一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

いま知っておきたい「花粉症」対策 治療の基本を知って乗り切ろう

キーワード: 「無煙」喫煙は万病の元 「少酒」お酒はほどほどに 「少食」食事は腹7~8分目

 例年、春先に飛び始めるスギ花粉。花粉症の人にとっては、つらいシーズンだ。できる限りの対策をして、上手に乗り切ろう。
花粉症患者は急増している
 花粉症は、体内に入った花粉(異物)を排除しようとして、人間の身体が起こすアレルギー反応の一種だ。主な症状は、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」などだが、「喘息」を併発することもある。

 花粉の飛散量が増えたことが、花粉症患者が急増している原因のひとつだが、近年は食生活の変化や腸内細菌の変化、大気汚染、喫煙、ストレスなどの影響も指摘されている。
症状が悪化する前に治療を開始
 ヒトの体では細菌や微生物などから体を守るために抗体という成分が作られている。花粉を体内に入り込むと、体は花粉を異物と認識して免疫機能が働きはじめて「IgE抗体」がつくられる。

 「IgE」は鼻や眼の粘膜にある肥満細胞と結合し、吸い込んだ花粉が粘膜に到達すると反応を起こす。その結果、肥満細胞からヒスタミンなどの炎症を引き起こす物質が放出され、これらの物質が鼻や目の粘膜を刺激してアレルギー反応を引き起こす。

 くしゃみ中枢が刺激されると「くしゃみ」が、分泌腺が刺激されると「鼻水」が、血管が刺激されると「鼻づまり」などの症状が出てくる。

 本来は排除する必要がない花粉に対して身体の防御機能が過剰に反応してしまい、逆に体の負担が生じてしまうのが花粉症だ。花粉症は自然に治ることはまれで、症状が悪化してしまうと治療を行ってもなかなか症状がおさまらないという特徴がある。
花粉症の治療の基本を知って乗り切ろう
 花粉症を治療するために、日常生活で浴びる花粉の量をなるべく少なくする工夫が大切だ。

 「マスクは隙間から花粉が侵入してこないよう、顔にフィットするものをつける」「帰宅したらうがい・手洗い・洗顔を行う」「花粉対策用眼鏡、帽子、マスクを着用する」「衣服はツルツルした素材を選び、帰宅時外で衣服などをはたく」などの対策を行おう。

 薬物療法では、少しでも症状が出たらすぐに治療を始める初期療法が有効だ。

 薬には、くしゃみ、鼻水に効果がある「抗ヒスタミン薬」(内服薬)、ヒスタミンなどが放出(遊離)されるのを抑制する「遊離抑制薬」(点眼薬・点鼻薬)、鼻づまりに効果がある「抗ロイコトリエン薬」(内服薬)のほか、「血管収縮薬」(点鼻薬)や「鼻噴霧用ステロイド薬」などがある。薬物治療では、最近は眠気などの副作用の少ないものが出てきている。

 手術には鼻閉を改善する手術、鼻汁を減らす手術、レーザーを用いてアレルギー反応を起こす粘膜を減らす手術がある。また最近では免疫療法も根本的な治療法として注目されている。
アレルギー疾患が急増 厚労省が基本指針を発表
 花粉症などのアレルギー疾患は急増しており、いまや国民の2人に1人が罹病している。厚生労働省の「アレルギー疾患対策推進協議会」は2016年12月に基本指針案をまとめ、医療の提供体制を整備するとともに、患者が科学的知見にもとづく適切な情報を入手できるよう環境を整備することを求めている。

 患者数が多く、日常生活に大きな支障を及ぼすにもかかわらず、日本のアレルギー疾患に対する取り組みは遅れている。専門的な知識や技術のある医師が偏在しており、地域間で医療提供体制に差があり、患者が適切な治療が受けられず、重症化する例が多いことが問題になっている。

 アレルギー疾患のある人は、長期にわたり生活の質が低下し、社会的、経済的にも影響を受ける。しかし、発症、重症化要因の解明、ガイドラインの有効性の評価や薬剤の長期投与の効果や副作用など、明らかになっていないことが多い。

 こうした状況をふまえ基本指針案では、アレルギー疾患をもつ人が適切な診療を受けられるよう、科学的根拠にもとづいた医療提供体制を整備すべきだとした。地域ごとに専門的な治療を行う拠点病院を整備し、患者の相談支援にあたる体制を充実させることなどを盛り込んだ。
最新の正しい情報を得ることも大切
 指針案では、▽アレルゲン(アレルギー疾患の原因物質)を回避するための措置を講ずることを念頭に、アレルギー疾患のある患者を取り巻く環境の改善をはかる、▽アレルギー疾患の医療全体の質を向上させ、科学的根拠にもとづいた医療の提供体制を整備する、▽アレルギー疾患に関し、科学的知見にもとづく適切な情報を入手できる体制を整備する――とった対策を求めている。

 アレルギー疾患のある人が科学的根拠にもとづかない治療によって症状を悪化させるケースがあるため、インターネットなどを通じて適切な情報の提供をはかることも強調している。インターネット上の情報には科学的に適切でない例もあるので、予防法や生活改善策について最新の正しい情報を得ることが大切だ。

アレルギー疾患対策推進協議会(厚生労働省)
一般の皆様へ(日本アレルギー学会)
アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)のおもな治療薬(日本アレルギー学会)

(Terahata)

関連トピック

一無・二少・三多 ▶ 「無煙」喫煙は万病の元

2017年03月06日
いま知っておきたい「花粉症」対策 治療の基本を知って乗り切ろう
2017年03月06日
若年者や未成年者の「禁煙治療」を推進 日本禁煙学会が指針を公表
2017年02月17日
がん医療の最新情報 「低侵襲」「個別化」で患者にやさしいがん治療
2017年02月17日
日本の喫煙対策は「最低レベル」 たばこを断つために必要な知識
2017年01月23日
1月23日は「一無、二少、三多の日」。「全国生活習慣病予防月間2017」がスタートします!

一無・二少・三多 ▶ 「少酒」お酒はほどほどに

2017年03月06日
いま知っておきたい「花粉症」対策 治療の基本を知って乗り切ろう
2017年02月17日
がん医療の最新情報 「低侵襲」「個別化」で患者にやさしいがん治療
2016年09月21日
アルコール依存症 医療機関以外の相談先を知らない人がほとんど
2016年06月30日
アルコールの飲み過ぎで「腸内フローラ」が悪化 肝炎や大腸がんに影響
2016年06月02日
お酒に弱い人は「脂肪肝」に注意 飲酒習慣がなくても発症しやすい

一無・二少・三多 ▶ 「少食」食事は腹7~8分目

2017年03月06日
いま知っておきたい「花粉症」対策 治療の基本を知って乗り切ろう
2017年02月28日
糖尿病臨床現場で行う緩やかな糖質制限“ロカボ”のすすめ
2017年02月17日
がん医療の最新情報 「低侵襲」「個別化」で患者にやさしいがん治療
2017年02月14日
【セミナー参加者募集】 スローカロリーの意義を皆で語ろう!
2017年02月07日
「カロリー制限」は最強の食事療法 カロリー減少で寿命を延ばせる
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
大人の健康生活ガイド 30代以上の中高年者に関する健康情報を提供
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート
病気別BEST100サイト 知りたい病気の最新情報がすぐにわかる、病気サイトの百科事典
※一般社団法人 日本生活習慣病予防協会と名称の類似した団体がありますが、当協会との関わりは一切ありませんので、ご留意願います。