一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

世界の3人に1人が肥満か過体重 世界規模で保健指導が必要

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム がん 健診・保健指導

 世界人口のおよそ3分の1に相当する22億人の成人と小児で、肥満や過体重に関連する健康上の障害が起こるおそれがあり、死亡率も高まっていることが、新しい研究で明らかになった。
世界の3人に1人が肥満か過体重
 1980~2015年に195の国と地域を対象に行われた今回の研究は、133ヵ国の2,300人以上の研究者が参加して行われている「世界の疾病負担研究」(GBD)のデータにもとづいている。

 詳細は、よりよい健康で持続可能な食糧システムの構築を目指す「EAT ストックホルム フード フォーラム」で発表され、医学誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に掲載された。

 「世界の3人に1人が肥満と過体重です。肥満の増加は、私たちが直ちに向き合わなければならない公衆衛生上の問題となっています」と、ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)のグローバルヘルス准教授であるアシュカン アフシン氏は述べている。

 「体重を適正にコントロールすることは、心臓病、2型糖尿病、がんなどの、命をおびやかす病気の危険性を遠ざけることにつながります。肥満や過体重を指摘されたら、食事や運動などで対策して、体重をコントロールすることを考えるべきです」と、アフシン氏は指摘している。
過体重の成人や子どもの数は22億人
 研究では、世界中で特にBMI(肥満指数)が25以上の過体重が増えていることが示された。欧米ではBMIが30以上であると肥満と判定される。

 過体重の成人や子どもの数は、全世界で2015年の時点で約22億人に上り、全人口の30%を占めている。また、全世界のBMIが30以上の肥満の人口は、小児で1億770万人、成人で6億370万人に上る。

 肥満率は1980年以降、70ヵ国で2倍に増えており、それ以外の国や地域でも継続的に増えている。小児の肥満率は成人よりも低いが、多くの国で小児肥満の増加率は成人よりも大きい。

 2015年には、肥満が関連する疾患により400万人が死亡し、全死因の7.1%を占めている。

 肥満や過体重が原因で死亡した人の約40%はBMIが肥満の閾値を下回っており、健康診断などで「肥満」と判定されず、適切な保健指導を受けていないという。

 肥満や過体重は、結腸直腸がん、肝臓がん、胆嚢がん、膵臓がん、乳がん、子宮がん、卵巣がん、腎臓がん、甲状腺がんの危険性を上昇させることも示された。
今後10年間で取り組むべき栄養指導の目標
 成人の肥満人口が最も多いのは米国で7,940万人、次いで中国が5,730万人に上る。

 人口の多い20ヵ国のうち、若者と小児の肥満率は、米国(13%)のような先進国で上昇しているが、途上国でも増えている。小児の肥満人口は、中国で1,530万人、インドで1,440万人に上る。

 国際連合が5月に発表した「今後10年間の栄養計画」では、2016~2025年に優先的に取り組む課題として、飢餓の根絶、栄養失調や栄養欠乏の撲滅に並んで、肥満や過体重の減少が目標に掲げられている。

 世界保健機関(WHO)は、今後10年間で取り組むべき栄養指導の目標として次の3つを掲げている。
1. 肥満の成人の増加を抑える(現状は成人の20.8%が肥満)
2. 成人の高カロリー飲料の消費を30%以上減らす
3. 野菜と果物を食べる成人の人口を17.8%増やす
肥満や過体重への対策はますます重要
 「肥満や過体重への対策は、世界の公衆衛生でますます重要になっています」と、IHMEのディレクターのクリストファー マレー氏は言う。

 国際連合食糧農業機関(FAO)とIHMEの間で、専門家が情報を交換し合い、肥満や過体重の「世界的な流行」について、世界規模で理解を深め対策していくことが必要だとしている。

 「今後10年間で、過体重や肥満への国ごとの対策について注目し、それを促すようFAOとも緊密に協力していく予定です。保健指導者、科学者、政策立案者などのステークホルダーと情報を交換し、科学的根拠にもとづいて過体重や肥満への効果的な対策を共有することを計画しています」と、マレー氏は言う。

New study finds more than 2 billion people overweight or obese(ワシントン大学保健指標評価研究所 2017年6月12日)
Health Effects of Overweight and Obesity in 195 Countries over 25 Years(ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン 2017年6月12日)
United Nations Decade of Action on Nutrition(世界保健機関)

(Terahata)

関連トピック

疾患 ▶ がん

2019年11月12日
AYA(思春期・若年成人)世代の女性の子宮頚がんや乳がんが増えている
2019年11月06日
「がんサバイバーのための運動ガイドライン」を発表 運動はがん患者の不安や苦痛を軽減する
2019年10月17日
体重を3%減らすだけで肥満症を改善 肥満解消のための実践的取組み 【日本肥満症予防協会セミナー・レポート】
2019年10月07日
「低脂肪食」が女性の健康に大きく貢献 糖尿病リスクが減少
2019年09月10日
健康的な生活スタイルが糖尿病による死亡リスクを56%低下 心疾患やがんが減少

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2019年11月22日
腸内細菌が内臓脂肪に影響 内臓脂肪の少ない人に多い菌が判明 健診のビッグデータを分析
2019年11月22日
ナッツが肥満や糖尿病のリスクを低下 ジャンクフードをナッツに置き換える食事法
2019年11月22日
保健指導で「食べる順番」に重点をおいた食事指導をすると減量効果が大きい
2019年11月22日
肥満・メタボの増加の原因は小児・若年期にある ユニセフ「世界子供白書2019」
2019年11月12日
11月14日は「世界糖尿病デー」 糖尿病の半分以上は予防できる

テーマ ▶ 健診・保健指導

2019年01月09日
大人のがん教育を始めよう がん患者の就労問題に取り組む企業を支援 がん対策推進企業アクション
2018年12月25日
【保健師対象イベント】参加募集中! 第8回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス「健康経営の視点での産業保健活動」
2018年11月25日
【保健師対象イベント】第7回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「職場巡視〜ありのままの現場を見られる産業保健師になる〜」
2018年11月14日
"防ごう、備えよう!低血糖―低血糖時のアクションプラン"公開 糖をはかる日
2018年10月19日
【健やか21】平成30年度「麻薬・覚醒剤乱用防止運動東京大会」(参加申し込み受付中)
全国生活習慣病予防月間
大正製薬 コバラサポート
尿酸値PR
新着ニュース
毎年2月は、全国生活習慣病予防月間
Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
乳がん治療と乳房再建の情報ファイル
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
大人の健康生活ガイド 30代以上の中高年者に関する健康情報を提供
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート
病気別BEST100サイト 知りたい病気の最新情報がすぐにわかる、病気サイトの百科事典