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肥満の人は脳の老化が早い 標準体重の人に比べ脳が10年早く老化

キーワード: 脂質異常症(高脂血症) 肥満症/メタボリックシンドローム 認知症 抗加齢(アンチエイジング)

 誰でも加齢にともない脳は老いていくが、肥満や過体重の人では脳の老化が加速する可能性があることが分かった。「肥満の人では、脳の老化が10年進んでいるおそれがある」と、研究者は述べている。
肥満や過体重の人は脳が老化が早い
 脳が老化すると、脳の「白質」という情報を伝える経路となる場所の神経細胞が減っていく。そのため情報を最短ルートで伝えることができなくなり、以前はスムーズにできていたことが段取り良くできなくなる。次第に記憶を呼び起こすのにも時間がかかるようになり、「もの忘れ」が増える。

 研究は、肥満や過体重が脳の白質にどのような影響を及ぼすのかに焦点をあてたもの。英国のケンブリッジ大学精神医学部のリサ ローナン氏らは、肥満や過体重の人の脳では、やせた人に比べて白質の測定値が低いことを突き止めた。

 研究によると、40歳の肥満や過体重の人の脳は、老化が10年進んでいると考えられるという。つまり50歳の過体重や肥満の人の白質量は、60歳の標準体重の人と同程度だということだ。

 また、この10年の格差は、40歳からさらに歳を取り、長い時間を経ても残り続けるという。「過体重や肥満であると、アルツハイマー病や認知症といった神経変性疾患の発症リスクが高まる可能性がある」と、ローナン氏は言う。

 研究チームは、20歳から87歳までの参加者473人を対象に調査を行った。参加者のうち約半数が標準体重(BMI 18.5以上25未満)で、約3割が過体重(BMI 25以上30未満)、約2割が肥満(BMI 30以上)だった。
過体重や肥満の人では脳の白質量が減少
 MRI検査で対象者の脳構造を調べたところ、過体重や肥満の人では、標準体重の人に比べて白質量が減少していることがわかった。肥満や過体重のグループでは、年齢が中年を超えないと白質密度の格差があらわれば、脳の老化は中年期以降に高まることが示された。

 ただし、現段階では、なぜこうした脳の変化が起きるのかについては、科学的に解明されていないという。また、研究では肥満と老化の加速との因果関係は証明されておらず、肥満者と標準体重の人で認知能力やIQ(知能指数)などの差はみられなかった。

 「加齢に伴い、脳は体重増加による悪い影響を受けやすいことが示唆された。肥満は世界的に増加している。肥満とアルツハイマー病や認知症には、重大な関連がある可能性がある。その仕組みを解明することが必要だ」と、ケンブリッジ大学神経科学部のポール フレッチャー教授は言う。

 「肥満と脳構造の変化の関連については、不明の点も多い。しかし、今回の研究を出発点として、体重、食事、運動、休息などの生活スタイルが、脳や記憶に及ぼす影響を詳しく調査する必要があることだ」と、ローナン氏は述べている。

Brains of overweight people 'ten years older' than lean counterparts at middle-age(ケンブリッジ大学 2016年8月4日)
Obesity associated with increased brain-age from mid-life(Neurobiology of Aging 2016年7月27日)

(Terahata)

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