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7つの簡単な生活改善が糖尿病リスクを減少 4つ以上実行で80%低下

キーワード: 糖尿病 動脈硬化 心筋梗塞/狭心症 脳梗塞/脳出血 セルフケア 食生活 身体活動・運動不足

 「7つの簡単な生活スタイルの改善(ライフズ シンプル 7)」を実行すると糖尿病リスクを減少できることが、オハイオ州立大学の研究で明らかになった。
生活スタイル改善は糖尿病の最良の薬
 米国心臓病学会(AHA)は、心臓病や脳卒中を予防するために、「7つの簡単な生活スタイルの改善(ライフズ シンプル 7)」を推奨している。これは、さまざまな疫学研究の結果をもとに作成されたものだ。

 「ライフズ シンプル 7」を実行していると、糖尿病のリスクを減少できることが、オハイオ州立大学の研究で明らかになった。

 7つの簡単な生活スタイルの半分以上を実行すると、2型糖尿病の発症率は大幅に低下するという。この研究は欧州糖尿病学会(EASD)が発行する医学誌「Diabetologia」に発表されたもの。

 米国の成人の3分の1近くが糖尿病か糖尿病予備群だ。適切な治療を行わず、糖尿病を放置していると、心筋梗塞などの心血管疾患や脳卒中、腎臓病などの合併症が引き起こされる。

 研究チームは、米国の地域住民を対象に心臓病や脳卒中の危険因子を調べる目的で行っているコホート試験「REGARDS研究」に参加した、平均年齢63歳の男女7,758人を対象に、「ライフズ シンプル 7」の実行度と、その後の糖尿病の発症について調査した。

 9.5年以上の調査期間に、891人(11.5%)が2型糖尿病を発症した。「ライフズ シンプル 7」のうち4つ以上を実行している人では、糖尿病の発症リスクが80%低下することが明らかになった。

 「糖尿病を改善するための最良の薬となるのは、食事や運動などの生活スタイルを改善することです。さらに、医療機関できちんと検査を受け、自分の体についてよく知っておくことが重要です」と、オハイオ州立大学ウェックスナー医療センターのジョシュア ジョゼフ氏は言う。

 ジョゼフ氏らは、食事の改善や、運動の習慣化、適正体重の維持といった、ガイドラインで推奨された生活スタイルを改善するために高強度の介入を行うと、糖尿病リスクをどれだけ減少できるかを調べる研究を準備している。
7つの簡単な生活スタイルの改善(ライフズ シンプル 7)
 「ライフズ シンプル 7」は、米国心臓病学会(AHA)が提唱している、健康に長生きするための代表的な行動指針だ。

 「ライフズ シンプル 7」を実行していれば、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患を長期にわたり予防できることが、多くの研究で確かめられている。

(1)血圧を管理する
 高血圧があると、血液の流れが悪化しやすくなり、十分な酸素と栄養を心臓や脳に供給するのが難しくなる。さらに、活性酸素が細胞を障害する「酸化ストレス」が亢進しやすくなり、血管内皮の炎症が起こりやすくなる。脳の血流の不足は認知機能の低下も引き起こす。
 高血圧は自覚症状が乏しく自分では分からないので、定期的に検査をすることが重要となる。健康な体重を維持すること、塩分の摂取量を減らすこと、医師に処方してもらった薬をきちんと飲むことが大切だ。

(2)コレステロールを管理する
 コレステロールの異常は、動脈硬化を進行させ、死因の上位を占める狭心症や心筋梗塞などの心臓病や、脳出血や脳梗塞などの脳卒中の原因になる。
 動脈硬化を起こした血管では、血管壁の内側にプラークと呼ばれるふくらみができる。ここにはコレステロールがたまっていて、プラークが大きくなると、血液の通り道が狭くなってしまう。
 プラークが破れると、そこに血液のかたまりができ、血管が詰まってしまう。これが冠動脈で起きれば心筋梗塞になり、脳の動脈なら脳梗塞になる。
 悪玉のLDLコレステロールを減らすために、動物性食品の摂り過ぎを抑えて、野菜、果物、海藻などをバランスよく食べることが必要だ。

