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食事を「朝型」にすると糖尿病が改善 血糖コントロールが良好に

キーワード: 糖尿病 食事

 2型糖尿病のある人は、朝食のカロリーを高めるよう食事を調整すると、体重が減少し、インスリン量も減り、血糖コントロールが改善するという研究が発表されている。
 朝食を抜き、夕食を遅い時刻にとるのが習慣化すると、体に深刻な悪影響があらわれるという研究も発表された。
食事パターンを「朝型」にすると血糖コントロールが改善
 食事パターンを「朝型」にすると、体重が減り、糖尿病の人では血糖コントロールが改善するという研究を、イスラエルのテルアビブ大学が発表した。

 この研究は、イスラエル保健省の支援を受けて実施されたもので、イリノイ州シカゴで開催された第100回米国内分泌学会年次総会(ENDO 2018)で発表された。

 肥満や過体重の人に共通する食事スタイルとして、夕食でドカ食いをしてカロリーを摂り過ぎる「ビックディナー」がある。

 この食習慣を改めて、なるべく朝食でカロリーを多めに摂り、昼食は平均的、夕食を小食にするよう調整すると、1日の摂取カロリーは同じでも、体重が減りやすい。糖尿病の人では必要なインスリン量が減り、血糖コントロールが改善するという。

 「多くの人が食事で気にすることは、どんな食品を食べるかとカロリーを抑えることですが、食事を摂る時間と頻度も大きな問題です」と、テルアビブ大学医学部のダニエラ イカボヴィッチ教授は言う。

 「私たちの体の代謝機能は1日を通して変化しています。同じパンを朝食で摂るのと、夕食で摂るのとでは、グルコース反応が異なります。朝食で摂った時の方が、体重が減りやすく、痩せやすいのです。糖尿病の人では血糖コントロールが改善します」と、イカボヴィッチ教授は指摘している。

関連情報
食事を朝型にすると血糖値が低下 インスリン投与量も減少
 研究チームは、2型糖尿病と肥満のあり、インスリンで治療をしている、平均年齢69歳の18人の男性と11人の女性を対象に、3ヵ月の実験を行った。参加者は3ヵ月間、1日の摂取カロリーと栄養バランスが同じになるよう食事を調整し、2つの食事スタイルに振り分けられた。

 1つめのグループは、朝食のボリュームを増やし、昼食は平均的、夕食は少なめにする食事療法を続けた。2つめのグループは、1日の食事を6回に分け、摂取カロリーを均等にする食事療法を続けた。

 とくに食後の血糖値の上昇が分かるようにするため、血糖値の変動を持続血糖モニター(CGM)で、研究の開始時と、最初の2週間、終了時に測定した。

 3ヵ月後に、朝食をしっかり摂ったグループは体重を平均して5kg減らした。空腹時血糖値は54mg/dL低下し(161から107に低下)、平均血糖値は、最初の2週間は29mg/dL低下し(167から138に低下)、3ヵ月後には38mg/dL低下した(167から129に低下)。

 睡眠中の平均血糖値も改善し、朝食をしっかり摂ることで、24mg/dL低下した(131から107に低下)。インスリン投与量も減少し、1日の単位量は20.5減少した(54.7から34.8に減少)。
朝食が体と頭が活動を開始するためのスイッチに
 食事パターンが朝型になると、食欲を抑えられ、脂肪燃焼量が増加することは、過去の研究でも確かめられている。朝型の食事がとくに影響するのは「体内時計」だ。

 食事は、体内時計を調整する因子として働き、食事をいつ食べたのかを目安に、運動や休息に適した体内リズムが調整される。

 朝食は特に重要で、体と頭が活動を開始するためのスイッチとなる。体内時計は絶食を長時間続けた後の食事によって調整される、つまり朝食が体内時計をリセットしやすいということが分かっている。

 朝食を抜くと、学習や運動能力のパフォーマンスが低下したり、やる気も低下するという研究も報告されている。また、朝食の摂取頻度が少ない人ほど肥満になりやすいという報告もある。

 同じ量の食事であっても、摂取時刻によってエネルギー代謝に与える効果は異なる。朝食を抜く頻度が高かったり、夜食や間食の頻度が高い人ほど2型糖尿病や肥満のリスクが上昇する。

 食事をとる時刻も体内時計に影響する。1日の最後の食事は夕食だ。夕食をとる時刻が遅いと、体内時計に狂いが生じ夜型になり、心身の不調を引き起こしかねない。
夕食を遅く食べ朝食を抜く人は心臓病のリスクが上昇
 朝食を抜き、夕食を就寝直前に摂る人は、心臓発作後で死亡するリスクが上昇するという研究も発表された。

 ブラジルのサンパウロ州立大学の研究によると、この2つの食習慣をもつ人は、心筋梗塞から退院後30日以内の死亡リスク、再発リスク、狭心症(胸痛)リスクが4?5倍高いという。

 心電図波形のうちで、ST部分はS波の終りからT波の始まりまでの部分。心筋梗塞を起こし、心電図でとくにSTが上昇するのが「ST上昇型急性心筋梗塞」で、とくに重篤とされている。

 研究チームは、ST上昇型急性心筋梗塞による入院患者113人(平均年齢60歳、男性が73%)を対象に、(1)週3回以上朝食を抜くか、(2)週3回以上の遅い夕食(就寝前2時間以内)を摂るかを尋ねた。

 朝食を欠食する人は58%、遅い夕食を摂る人はは51%、両方そろっている人は41%いた。

 退院後の経過をみると、朝食抜きと遅い夕食の両方の食習慣をもつ患者では、30日以内の死亡、新たな心臓発作、胸痛のリスクが4?5倍高かった。

 今回の研究では、夕食時間と就寝時間の間隔が狭いと「夕食が遅い」と定義された。遅い夕食を週3回以上とっていた人のほとんどは、夕食の時間帯そのものが遅かった。
朝食のカロリーが15〜35%を占めるよう調整
 これまでの研究によると、朝食を欠席し夕食が遅い人は、運動不足であったり喫煙習慣があるなど、他にも不健康な習慣をもっている可能性が高い。とくに夜遅くまで働いている人は、夕食を摂るのも遅くなり、結果として朝はお腹が空かないという悪循環におちいりやすい。

 「不健康な習慣が積み重なることで、心臓の健康を損ないやすくなります」と、ミニクッチ氏は言う。

 不健康な食生活は、炎症反応、酸化ストレス、血管の内皮機能の低下などを引き起こし、結果として心血管転帰に悪影響をもたらすという。

 「夕食から就寝まで、2時間以上の間隔をあけ、朝食のボリュームは多めにすることをお勧めします。1日のカロリー摂取比率からみて、朝食は15〜35%を占めるようになります」と、ミニクッチ氏はアドバイスしている。

 朝食として良いとされるのは、乳製品(無脂肪または低脂肪の牛乳、ヨーグルト、チーズ)、炭水化物(全粒粉のパン、ベーグル、シリアル)、果物などだ。

Late dinner and no breakfast a killer combination(欧州心臓病学会 2019年4月18日)
Skipping breakfast concomitant with late-night dinner eating is associated with worse outcomes following ST-segment elevation myocardial infarction(European Journal of Preventive Cardiology 2019年4月17日)
High-energy breakfast promotes weight loss, helps reduce total daily insulin dose for type 2 diabetes(米国内分泌学会 2018年3月20日)

(Terahata)

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