一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

全身持久力を向上させ高血圧を予防 「身体活動基準2013」で検討

キーワード: セルフケア 身体活動・運動不足

 厚生労働省が2013年に策定した「健康づくりのための身体活動基準2013」で設定されている全身持久力の基準を6年間で3回以上達成していると、20年後に高血圧を発症するリスクが低下することが、東北大学の研究で明らかになった。
 ウォーキングやジョギングなどで全身持久力を高く保つことが効果的であることがあらためて示された。
高血圧による社会的負担は大きい
 高血圧の総患者数は2014年時点で1,010万人を超える。治療や管理では患者に負担がかかり、高血圧による社会的負担も大きい。高血圧を予防することが重要なポイントだ。

 全身持久力とは長時間、一定の強度の運動を続けることができる能力のこと。

 高血圧を予防するために、ウォーキングなどの運動によって全身持久力を高く保つことが有効だと考えられている。

 厚生労働省が2013年に策定した「健康づくりのための身体活動基準2013」では全身持久力の基準が示されているが、どの程度の全身持久力を、どのくらいの期間、高く保つ必要があるのかは不明だった。

関連情報
全身持久力の基準を達成すると高血圧リスクが21%低下
 そこで研究グループは、全身持久力を測定した男性を最大23年間追跡して、厚生労働省が「健康づくりのための身体活動基準2013」で設定している全身持久力の基準の達成回数によって、高血圧の発症リスクがどう異なるかを検討した。

 対象となったのは、追跡開始時点およびそれ以前に全身持久力を測定した高血圧ではない男性6,653人。

 その結果、追跡開始時に基準を達成していたグループは、達成していなかったグループと比較して、高血圧の発症リスクが21%ほど低下することが示された。

 また、追跡開始以前の6年間における基準達成回数(年に1回測定)を算出し、高血圧の発症リスクを比較した(0回〜7回)。

 基準の達成回数が多ければ多いほど、高血圧の発症リスクは低い値を示した。さらに、基準を達成した回数が3回以上になると、高血圧の発症リスクに明確な違いが認められるようになったという。
全身持久力は有酸素運動で高められる
 「全身持久力」体力を構成する要素のひとつで、持久力やスタミナなどと呼ばれている。ジョギングやウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動によって高めることができる。新体力テストではシャトルランニングが全身持久力の測定項目となっている。

 「『健康づくりのための身体活動基準2013』を運動指導に役立てるのは効果的だ。この基準でで定められている全身持久力の基準を継続的に達成することが高血圧の予防につながる。具体的には、6年間で3回程度達成するのが目安となる」と、研究グループは述べている。

 研究では、高血圧などの生活習慣病を予防するために、運動で全身持久力を向上させることが有効なことがあらためて確かめられた。保健指導などの現場で役立つ重要な成果だ。

 研究は、東北大学大学院医学系研究科の門間陽樹講師と同大学院医工学研究の永富良一教授(兼・大学院医学系研究科)が、東京ガスおよび医薬基盤・健康・栄養研究所と共同で行ったもの。詳細は医学誌「Journal of Hypertension」(電子版)に掲載された。

東北大学大学院医学系研究科
健康づくりのための身体活動基準2013(厚生労働省)
Frequency of achieving a 'fit' cardiorespiratory fitness level and hypertension: a cohort study(Journal of Hypertension 2018年9月17日)
[Terahata]

関連トピック

テーマ ▶ セルフケア

2020年10月30日
【健やか21】4人に1人は食習慣・運動習慣を「改善するつもりはない」
2019年09月12日
認知症患者を介護する家族は睡眠不足になりやすい 睡眠は保健指導で改善できる
2019年08月23日
「ワークライフバランス」の改善の効果 生活満足度は女性より男性で改善 34ヵ国を比較
2019年07月31日
「口から食べる」ことが健康維持に役立つ よく噛むとホルモン分泌が増える
2019年06月24日
座ったままの生活で死亡リスクは上昇 「1日30分、体を動かそう」

生活習慣 ▶ 身体活動・運動不足

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に
2020年12月24日
【新型コロナ】医療機関の受診控えで健康リスクが上昇 日本医師会は安心マークを発行「感染防止を徹底しているから、安心して来て」
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】新型コロナとインフルの同時流行に備えて 発熱したら電話で「かかりつけ医」に相談 上手な医療のかかり方プロジェクト
全国生活習慣病予防月間
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート