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「ポケモンGO」を保健指導に活用 運動習慣のない人も夢中で歩き始める

キーワード: 脂質異常症(高脂血症) 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 運動 健診・保健指導

 スマートフォン向けのゲームアプリである「ポケモンGO」を、保健指導に利用すると、効果的に運動量を増やせるという論説が、医学誌「ブリティッシュ メディカル ジャーナル」に発表された。
「ポケモンGO」がウォーキングを促す
 欧州や欧米で肥満の増加が社会問題になっているが、食事と運動を中心とした保健指導はコンプライアンスの向上をなかなか見込めず、効果的な対策がみつからない。そんな中で「ポケモンGO」のようなゲームアプリが、効果的な肥満対策になるという声が高まっている。

 「"ポケモンGO"は健康増進を促すことを目的としたアプリではありません。でも、実際にアプリを楽しんでいる人たちは、知らぬ間に歩数を増やしています」と、マーガレット マッカートニー氏は言う。マッカートニー氏は、スコットランドのグラスゴーの診療所で、医師として生活習慣病患者の生活指導を行っている。

 スマートフォンなどの情報端末は、自らの位置を知らせる位置登録システムが付いているものが多い。「ポケモンGO」のような「位置情報ゲーム」は、位置登録情報を利用したゲームで、GPSで得られる位置情報によってゲームを進めていく。

 「ポケモンGO」をプレーすると、スマートフォンの画面上に地図が表示され、その地図上にさまざまな情報が表示される。歩き続けないとスマートフォンに表示されるモンスターを捕まえられず、アイテムを獲得できない仕組みになっている。

 「"ポケモンGO"のようなプレイヤーにウォーキングを強要するゲームは、それまで運動をする習慣をもたないでいた人も夢中にさせます。肥満や2型糖尿病などの予防・改善にうってつけとなる可能性があります」と、マッカートニー氏は言う。

ゲームを利用した健康増進を促す保健指導が必要
 「ポケモンGO」に没頭したあるプレイヤーは、それまで運動をする習慣が全くなかったのが、1ヵ月に225km(140マイル)を歩き、体重を数か月で12.7kg減らすのに成功した。

 スマートフォンの画面を見ながら歩き続けると、交通事故の危険性が高くなるという欠点がある。しかし、「家でテレビを見ながら寝そべって過ごしたり、映画館でジャンクフードを食べながら座ったままでいるよりも、はるかに健康的な趣味だ」という。

 「ポケモンGO」は100ヵ国以上で提供されており、9月に5億ダウンロードを超えた。英国でも主要都市をカバーしており、利用者も子どもや若者だけでなく、より高い年齢層にまで広がっている。同様のアプリの開発に、グーグルなどの大手のIT企業も乗り出している。

 健康増進や医療を目的としたアプリは数多く提供されているが、これらのアプリの欠点は、もともと健康に対する意識や関心が高い層しか利用していないことだ。その点で、「ポケモンGO」などのアプリは健康増進を目的としておらず、より広い層のユーザーを獲得できる可能性があるという。

 今回の論説は科学的なエビデンスをもとにしていないが、すでに2型糖尿病やうつ病を改善するために効果的だという報告が出ている。今後はゲームのプレイヤー同士で双方向的な情報伝達ができるアプリも見込まれており、患者同士の交流にも活用できる可能性がある。

 ただし、「ポケモンGO」をプレイし歩き疲れて空腹になり、高カロリーの食事を摂ってしまい減量の効果を得られないという例も報告されている。ウォーキングを促す位置情報ゲームは今後多くの種類が登場すると予測されている。「ゲームをしながら健康増進を促すための保健指導も必要とされている」と、マッカートニー氏は指摘している。

Margaret McCartney: Game on for Pokémon Go(ブリティッシュ メディカル ジャーナル 2016年8月9日)

(Terahata)

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