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健康寿命を2040年までに3年以上延伸 日本には健康寿命を延ばす余力がある 厚労省研究会が報告書

キーワード: 一無・二少・三多 セルフケア

 厚生労働省の有識者研究会は、2040年までに健康寿命を3年以上延伸することなどをまとめた報告書を公表した。
 目標達成のために「不健康割合」を大幅に抑える必要がある。女性の健康リスクの低減も大きな課題になっている。
2040年までに健康寿命を3年以上延伸
 厚生労働省は、健康寿命に関する延伸目標や課題などを検討する「健康寿命のあり方に関する有識者研究会」(座長:辻一郎・東北大学大学院医学系研究科教授)の報告書を公表した。

 同研究会は、政府の「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」の下に設置されたもの。

 健康寿命を伸ばして持続的な社会保障制度を構築するための施策をもりこんだ「健康寿命延伸プラン」が今夏をメドに策定される予定であることをふまえ、研究会は昨年末から今年2月にかけて検討を重ねた。

 国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」では、2016年と比べ、平均寿命が40年までに男性で2.29年、女性で2.5年延伸すると予測している。

 研究会は、新たな健康寿命の延伸目標として、「2016年から2040年までに健康寿命を3年以上延伸する」という目標を提案した。具体的に男性75.14年以上、女性77.79年以上となる。

 健康寿命に影響を及ぼす要因(身体的:栄養・運動など、精神的:認知症など、社会的:社会参加・就業など)の分析のため、同省では2019年度以降も検討を行う。
女性の健康リスクの低減も課題に
 目標達成のために、男性については2016年の「不健康割合」が0.84倍、女性については0.88倍に抑える必要があり、男女ともに従来よりも「不健康割合」を低下させなければ、目標達成は困難になる。

 良い生活習慣(喫煙しない、1日30分以上の歩行、野菜・果物をたくさん摂っているの4項目すべて)を実践しているグループは、全く実践していないグループに比べて、2年以上健康寿命が長いという研究結果も出ている。研究会では「日本には健康寿命の延伸の余力はまだまだある」と指摘。

 2040年に向けて全人口に占める比率が増していく高齢者、そして後期高齢者の多数を占める女性の「不健康割合」の低下が、目標達成に向けたカギになる。

 女性については、総じて男性よりも「不健康割合」が高く、「不健康期間」も長い(2016年時点で男性の8.84年に対し女性は12.35年)。また、後期高齢者に占める女性の比率も2015年時点で61.3%と高い。

 長時間の家族介護がメンタルヘルスの悪化や冠動脈性心疾患のリスクを高めるという報告もあり、家庭内における健康リスクの低減も今後の施策に求められる。
健康寿命に影響を与える傷病や生活習慣に関する指標
 目標を達成するために、健康寿命に大きな影響を与える具体的な傷病や生活習慣に関する指標(KPI)を設定することが求められる。

 KPIを設定するために、健康寿命そのものではなく、健康寿命の規定要因となる具体的な傷病や生活習慣に関するデータが必要となる。

 そのため、健康寿命に関する統計・データベースの整備や利用環境の向上を中長期的なスパンで進めることが重要としている。

 現在、日本では「日常生活に制限のない期間の平均」と「自分が健康であると自覚している期間の平均」の2つが健康寿命として算出されている。
 前者は、3年ごとに実施される「国民生活基礎調査」で、「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問への回答をもとにしている。

 「日常生活に制限のない期間の平均」は健康の3要素(身体・精神・社会)を包括的に内包している指標だが、データがこれだけだと地域ごとに毎年算出するのは困難だという課題がある。

 そこで研究会では、介護保険における「要介護2以上」と認定された人の割合を「不健康割合」とみなして、「日常生活動作が自立している期間の平均」を補完的に活用していくことを提案。「介護レセプトなどデータは市町村レベルでも豊富に存在し、タイムリーに蓄積されていくため、利便性は高い」としている。

 「日常生活動作が自立している期間の平均」の算出において「不健康」となる「要介護2以上の者」は約320万人に上り、「日常生活に制限のある者」の約1,600万人に比べ大幅に少ない。

「健康寿命のあり方に関する有識者研究会」の報告書及び「健康寿命の延伸の効果に係る研究班」の議論の整理(厚生労働省 2019年3月28日)

(Terahata)

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