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「五月病」に対策するための5つの方法 今日から始めるストレス対処法

キーワード: ストレス関連疾患/適応障害 セルフケア 運動 食事

 新しい環境への適応がうまくいかず、心身に不調があらわれる「五月病」。五月病からうつ病に移行するケースも少なくはないので、なるべく早い対処が必要だ。
ストレスが原因でうつ症状に陥る人が少なくない
 食欲がない、1日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめない、眠れない、――この「気分が落ち込む」「ゆううつ」な気分が長期にわたって続いている場合、うつ病が起きている可能性がある。

 うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なるなど、さまざまな理由で脳の機能障害が起きている状態だ。

 4月になり仕事や学校、転居などで環境が変わり、最初のうちは張り切っていたのに、5月の連休明け頃から、なんとなく気分が落ち込む、仕事などに集中できない、眠れないといったスランプ状態に陥るのがいわゆる「五月病」だ。

 働き盛りの世代では、仕事上のストレスをきっかけに「五月病」を発症するケースがみられる。たとえば、昇進に伴って張り切って仕事をしている場合などに、ストレスからうつ症状が現れ、日常生活に支障が出ることがある。

 「気分の落ち込み」(抑うつ気分)、「何事にも興味が持てず楽しめない」(興味・喜びの喪失)、「睡眠をとれない、眠りが浅い」などが2週間毎日続くようなら対策が必要だ。「食欲の変化」「疲れやすい」「自分を責める」(自責感)などもうつ症状のひとつだ。

 「ストレスが原因でうつ症状に陥る人が少なくありません。しかし、人生において不健康なストレスに対策する方法はたくさんあります。ストレスについてよく理解し、自分に合った対処法をみつけることで、緊張をやわらげることができます。ときには新しいことに挑戦することが良い効果を生むこともあります」と、テキサス大学の精神療法士であるサンドラ ジェイン氏は言う。

 ジェイン氏は次のストレス対処法をアドバイスしている。

● 時間を上手に管理する

 ストレスの原因のひとつは、ひとつの仕事に過度に関わったり、逆に時間を十分にとれなかったりして、仕事への力の配分が適切でないことだ。もしもストレスを感じているのなら、仕事のスケジュールを見直して、時間を合理的に配分すると効果的である場合がある。

 一度に多くのことを行おうとして、結局どれも達成できないということは珍しくない。その場合は、あなたの力が不足しているからではない。やらなければならないタスクのリストを作成し、ひとつずつこなしていき、完了したタスクにチェックを入れていけば、考えている以上に仕事がはかどる可能性がある。

 重要な仕事を優先的におこなったり、気の進まない仕事を午前中の早い時間をこなせば、1日の残りの時間のストレスを減らすことができる。気を付けなければならないのは、タスクを多くためこんで過労に陥ることだ。タスクが多過ぎてスケジュールが埋まっている場合に、多くの人はひとつのタスクにかかる時間を過小評価し、非効率に陥りがちだ。

 仕事に行き詰ったときは、適度に休憩をとり、ウォーキングなどの運動をして気分転換をはかると、脳を活性化でき余裕も出てくる。

● 他人と交流する

 他人と交流することで、ネガティブな感情や孤独、退屈をやわらげられるかもしれない。自分の気持ちについて話せる家族や友人、カウンセラーなどとの対話を通じて、あなたと別の視点で問題解説の糸口がみつかることは少なくない。他人に話すことで、あなたが抱えている問題の解決に集中し、混乱を整理することができる。

 ストレスについて話せる相手がいない場合は、自分の考えや気分について文章に書いてみると、問題を明確にし、新しい視点をみつけるのに役立つかもしれない。インターネットを利用して他人と交流するのもときには効果的だ。

 自分にとってはネガティブに思えることが、他人から見るとポジティブに見えることも少なくない。他人と交流することが、考え方のバランスを整えるのに役立つ場合がある。

● 運動を習慣化する

 ウォーキングなどの運動や身体活動は、ストレスを軽減する効果がある。現代人は仕事ではデスクワーク、家ではテレビ視聴やインターネットなどで、座ったまま過ごす時間が長い。毎日の生活で体を動かす時間をつくることが、健康増進の効果を得られるだけでなく、緊張をやわらげ心身をリラックスさせ、ストレス管理に役立つことが多くの研究で確かめられている。

