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「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明

キーワード: 認知症

 「プロポリス」に、高齢者の認知機能の低下や全身性炎症を改善する効果があることが、九州大学や中国の研究機関の国際研究グループによって明らかにされた。
「プロポリス」に認知機能の低下や炎症を低減する効果
 「プロポリス」は、ミツバチが木の芽や蕾、花粉、樹液などから集めた樹脂製混合物。多種類のフラノボイドなどが含まれており、抗炎症作用や抗酸化作用があるとされている。

 一方、アルツハイマー病の患者数は増加しており、介護や医療費負担が急増している。認知症は加齢によって有病率が高くなり、「慢性全身性炎症」が発症に関連することが知られている。認知症の60〜70%を占めるアルツハイマー病には根本的な治療法がない。

 アルツハイマー病では、脳・脊髄にあり免疫機能を担うグリア細胞の一種である「ミクログリア」が活性化し、これによる脳炎症が神経細胞損傷や老人斑のアミロイドβの沈着を促進し、認知機能を低下させると考えられている。

 慢性全身性炎症は、臨床研究では認知機能を低下させることが明らかになっており、動物実験では年齢依存性の脳炎症を誘発することが示されている。全身性炎症の症状を低減することが、アルツハイマー病の予防策となる可能性がある。

 九州大学や中国の研究機関の国際研究グループは、「プロポリス」に、高齢者の認知機能の低下や全身性炎症を低減する効果があることを、7年間にわたる研究で突き止めた。
中国チベット高原の高齢者を対象に比較対照試験
 研究グループは、ミツバチが植物源から集めた樹脂製混合物であるプロポリスが歯周病菌の毒素による単球/マクロファージおよびミクログリアから炎症性因子産生を抑制すること、酸化ストレスによる神経細胞障害を保護することを、これまでの研究で確かめている。

 今回の研究では、中国チベット高原(海抜2,300メートル以上)に住む健常な高齢者を対象に、プロポリスの認知機能ならびに全身性炎症への効果の検証を実施した。高齢者の認知機能は低酸素の環境に住んでいると著しく低下するため、こうした環境に住む高齢者を対象に選んだ。

 研究グループは、60人の参加者(平均72.8歳)をいずれも経口投与で、プロポリスを摂取する群(0.83g、n=30)と、プラセボを摂取する群(n=30)の2群に分け、MMSE(Mini Mental State Examination)を用いて認識機能を、血清中のIL-1βやTGFβ1などの因子を用いて全身性炎症を評価した。

 その結果、プロポリス投与群では、プラセボ群と比較して、MMSEスコアを有意に改善し、血清中IL-1βおよびIL-6の量は有意に低下し、TGFβ1の量は有意に上昇した。さらにMMSEスコアは、IL-1βの減少および血清中のTGFβ1の増加と相関した。

 一方で、プラセボを服用した高齢者は24ヵ月で認識機能が低下し、血清中IL-1βおよびIL-6の量は有意に上昇し、TGFβ1の量は有意に低下した。
「プロポリス」の認知症の予防効果は期待できる
 今回の研究により、アジア系高齢者における全身性炎症の悪化に伴い認識機能が低下すること、12ヵ月以上のプロポリスの摂取が全身性炎症を低下させるとともに認知の低下を防ぐ可能性が示された。

 この研究は、九州大学大学院歯学研究院の武洲准教授と倪軍軍助教の研究グループと、中国・青海省人民病院の朱愛琴教授、呉世政教授との共同研究によるもので、国際学術誌「Journal of Alzheimer's disease」オンライン版に発表された。

 「継続が力になり、7年間にわたる天然物質であるプロポリスを用いた細胞レベルの研究成果がヒトで実証された。持続的なプロポリスの摂取も認知症の予防に期待できそうだ」と、武洲准教授は述べている。
九州大学大学院歯学研究院
Brazilian Green Propolis Prevents Cognitive Decline into Mild Cognitive Impairment in Elderly People Living at High Altitude(Journal of Alzheimer's Disease 2018年4月4日)

(Terahata)

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