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「運動+乳製品」で筋力が増え炎症も抑制 「インターバル速歩」にプラス効果

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム 身体活動・運動不足

 「インターバル速歩トレーニング」を行い、運動の直後にヨーグルトやチーズなどの乳製品を摂取すると、高齢女性の下肢筋力が向上し、体内の炎症を促す遺伝子の活性を抑制できることが、信州大学などの研究で明らかになった。
「インターバル速歩」で筋力・持久力が向上
 信州大学の能勢博教授らが開発した「インターバル速歩トレーニング」は、最大体力の70%以上に相当する速歩と、40%に相当するゆっくり歩きを3分間ずつ交互に繰り返すウォーキングを1セットとし、1日5セット以上、週4日以上、繰り返すウォーキング方法。

 研究によると、「インターバル速歩トレーニング」を5ヵ月間実施すると、筋力、持久力が最大20%向上するという。研究チームはこの運動により、生活習慣病の症状が20%改善し、医療費が20%抑制されると試算している。

 一方で、加齢に伴う筋萎縮に起因する体内の慢性炎症は、生活習慣病の根本原因として注目されている。炎症が、脂肪組織に起これば2型糖尿病が、免疫細胞に起これば動脈硬化が、脳細胞に起これば認知症が、がんの抑制遺伝子に影響するとがんが促進するとみられている。慢性炎症の抑制は、生活習慣病とそれに関連する疾患の予防に重要だと考えられている。
「ミルクプロテイン」を摂取すると筋力が増加
 今回の研究では、運動時に牛乳や乳製品に含まれる乳由来のタンパク質である「ミルクプロテイン」を摂取すると、体にどのような変化が起こるかを調べた。

 研究には、「インターバル速歩トレーニング」を6ヵ月以上継続している女性37人(平均年齢66歳)が参加した。被験者を無作為に3つの群、▽インターバル速歩のみ(運動群)、▽インターバル速歩+低乳製品摂取(ミルクプロテイン 4.1g/日摂取)、▽インターバル速歩+高乳製品摂取(ミルクプロテイン 12.3g/日摂取)に分け、その後5ヵ月間インターバル速歩トレーニングを実施し、その前後で、筋力と炎症促進遺伝子のメチル化(不活性化)を測定した。

 その結果、「運動+高乳製品」群で筋力が平均8%増加したが、「運動」群では増加せず、「運動+低乳製品」群はその中間の増加量を示した。
運動の後に乳製品を摂取すると炎症反応も抑制
 さらに、炎症反応を引き起こす中心的な役割を担うとされているNFKB1、NFKB2遺伝子のメチル化(不活性化)は、「運動+高乳製品」群でトレーニング前に比べそれぞれ平均29%、44%増加しが、「運動」群では変化せず、「運動+低乳製品」群でその中間の増加量を示した。

 DNAの塩基にメチル基が結合するメチル化によって、RNAへの転写が困難となり遺伝子発現が阻害される。つまり、ある介入の前後に特定の遺伝子のメチル化の程度を調べれば、その遺伝子が活性化したか、不活性化したかが分かる。

 さらに、全遺伝子のメチル化をマイクロアレイ法で網羅的に測定した結果、「運動+高乳製品」群では「運動」群に比べ、NFKB遺伝子以外の炎症促進遺伝子群のメチル化(不活性化)も促進していた。

 これら結果から、「インターバル速歩トレーニング」をしながら「ミルクプロテイン」を摂取すると、摂取しない場合に比べ、筋力向上が促され、体内の慢性炎症も抑制されることが明らかとなった。

 研究は、信州大学大学院医学系研究科・スポーツ医科学、分子腫瘍学分野と同大学バイオメディカル研究所の能勢博教授ら、NPO法人・熟年体育大学リサーチセンター、徳島大学大学院・病態生理学分野、明治の共同研究チームによるもので、国際科学雑誌「PLOS ONE」オンライン版に発表された。

 能勢教授は「乳製品は非常に安価で誰でも手に入るやすい。活習慣病予防のために運動の後には乳製品を摂取してほしい」と述べている。
信州大学大学院医学系研究科・スポーツ医科学
信州大学バイオメディカル研究所

(Terahata)

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