(3)血糖値をコントロールする
 糖尿病のある人が、血糖値が高い状態を放置していると、心臓病や脳卒中の危険性が2〜4倍に高まる。血糖値をコントロールすれば、これらの合併症を防ぐことができる。
 過食や運動不足により肥満になると、糖を筋肉細胞に取り込ませるインスリンの働きが阻害されて、インスリン抵抗性になりやすい。食後に上がった血糖値が下がりにくくなってしまう。
 糖尿病は食事や運動の影響を受けやすいので、糖尿病のある人は血糖コントロールをしっかり行うことが大切。生活習慣を少しずつでも改善していき、医師から処方された薬をしっかり飲むことが重要。

(4)健康的な食事を続ける
 健康的な食事を続ければ、体重や血圧値、血糖値、コレステロール値を改善できる。カロリーの摂り過ぎを防ぎながら、必要な栄養素をバランス良く摂ることが大切だ。そのために、1日3食をしっかりと食べ、野菜や果物、海藻、大豆食品、魚類などを増やすことが勧められる。
 塩分の摂り過ぎも脳の血管の老化を促す。塩分は1日6g以下を目指そう。清涼飲料や缶コーヒーを飲むときは、糖分の摂り過ぎにも注意する。コップ1杯(200g)のコーラのカロリーは90kcalぐらいだ。

(5)運動を習慣として行う
 運動を習慣として続ければ、血糖値・血圧値が下がり、悪玉のLDLコレステロールが減り、善玉のHDLコレステロールが増え、骨が丈夫になり骨粗鬆症の予防になる。がんの発症リスクも下げられる。ストレス解消にもつながり、夜はよく眠れるようになる。
 運動を行うと、酸素を体内に取り入れられ、脳の血液量が増える。認知症を予防するためにも、運動は効果的だ。
 長時間座ったまま過ごすことが健康に悪影響をもたらす。立ち上がってウォーキングをすれば、どんな薬よりも費用対効果の優れる治療法になる。
 1日30分のウォーキングなどの運動を週に5日以上続けて、週に合計2.5時間行うのが目標。1回10分の運動を3回に分けて行っても効果がある。

(6)標準体重を維持する
 肥満を抑制し、標準体重を維持することが大切だ。肥満は体にとって異常な状態で、とくに内臓脂肪が一定以上に多くなると2型糖尿病や高血圧を起こしやすくなる。
 肥満に脂質異常や、高血圧、高血糖などが重なると、血管がさらにいたみやすくなり、血流が悪くなり、血液が固まりやすい状態になり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる。
 肥満の人は体重を減しただけでも、これらの検査値が改善することが多い。3〜6ヵ月かけて現在の体重を3%減らすだけでも、さまざまな検査値が改善する。
 1日の食事で必要なカロリーを確かめて、それを超えて食べ過ぎないようにし、ウォーキングなどの運動を続ければ、体重を減らすことができる。食べ過ぎを防ぐには、体重を朝晩はかることが効果的だ。
 体重が大きく変化した場合は、食生活に何か問題点がないか、点検をして改善しよう。

(7)たばこを吸わない
 たばこに含まれるニコチン・タール、一酸化炭素には血管を収縮させる作用がある。たばこを吸う人は禁煙をするだけで、心臓病や脳卒中、がんや、慢性肺疾患、呼吸器疾患などの発症リスクを減少できる。
 たばこを吸う人はいますぐ禁煙しよう。そうすれば、数年で心臓病や脳卒中の発症リスクを、非喫煙者と同程度に下げることができる。
 火を使わない新型たばこは、健康への悪影響が少ないことが医学的に証明されているわけではないので、注意が必要だ。
オハイオ州立大学が公開しているビデオ
Study finds following heart health guidelines also reduces diabetes risk(Diabetologia 2019年1月16日)
Ohio State study finds following heart health guidelines also reduces diabetes risk(オハイオ州立大学 2019年1月16日)
Ideal cardiovascular health, glycaemic status and incident type 2 diabetes mellitus: the REasons for Geographic and Racial Differences in Stroke (REGARDS) study(Diabetologia 2019年1月15日)
My Life Check - Life's Simple 7(米国心臓学会 2018年5月2日)

(Terahata)

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