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サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動

キーワード: 骨粗鬆症/ロコモティブシンドローム/サルコペニア セルフケア 身体活動・運動不足

 サッカーが糖尿病を予防するための最適な運動であるという研究が発表された。
 ふだん運動をしていない高齢の男女でも、サッカーをプレイすることで、身体能力が向上し、骨密度も改善し骨粗鬆症の予防にもつながるという。
糖尿病の人や予備群は骨粗鬆症になりやすい
 サッカーは欧州を中心に人気のあるスポーツで、ルールが単純なので参加しやすく、社会的な相互交流の要素も含んでいる。

 一方で、骨の量が減って骨がもろくなり、わずかな衝撃でも簡単に骨折してしまうのが骨粗鬆症だ。2型糖尿病の人や糖尿病予備群は、骨粗鬆症のリスクが高い。

 とくに高齢者は骨密度が低下しやすく、骨折リスクを低下させるのは容易ではない。

 しかし、「サッカーには、運動や心臓の能力を向上させる効果に加えて、骨を丈夫する効果がある。転倒や骨折のリスクを抑えられる」という研究を、デンマークの南デンマーク大学とフェロー諸島大学の共同研究チームが発表した。

 プロスポーツとしてのサッカーは常に走り続ける激しいスポーツという印象があるが、アマチュア選手のサッカーでは、通常の歩行をする時間も多く、適度なインターバル運動になるという。

 運動で負荷をかけると骨が強くなり、骨密度が増加する。骨を守るために効果的なのは、衝撃や負荷の大きい運動だ。サッカーは骨に適度に刺激を与える運動になる。

関連情報
サッカーは糖尿病を予防する運動として最適
 サッカーにはダッシュや急停止、ターン、ドリブル、パス、シュートなど多様な運動の要素が含まれる。

 「サッカーは激しいスポーツであるというイメージがありますが、工夫することで適度なインターバル運動になります」と、南デンマーク大学スポーツ・健康科学部のピーター クラストラップ教授は言う。

 「サッカーは、適度な強度や耐久性を向上できる多目的スポーツで、糖尿病予防のための運動としても適しています」と強調している。

 また、運動を続ける上で障害になるのは、運動を安全に行うことに加えて、運動を続けられるよう動機付けを与えることだという。

 サッカーは欧州で老若男女に人気のあるスポーツで、馴染みが深く、また今回の研究では運動経験のない人に限定したため、体力差が少なく、参加者は均質にスポーツに参加することができたという。

 「研究の参加者の多くは、サッカーを続けることで満足度が高まることが示されました。運動をすること自体が動機になるのは強みです。楽しく運動をできる環境であれば、運動は長続きします」と、クラストラップ教授は言う。
16週間のサッカーで骨が丈夫に
 研究には、男性25人、女性25人の計50人が参加。参加者は55〜70歳で運動経験がなく体力が低下しており、糖尿病予備群と判定され、肥満もみられた。4分の3が骨が弱く、骨粗鬆症の予備群と判定された。

 通常であれば運動を始める際に注意が必要となるが、指導者によるアドバイスを受けながら、16週間のサッカー運動を続けた結果、すべてのパラメータが改善した。

 サッカー運動に参加した患者たちは、念入りにウォームアップを行った後で、ペアを組んで、狭いピッチでシュート練習、パス練習などの反復運動を行った。走ることを求めず、無理のない運動を続けるようアドバイスした。

 異なる波長の放射線を用いて対象をスキャンし骨密度を測定するDXA法で骨の状態を調べたところ、研究の開始前に、参加者の73%が大腿骨減少症と判定され、24%が大腿骨の骨粗鬆症と判定された。

 参加者は食事療法のガイダンスを受けながら、1回30〜60分間のサッカーのトレーニングを週に2回行った。試験は16週間行われ、サッカーのトレーニングの時間は30分から始められ、セッションが進むにつけ時間を延ばし、後半の10週間には60分間に延長された。

 16週間のサッカーのトレーニングの後は、骨ミネラル含量が大腿骨頸部で3.2%、大腿骨軸で2.5%、それぞれ向上し、骨ミネラル含量は32g増えた。血中の「オステオカルシン」は23%増えていた。

 オステオカルシンは骨が分泌する代表的な「エクソソーム(メッセージ物質)」。骨芽細胞で作られ、骨形成などと密接な関係がある。オステオカルシンがインスリンの分泌を促し、細胞のインスリン感受性を高めるという報告もある。
サッカーは体力の低下した高齢者にも勧められる
 2型糖尿病や骨粗鬆症のリスクの高い60〜70歳の高齢者が、サッカーで運動をするというアイデアは新しい。

 サッカーには、体力の低下した70歳以上の高齢者や、身体能力の低下した人、骨が弱くなっている人には向いていないというイメージがあるが、今回の研究はそれを覆すものだ。

 「実際にはコンディションの整った屋内の運動場で行うと、サッカーには優れたトレーニング効果があることが分かりました」と、スウェーデンのヨーテボリ大学栄養・運動科学部のマーニ モール氏は言う。

 「今回の研究は、参加者の離脱率がとても低かったのが特徴で、参加者は互いに良好な関係を築いて、集団で楽しみながらサッカーによるフィットネスを続けていました」。

 「サッカーに始めるのに、歳をとりすぎている、ということはありません。ただし、過度の運動はかえって身体的な障害を高めるおそれがあるので、無理をしないことが大切です。会話ができるくらいのペースで、社会的な交流を高めながらサッカーを行うと効果的です」と、モール氏はアドバイスしている。

 サッカーにより心肺機能と筋力が向上すると、階段を登る、買い物をする、自転車に乗る、ガーデニングなどの日常的な身体活動も容易にできるようになる。こうした身体能力の向上が生活の質を改善していく。生活の質を改善することで、要介護のリスクが低下すると考えられている。

 研究の詳細は、医学誌「Scandinavian Journal of Medicine」と「Science in Sports」に発表された。

55- to 70-year-old women and men with prediabetes get stronger bones with football training(南デンマーク大学健康科学学部 2018年7月27日)
Osteogenic impact of football training in 55- to 70-year-old women and men with prediabetes(Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports 2018年7月26日)
Football is Medicine(Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports)

(Terahata)

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