むシンプルな生活スタイル

一無・二少・三多 ▶ 「多動」身体を活発に動かす

2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」
2020年12月14日
軽い運動を短時間しただけで記憶力を高められる 脳を標的とした運動プログラムの開発へ 筑波大
全国生活習慣病予防月間
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート