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AEDによる救命活動は8年間で30倍に増加 救われた命は800人以上

キーワード: 心筋梗塞/狭心症 「多接」活動的な生活

 公共施設などに置かれているAED(自動体外式除細動器)を一般市民が使い、救った命は年間で約200人、9年間で約800人に上るとの研究結果が発表された。AEDを使うことで、使わない場合に比べ、救命率は約2倍に上昇するという。
AED(自動体外式除細動器)は42万台以上が設置
 AED(自動体外式除細動器)を用いた早期の救命処置は、病院外での心室細動患者を救命するための重要な手段だ。公共の場所に設置されたAEDを使用することで、心室細動患者への電気ショックまでの時間を短くすることが可能となる。

 日本では2004年7月から市民によるAEDの使用が法的に許可され、2013年には42万台以上が公共の場所に設置されている。

 京都大学は、市民がAEDを使用することで心停止からの救命者数が増加したという調査結果を発表した。

 国内の公共の場所にAEDの設置台数が増加したことに伴い、市民によってAEDによる早期の救命処置が行われ、心停止患者の救命者数が増加したという。

 調査は、同大学環境安全保健機構の石見拓教授、大阪大学の北村哲久助教らのグループによるもので、米学術誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディシン」に発表された。
市民のAED使用により生存率は2倍以上に上昇
 研究では、総務省消防庁が国際的な基準にもとづく救急搬送の統計を取り始めた2005年から13年までの記録を活用。

 記録には市民が発症を目撃した院外心原性心室細動患者が登録され、心停止1ヵ月後に脳機能がどの程度回復しているかという点を指標にし、市民からAEDで処置を受け順調に回復している生存者数が調査された。

 それによると、調査期間に市民が目撃した院外心原性心室細動患者数は4万3,762人。そのうち4,499人(10.3%)が偶然居合わせた市民による電気ショックによる救助を受けていた。

 市民による電気ショックを受けた人の割合は、2005年の1.1%から2013年の16.5%まで増加している。

 順調に回復した1ヵ月生存者の割合は、市民によりAEDが使われた場合は38.5%で、使われなかった場合の18.2%に比べ、2倍以上に上昇するという結果になった。

 AEDによる救命が大きく貢献し、順調に回復したと考えられる1ヵ月生存者の見積もり数は、2005年の6人から2013年の201人まで増加しており、社会復帰に至ったのは計835人と推計した。
AEDの活用をさらに促すための運動が必要
 調査では、日本で市民によるAEDを用いた救命は増加しており、病院外心室細動から順調に回復した生存者の増加に貢献していることが示された。

 AEDの普及は進んでいるが、活用の実態はよく分かっていなかった。全国規模の調査は外国でもほとんど行われていないという。

 AEDのさらな普及を世界的に後押しする研究結果だ。「AEDの普及が社会活動をしている人を救命できることを示せた」と、石見教授は言う。

 一方で、AEDの普及台数に対して救命活動の割合は10.3%と十分といえない。「AEDの利活用をさらに促すための教育と、実践のための社会運動を進めていく必要がある」と、石見教授は付け加えている。

 AEDをさらに普及させるためには、費用対効果の検討が求められる。研究チームは今後、スマートフォンなどのSNSを活用して、AEDと救助者を効率よく心停止現場に派遣する取り組みなど、AEDの活用率を高める仕組みをつくることも進めていくとしている。

京都大学環境安全保健機構 健康管理部門 健康科学センター
Public-Access Defibrillation and Out-of-Hospital Cardiac Arrest in Japan(ニューイングランド ジャーナル オブ メディシン 2016年10月27日)

(Terahata)

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