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糖尿病の「冷え」を6つの改善策で克服 動脈硬化が隠れていることも

キーワード: 糖尿病 セルフケア 運動 食事

 寒い冬につらさが増す「冷え性」。適切に対処せずに我慢していると、さまざまな症状や病気を引き起こすことがある。衣食住を中心に生活習慣を改善すれば、冷え性を予防・改善できる。
手足の冷えやむくみの原因
 冷え性には、「入浴後すぐに手足が冷える」「手足が冷えて眠れない」「体が温まりにくい」などの症状がある。冷えだけでなく、むくみ、腹痛、頭痛、抑うつ感、女性では生理不順など、さまざまな体や精神面のトラブルを伴うことがあり、切実な問題となる。

 米国のクリーブランド医療センターによると、冷え性は男性と女性の両方で起こるが、とくに女性で深刻化しやすい。その理由は、一般に男性より女性のほうが筋肉量が少ないこと、月経・出産・閉経などに伴ってホルモンのバランスが崩れやすいことなどがあげられる。

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冷え性を克服するための6つの改善策
 寒さを感じると体内の熱を外に逃がさないように末梢の血管が収縮し、体が緊張状態になり、冷えにつながる。次に、血行が悪いと体内の熱を末端までうまく運べず、手足に冷えを感じるようになる。また、筋肉の量が少ない人は体内で十分な熱がつくられず、体の芯から冷えを感じるようになる。

1 栄養バランスの良い食事

 体には37度より低い温度の飲食物を摂取すると体熱放散を少なくし体温を上げ、37度より高い温度の飲食物を摂取すると、皮膚表面の血管を拡張させ体熱放散を増やし、体温をもとに戻す仕組みが備わっている。

 こうした体温の恒常性を保つメカニズムを良好に維持するために、栄養バランスの良い食事が必要だ。

 体を冷やす食品を控え、体を温める食品を積極的にとると冷え性を解消できるという考え方があるが、実際には冷えをすぐに解消できる食品はない。

 例えば体を温める食材として知られるトウガラシは、その主成分である力プサイシンが体温を上げる作用をもつ。しかし、トウガラシを含むカレーなどを食べて一時的に体温が上昇しても、発汗により体温が下がってしまう。

 また、体を温めるといわれているショウガは、成分にジンゲロールを多く含み温感を高め血流を増加させるが、その働きは一時的なもので大量に摂取しても冷え性は改善しない。

 特定の食品にこだわらず食事全体の栄養バランスを整えることが、冷え性を解消するために効果的だ。例えば野菜や果物は葉・茎・皮など丸ごと食べると、その食材がもつ栄養素を無駄なくとれる。

 ただし、冷たい食品や飲料を大量にとると、内臓が冷やされ一時的に胃腸障害が起きることがあるので気を付けよう。

2 温度差を調整しやすい衣類の選び方

 スカートやストッキングなどの女性の衣類の多くは保温性が低く、薄着も多いので冷えやすい。

 指先やつま先などの体の末端が冷える人は、靴下を重ねて保温したりカイロで温めても、全身の交感神経の緊張がゆるまず血管が広がらないため冷え性は改善しにくい。体の中心(体幹)の熱を手足に届ける工夫が必要となる。

 下着は腕・胸・背中・お腹を覆う面積の広いものを着用して体幹部の深部を温めると、熱放散が増え交感神経の緊張がゆるみ、体の末端である手足への血流も増え温かくなる。

 ただし、厚着をしすぎると汗をかきやすくなり、体を圧迫して血流が悪くなる場合もあるのでご注意を。低温には重ね着で対応すると温度差を調整しやすい。

 皮膚に直接触れる下着など衣類は、吸湿性が良く乾燥しやすい素材のものを使うと体が温まりやすい。吸湿性は良いが乾燥しにくく汗が冷えやすい綿などの素材は冷え性の対策に向いていない。

 最近は保温や速乾といった機能性のあるインナーも出ているので、上手に利用すると良い。

3 生活に運動を取り入れて筋肉を鍛える

 冷えの原因は「筋肉量が少なく、体の熱を多くつくることができない」「血流が悪いため熱をうまく運べない」こと。

 体の熱の約6割は筋肉によってつくられるため、背中・お腹・お尻・太股などの大きな筋肉を鍛えると、冷え性を改善できる。また、血液を心臓に戻すポンプのような働きをしているふくらはぎの筋肉を鍛えると、効果的に血流を改善できる。

 運動を続けると体の代謝が向上し、自立神経バランスが整えられ、筋肉のこりを解消する効果も得られる。

 「冷え性だから」と諦めず、生活に運動を取り入れて筋肉を鍛え、冷えない体づくりに取り組もう。

 歩幅を拡げて歩くウォーキングを1日30分、毎日行うと足腰の筋力を強化でき、下肢の静脈の流れを改善できる。

4 タンパク質を十分にとる

 食事で摂取したエネルギーのおよそ8割は熱になるが、食事の量が少ない場合や、胃腸が虚弱で栄養吸収が悪い場合は、熱産生が不足して体温が低下しやすい。

 栄養素によりカロリーは異なるが、食品の1g当たりのカロリーは、脂肪が9kcal、タンパク質が4kcal、炭水化物が4kcalとなっている。このうち熱として消費される量を示す「食事誘発性産熱量」がもっとも多いのはタンパク質だ。