 ウォーキングはいつでもどこでも行え、費用もかからない。運動をする習慣のない人は、まず10~15分歩くことからはじめ、徐々に時間を延ばし30分を目標にする。週に5日以上行うことが勧められているが、できる範囲内で良い。大切なことは運動を習慣化することだ。

 ジムに通って筋力トレーニングをしたり、水泳、ダンス、ヨガなどのクラスに参加するなど、どんなやり方でも良いので、自分に合った方法をみつけ運動をする機会を増やそう。

● 体をケアし生活を健康的に変えていく

 健康的な食事と質の良い十分な睡眠が、ストレス対策に効果的であることが多くの研究で確かめられている。ストレスがたまっているときには、過食したり、逆に小食になることがある。そうしたときこそ毎日の食事を見直し、より健康な食事のために何が必要かを考えよう。そして質の良い睡眠は緊張を少なくし、ストレスに対する耐性を高める。

 カフェインやアルコールの過剰な摂取は、ストレスを高めるおそれがあるので注意が必要だ。また、食事や睡眠に不安や悩みを抱えている人は、専門家に相談するのも効果的だ。健康診断を受けるときは、毎日の生活を健康するための良い機会になるので積極的に利用しよう。

● 呼吸を整える

 過剰なストレスを感じ、身体的な緊張を受けていると、呼吸が浅くなることが多い。浅い呼吸は血中の酸素を減らし、筋肉の緊張を高め、ストレスをますます高める原因になる。

 心の不調を感じている場合は、仕事をいったんストップし、1分ほど深呼吸をしてみよう。腹式呼吸をこころがけ、下腹部が上がったり下がったりするのを感じながら、深く呼吸をしながら数字を10まで数えてみよう。深呼吸はもっとも身近なストレス対処法だ。
ヨガのクラスに参加するとうつ症状を緩和できる
 ヨガのクラスに参加すると、うつ症状を緩和できるという研究が米国で発表された。しかも、週に2回のヨガクラスに参加するだけでも効果があるという。研究は、ボストン医科大学院、ハーバード医科大学院、ボストン医療センターなどの研究チームによるものだ。

 研究には中等度から重度のうつ病患者32人が参加した。研究チームは参加者を、▽クラスに参加しヨガを積極的に行う群と、▽ヨガを軽く行う群に無作為に振り分けた。ヨガを積極的に行った群は、90分のヨガクラスに週に3回参加し、自宅でも30分のヨガを週に4回行った。対照群は週にヨガクラスに2回参加しただけだった。

 12週間後にうつ病の病状を診断する「ベックうつ病調査表」で採点したところ、ヨガを積極的に行った群では平均スコアの平均は24.6点から18.6点に低下した。対照群でも27.7点から17.7点に低下した。

 ヨガはウォーキングなどの有酸素運動とは異なるが、体に多くのプラスの効果をもたらすようだ。過去の研究でも、柔軟性の向上、筋肉の増強や骨の強化など、ヨガの効果についての検証が行われている。

 「セロトニン」は脳内の神経伝達物質のひとつ。他の伝達物質であるドパミンなどをコントロールし、精神を安定させる働きもある。不安障害や入眠・覚醒を調整する能力もコントロールしていると考えられている。

 ヨガの呼吸法は、セロトニンの産生をコントロールするのに役立つとも指摘されている。呼吸やなめらかな動きに重きをおくヨガが、抗うつ剤で十分な効果を得られない患者にも効果的ではないかと期待されている。

 年度が新しくなり、何か運動をはじめたいと考えている人は、ヨガクラスに参加してみるのもひとつの方法だ。

Managing Stress(テキサス大学カウンセリング・メンタルヘルス センター)
Can yoga and breathing really help 'cure' depression?(NHS Choices 2017年3月16日)
Twice weekly yoga classes plus home practice effective in reducing symptoms of depression(ボストン大学医療センター 2017年3月3日)

(Terahata)

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