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ウォーキングで下半身を強くすると運動を続けやすい 「老化は足から」

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム 骨粗鬆症/ロコモティブシンドローム/サルコペニア 運動 抗加齢(アンチエイジング)

 運動を続けるために必要なことは、下半身を強くすることであることが研究で明らかになった。ウォーキングなどで下肢を丈夫にすることで、運動をさらに行いやすくなり、「ロコモティブシンドローム」の予防に役立つ。
下肢の筋力の低下が気になりませんか? 「老化は足から始まる」
 骨格に付いている「骨格筋」は、体重の約4割を占める体でもっとも大きな器官で、通常筋肉と称されるのは骨格筋のことだ。歳とともに骨格筋が衰えると、体の動きが悪くなる。このうち筋力・筋持久力と柔軟性・敏捷性に大きく関わっているのは下肢の筋肉だ。

 加齢に伴い、体の動きは徐々に衰えていく、体力・運動能力調査では、男女ともに体力は20〜30歳以降は徐々に低下する傾向が示されている。もちろんその低下傾向には個人差がある。

 「行動を起こし、持続する能力」である筋力・筋持久力と、「運動の目的に合わせて体の動きを調節する能力」である柔軟性・敏捷性については、50歳以降で急激に低下することが報告されている。

 50歳を過ぎると、下肢の低下率は、上肢に比べ3倍大きいという報告がある。「老化は足から始まる」と言われるが、まさにその通りだ。

 「つまずきやすくなった」「足が前に出なくなった」など、日常生活におけるちょっとした気付きは、下肢の筋肉の機能が低下してきたことが原因かもしれない。
ロコモにならないために日頃の取り組みが大切
 骨・関節・筋肉・神経などの運動器の障害のために移動機能の低下をきたしている状態が「ロコモティブシンドローム」(ロコモ、運動器症候群)。特に、立つ・歩くなど、移動に関する動作が障害された場合、寝たきりになるなど、自立度が低下し要介護となる危険性が高くなる。

 ロコモティブシンドロームは、突然になるものではなく、若い頃からの生活スタイルの積み重ねが影響する。

 筋肉を構成する筋繊維でみると、その数は80歳代では20歳代に比べ半減する。瞬発力に関わる筋肉である速筋繊維と、持久力に関わる筋肉である遅筋繊維を比較すると、繊維の数は加齢とともに減少し、1本の繊維の太さも年齢の影響を受け細くなっていく。

 ロコモにならず、健康な生活をおくるためには日頃の取り組みが大切だ。

筋肉の衰えを防ぐ効果的な方法
 筋肉の衰えを防ぐ効果的な方法は、体を動かして筋肉を使うこと。そして、衰えやすい下肢の筋肉を鍛えるためにもっとも効くのはウォーキングだ。

 まずは1日20分の活発なウォーキングを週に3日以上行うことから始めて、慣れてきたら時間と日数を増やしていくと、やがて下半身が変わっていく。早足で歩く、コースに階段や坂道を入れる、リズミカルに歩くなど、いろいろな歩き方を試してみると効果的だ。

 スポーツでは体幹を鍛えることが重要とされるが、体幹を鍛えるよりも下半身の筋力トレーニングの方が実は効果がある。体幹は家にたとえると大黒柱になるが、下半身はそれを支える基礎となる。

 ウォーキングに足踏み体操や軽いスクワットなどの筋力トレーニングを組み合わせると、歩行能力の改善に加え、下肢のむくみを改善させ、動きやすい体へと変化していく。
筋力トレーニングを加えると効果的
 肥満や過体重の人が減量するためには、ウォーキングなどの有酸素運動を行うのが基本だが、さらに筋力トレーニングを加えると効果的だ。筋肉が増えることで基礎代謝が上がり、消費エネルギー量を増やせる。年齢を重ねても筋肉を増やすことができる。

 下半身の運動や筋力トレーニングを続けて自分の体をしっかり支えられるようになれば、つまずいたときなどにも体を支え、転びにくくなる。下半身の運動は、運動能力アップのためにも欠かせない。

 運動とともに、ロコモ予防で重要になるのがタンパク質の摂取だ。運動をするときには、肉・魚・豆類などタンパク質が豊富な食品を摂ることが勧められる。
米国脳卒中協会は下半身の筋力の低下を防ぐために
「スクワット」を日常生活に取り入れることを勧めている


運動習慣を継続するために「下肢筋力」が必要
 2型糖尿病の人が運動習慣を継続するには「下肢筋力値を高めといくこと」が必要であることが、関西福祉科学大学リハビリテーション学科の野村卓生氏らの研究で分かった。詳細は医学誌「Journal of Diabetes Investigation」オンライン版に発表された。

 運動療法が必要であると分かっていても、続けるのを困難に感じている2型糖尿病の人は多い。運動を継続できない原因として、「忙しくて時間をとれない」「運動に伴う疲労感や痛み」「運動を指導する専門家が不足している」ことが挙げられるが、

 野村氏らは今回、「下肢の筋力」の影響に着目し、2型糖尿病患者を対象に、定期的な運動の継続状況と下肢筋力との関係を調査した。

 対象は、2型糖尿病患者の下肢筋力の参考基準値の確立を目的とした横断観察研究「MUSCLE-std」(Multicenter Survey of the Isometric Lower-extremity Strength in Type 2 Diabetes)の解析対象となった30〜87歳の1,442人。
1,442人の糖尿病患者を調査
 研究チームは、対象患者を継続的な運動習慣(30分以上の運動を週2回以上、6ヵ月以上継続)の有無で分けて、男女別に太腿の最大筋力を示す等尺性膝伸展筋力との関連を調べた。

 その結果、運動習慣がない群に比べて運動を継続している群では年齢と膝伸展筋力値が高いことが明らかになった。膝伸展筋力値を四分位で比較した解析では、筋力水準が高いほど運動習慣者の割合が多くなった。

 性別にかかわらず膝伸展筋力値が高いことは運動の継続に影響を及ぼすことが示された。研究者は「筋力と運動習慣には双方向の関係があり、下肢筋力のより高い水準が運動を習慣化させるのに重要となる」という見解を述べている。

MUSCLE-std(筋力の標準化) Multicenter survey
Regular exercise behavior is related to lower extremity muscle strength in patients with type 2 diabetes: data from the MUSCLE-std study(Journal of Diabetes Investigation 2017年6月14日)

(Terahata)

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