2018年07月31日
熱中症予防に関する緊急提言 小児や高齢者など「熱中症弱者」に注意を
キーワード: 疾患 「多動」身体を活発に動かす 「多休」休養をしっかりとる 「多接」多様なつながり

日本救急医学会の熱中症に関する委員会(委員長:清水敬樹・東京都立多摩総合医療センター救命救急センター)は、熱中症患者の増加を受け、「熱中症予防に関する緊急提言」を発表した。
小児や高齢者、持病のある人は「熱中症弱者」
「熱中症予防に関する緊急提言」では、4つの緊急提言を発表。
- 暑さ指数(WBGT)を意識した生活を心がけ、運動や作業中止の適切な判断を!
- 水分をこまめに取ること。おかしいなと思ったらすぐ涼しい場所に誘導を!
- 適切な重症度判断と応急処置を。見守りつつ改善がなければすぐ医療機関へ!
- 周囲にいるもの同士が、お互いに注意をし合う!
・ 小児では汗腺の発達や自律神経が未熟で、高齢者や持病のある方は自律神経の機能が低下しており、体温調節機能が弱い。
・ 高齢者では全身に占める水分の割合が低く、容易に脱水になりやすい。脱水になると発汗の機能が低下し、体温調整が困難となる。
・ 小児では身長が低いため、地面からの輻射熱の影響を受けやすい。
・ 自分で予防する能力が乏しい。
暑さ指数を意識した生活指導が必須
WBGTとは、熱中症が起きやすい外的環境を知るための指標で、気温だけでなく、湿度や輻射熱を考慮した判断が可能になる。その内訳は気温:湿度:輻射熱が1:7:2であることから、気温だけでなく、湿度や輻射熱をも考慮した判断が可能になる。
気温だけでなく、この暑さ指数を意識した生活指導が必須であり、これを用いた屋外活動の可否判断が重要だ。
WBGTが21度以上では熱中症による死亡事故が発生する可能性があり、運動の合間に積極的に水分補給が必要。28度以上では、激しい運動や持久走などの体温が上昇しやすい運動は避け、31度以上では、運動は原則中止するのが望ましいとしている。小児の場合は、さらに厳格な対応が必要となる。
屋外活動や運動をする場合は、20〜30分程度の間隔での頻繁な水分・塩分補給と休憩を行った上で実施するべきだとしている。

小児の場合は迅速なアクションが大切

熱中症を疑ったときには何をするべきか

熱中症環境保健マニュアル2018(環境省)
(Terahata)