 タンパク質は、脱アミノ反応やアミノ基から尿素を生成する反応の過程で運動とは関係なく熱を産生する。これに対し、炭水化物は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられ、筋肉を動かすとグリコーゲンが産熱する。

 このため、炭水化物の摂取の多い人は体を動かすと熱が発生し、運動量の少ない人ではタンパク質の摂取量を増やすと熱が発生しやすくなる。

 タンパク質は、肉・魚・卵・牛乳などに多く含まれる「動物性タンパク質」と、大豆や穀物などに多く含まれる「植物性タンパク質」に分けられる。両方をバランス良く摂ることが大切だ。なお肉を食べるときには、脂肪分の少ない赤身の肉が勧められる。

5 長時間の入浴は逆効果

 入浴は体を温めるのに効果的だ。半身浴だけだと、冬には上半身が温まりにくく、肩や首のこりも改善しにくいため、全身浴が勧められる。

 一般的に冷え性には湯温40〜42度の全身浴が良いとされている。全身浴はただ体を温めるだけでなく、筋肉のこりをほぐし、体の細胞が熱にさらされると増える熱ショックタンパク質による体の修復作用も期待できる。

 ただし、入浴が長時間続くとのぼせるため、湯船に肩まで浸かるのは5分間まで、全体は10分を目安にすると安全だ。入浴しながらの足のストレッチも効果がある。

6 アルコールを飲み過ぎない

 アルコールには体を温めると思われがちだが、冷たいビールも燗をした日本酒でも、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドが血管を拡張させるため、皮膚から熱が大量に放散される。

 そのため、お酒を飲み過ぎると体温が低下しやすくなる。飲み過ぎにはくれぐれも注意したい。
深刻な病気が隠れている場合も
 足の「冷え」などの症状に、実は足の血液の流れの低下が関係している場合がある。

 冬に多い足の悩みは「冷え」「かかとのヒビ割れ」「むくみ」「足全体の乾燥」などだ。「冷え性で布団に入っても足が温まらず眠れない」「慣れない靴を履くとすぐに靴擦れを起こす」「部屋が臭うなと思ったら、自分の足の臭いだったことがある」といった声も聞かれる。

 足先からしびれや痛み、冷感などがあり、なかなか改善しない場合には、深刻な病気が隠れているケースもあるので、注意が必要となる。治療法は進歩しているので、まずは検査を受けることが大切だ。
足の血管の動脈硬化が原因で症状が
 足の動脈の病気で多いのが、動脈が途中で狭くなったり詰まってしまう動脈硬化によって、酸素不足や栄養不足を起こす「末梢動脈疾患(PAD)」だ。

 「血管は酸素を運んでいく重要なルートです。末梢動脈疾患(PAD)は、足の血管に動脈硬化が起こり、血管が細くなったり、詰まったりして、足に十分な血液が流れなくなることで発症する病気です」と、クリーブランド医療センターのナタリー エヴァン氏は言う。

 下半身に向かう動脈は、骨盤の部分で枝分かれし、太もも・ふくらはぎを通って、足の指先に向かって血液を送っている。このふくらはぎ、太もも、骨盤の中を通る太い血管そのものが狭くなったり詰まったりすると、血液が十分には流れず、酸素不足、栄養不足となる。

 PADの症状としては、ます冷感やしびれが起こり、やがて「間欠性跛行」(しばらく歩くと痛みが出る、休むとまた歩ける、という症状)があらわれ、それが進行すると安静時にも疼痛が起こるようになる。
足の症状が改善しなければ医師に相談
 「足の冷えや痛みがなかなか改善しないときには、PADを疑ってみる必要があります。足に酸素や栄養がいきわたらないと血流が途絶えた部分が壊死してしまうおれそがあります。さらに、足に動脈硬化がある場合は、心臓や脳の血管にも動脈硬化が進行している危険性もあるのです」と、エヴァン氏は言う。

 なお、糖尿病のある人では、足の冷えや痛みは、神経障害が原因である場合もあるので注意が必要だ。

 糖尿病神経障害の症状はさまざまだが、手足の痛みを訴える患者も多い。糖尿病による神経障害は、高血糖による神経細胞の変化と、動脈硬化による神経細胞への血流不足から生じる。

 そのため神経障害を予防するために、血糖コントロールと動脈硬化予防の両方を行うことが重要となる。

 PADの治療は進歩している。PADを重症化させず、また、合併症を防ぐためには、早期発見・早期治療が重要だ。足の症状がなかなか改善しない場合には、かかりつけの医師に相談しよう。

How to Get Your Body Ready for Exercise in Cold Weather(クリーブランド医療センター 2016年10月28日)
My Hands and Feet Are Always Cold — Should I Worry?(クリーブランド医療センター 2016年2月5日)
Hot and cold of growing old(ペンシルベニア州立大学 2016年7月26)
「PAD」(末梢動脈性疾患)(米国糖尿病学会 2014年9月24日)

(Terahata)

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