一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

アルコールの飲み過ぎが「認知症」の原因に リスクが3倍以上に上昇

キーワード: 二少(少食・少酒) 一無・二少・三多 「少酒」お酒はほどほどに 認知症 飲酒

 アルコールの飲み過ぎは、あらゆる種類の認知症、特に早期認知症のもっとも重要な危険因子であることが、3,000万人以上を対象とした大規模調査で明らかになった。
 「健診でアルコール障害を早期に発見し介入することで、認知症を減らせる可能性があります」と、研究者は指摘している。
アルコール障害が認知症リスクを3倍以上に上昇させる
 研究チームは2008〜2013年に、フランスの3,162万4156人の医療記録を解析した。期間中に110万9,343人が認知症と診断された。

 その結果、「アルコール使用障害」(AUD)は、あらゆるタイプの認知症、特に早期発症型認知症の発症のもっとも重要な危険因子であることが明らかになった。

 アルコール使用障害は、あらゆる種類の認知症のリスクを、男性で3.4倍に、女性で3.3倍にそれぞれ上昇させるという。

 また、全体の5.2%にあたる5万7,353人が65歳以前に発症する早期認知症と診断された。認知症全体では女性の発症が多かったが、早期認知症に限ると3分の2(64.9%)が男性だった。

 早期認知症と診断された患者の半分以上が、アルコールの飲み過ぎと関連していることも判明した。
アルコールが原因の認知症は予防が可能
 世界保健機関(WHO)は、慢性的な大量飲酒をアルコール換算で、男性の場合は1日当たり60グラム以上、女性の場合は40グラム以上と定義している。

 アルコール10グラムは、ビールでは250mL(ロング缶の半分)、ウィスキーでは30mL(シングル1杯)、ワインでは100mL(グラス1杯弱)に相当する。

 「アルコールの飲み過ぎが認知症のもっとも重要な危険因子であることが明らかになりました。特に早期認知症は死亡リスクが高く、飲酒と関連が深いことも分かりました」と、世界保健機関(WHO)とともに調査をしているカナダ精神衛生・依存症センター(CAMH)の精神・保健政策部のユルゲン レーム氏は言う。

 20歳以上の成人がアルコール依存症になると、平均余命が短縮するという報告がある。認知症が主要な死因となっている可能性がある。

 「アルコールがもたらす脳のダメージと認知症は予防が可能です。アルコールをコントロールすることで認知症の発症をくい止められる可能性があります」と、レーム氏は強調する。
健診でアルコール障害を早期発見 指導介入を
 喫煙習慣、高血圧、糖尿病、うつ病、難聴などがあると、アルコールによる健康障害が増える傾向も示された。これらはすべて認知症の危険因子でもある。アルコールによる健康障害は多面的に、認知症の発症リスクを上昇させるとみられている。

 「精神科医として高齢者を診療していると、実際に認知症患者にはアルコール使用障害が多いことに気付かされます。認知症の予防の観点からみると、アルコールによる健康障害を改善する介入が遅れるケースが多いのは残念なことです」と、CAMHの副理事長のブルース ポロック氏は言う。

 「定期的な健康診断で飲酒状況をスクリーニングして、慢性的な大量飲酒を早期発見し、アルコール使用障害を治療することを、早期プライマリケアで開始する必要があります」と、ポロック氏は指摘している。

 今回の研究では、アルコール依存症のもっとも重篤な症例である入院を伴う治療のみを対象としていたが、アルコール依存は不名誉なことなので、現実には隠れて飲んでいる患者も多いとみられる。アルコールの飲み過ぎと認知症の関連は、実際にはさらに強くなる可能性があるという。

 研究は、公衆衛生についての医学誌「ランセット パブリック ヘルス」に発表された。

Largest study of its kind finds alcohol use biggest risk factor for dementia(カナダ精神衛生・依存症センター 2018年2月20日)
Contribution of alcohol use disorders to the burden of dementia in France 2008-13: a nationwide retrospective cohort study(Lancet Public Health 2018年2月20日)

(Terahata)

関連トピック

疾患 ▶ 認知症

2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年09月12日
認知症患者を介護する家族は睡眠不足になりやすい 睡眠は保健指導で改善できる
2019年09月05日
女性の認知症を防ぐために 女性ホルモンの分泌期間が短いと認知症リスクは上昇
2019年08月29日
糖尿病が認知症リスクを上昇させる がんを合併するとリスクはさらに上昇 日本人を調査
2019年08月28日
中年期の肥満やメタボが脳の老化を10年以上早める 肥満は脳にも影響

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年12月02日
がん患者の食事の悩みを解消するサイトを公開 料理教室と連携しレシピを作成 国立がん研究センター
2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開

生活習慣 ▶ 飲酒

2019年04月22日
糖尿病の人は「アルコール」に注意 連休に飲み過ぎないための7つの対策
2018年12月13日
糖尿病の人は「アルコール」に注意 年末年始に飲み過ぎないための6つの対策
2018年08月30日
「アルコール」は健康に悪い? 総合的にみて安全な飲酒量はないと結論
2018年05月02日
糖尿病の原因は「酸化ストレス」 肝臓の脂肪蓄積を防ぐ治療
2018年04月24日
「2時間の飲み会」の危険 アルコールのイッキ飲み・アルハラを防止

一無・二少・三多 ▶ 「少酒」お酒はほどほどに

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年11月12日
日本高血圧学会が「台風19号により被害を受けられた皆さまへ」を公表
2019年10月04日
遺伝性の脂質異常症「家族性高コレステロール血症」 若いうちからLDL-Cが上昇
2019年03月12日
アルコールががんや生活習慣病を引き起こす「少酒の勧め」 動画を公開
2019年02月19日
アルコールががんや生活習慣病を引き起こす「少酒の勧め」 全国生活習慣病予防月間2019 公開講演会 レポート

 ▶ 一無・二少・三多

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年12月02日
がん患者の食事の悩みを解消するサイトを公開 料理教室と連携しレシピを作成 国立がん研究センター
2019年12月02日
インフルエンザシーズン到来にそなえて 感染前の最後の砦「のどバリア」を高める習慣とは
2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
全国生活習慣病予防月間
大正製薬 コバラサポート
尿酸値PR
新着ニュース
毎年2月は、全国生活習慣病予防月間
Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
乳がん治療と乳房再建の情報ファイル
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
大人の健康生活ガイド 30代以上の中高年者に関する健康情報を提供
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート
病気別BEST100サイト 知りたい病気の最新情報がすぐにわかる、病気サイトの百科事典