一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

日本小児科学会などが「幼児肥満ガイド」を作成 小児期の肥満は成人後にリスクに

キーワード: 二少(少食・少酒) 一無・二少・三多 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 「少食」食事は腹7~8分目 三多(多動・多休・多接) 「多動」身体を活発に動かす 身体活動・運動不足

 日本小児科学会など4団体は、5歳未満の幼児を対象とした肥満対策をまとめた「幼児肥満ガイド」を作成し、ホームページで公開を始めた。医師以外の看護師、保健師、栄養士、保育士、教員、スポーツ指導者などの専門職の利用を呼びかけている。
早いうちに肥満治療を開始することが重要
 「幼児肥満ガイド」は、日本小児科学会、日本小児保健協会、日本小児科医会、日本小児期外科系関連学会協議会の4団体から構成される「日本小児医療保健協議会」の栄養委員会が中心となり作成された。

 「幼児肥満ガイド」では、小児期でも肥満治療は重要であり、できるだけ早いうちに始めることが重要だとしている。

 小児肥満の問題点は、小児期にさまざまな異常や健康障害があらわれるだけではなく、成人してから肥満に移行して、生活習慣病と呼ばれる2型糖尿病、脂質異常症、高血圧などの発症リスクを高めることだ。子供の肥満は大人の肥満のもとだ。

 小児肥満は乳児期、幼児期、学童期および思春期のいずれの時期からも始まるが、幼児期に起こるBMI(体格指数)の跳ね上がりである「アディポシティリバウンド(AR)」が早く始まるほど、その後に肥満や生活習慣病に罹患するリスクが高くなることが明らかにされている。
なぜ子供は肥満になるのか?
 5歳児の肥満の2017年度の出現率は全国平均で2.73%だが、最小0.74%(島根県)から最大6.53%(福島県)のように、地域による格差がみられるという。

 小児肥満の判定法にはさまざまな方法があるが、日本では学校保健統計が充実していて、肥満度が用いられている。肥満度を用いた肥満判定基準は、幼児と児童生徒では異なり、幼児は+15%以上、児童生徒は+20%以上なら肥満とされている。

 成人や児童生徒では、肥満にともなう健康障害発生に、過剰な内臓脂肪の蓄積が深く関わっており、2002年には小児肥満症判定基準がつくられ、20107年版が最新版となっている。

 子供の肥満のほとんどは「原発性肥満(単純性肥満)」といい、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っているために生ずるものだ。肥満の中には病気がかくれている2次性肥満もあるが、日本でこの数十年間に増加した肥満のほとんどは原発性肥満で、食生活をはじめとする生活習慣の大きな変化が主因となっている。

 つまり、食事・おやつ・ジュースなどの過剰摂取、食事内容のバランスの悪さ、さらに運動不足などによって起こり、近年では高エネルギー高脂肪食や運動不足の環境により肥満を発症しやすいことが知られている。
専門職による子供の肥満対策
 幼児肥満の対策は、行政が行なうべき対策と医学系学会や医療機関が行なうべき対策に二分される。このうち、肥満予防や軽度肥満児に対する指導は、対策の基礎となり診療所小児科医、看護師、保健師、栄養士、保育士などが実施すべき課題になるという。

 個別介入を行う手段として「声掛け(brief opportunistic intervention)」という方法があり、欧米では成人の肥満指導などでも有効性が証明されている。「子供の肥満対策は家族全員で取り組もうね」「テレビやゲームなどの時間を減らそうね」といった言葉を家族に継続的に声掛けをすることが重要となる。

 看護師や保健師は家庭訪問や保健指導などの面談のおりに、保育士は日常業務の中で、栄養士は種々の講習会や栄養相談時に、声掛けを繰り返すことが効果を生む。必要な時間は数秒間程度だという。
家庭環境の中心を担うのは母親
 幼児期は食事、運動、睡眠などさまざまな生活習慣が形成され身につく時期であり、2歳以降その生活習慣の獲得はすでに始まっているという。

 幼児肥満のメンタル面での対応は、発達段階に合わせることが必要だ。また、主たる養育者である母親の肥満に対する捉え方を把握し、母親への共感とねぎらいを含めることが必要不可欠だという。

 家族の理解が得られない母親が子供を連れて受診しても、必ずしも父親や他の家族の理解が得られず、母親が孤立しているケースは少なくない。まずは母親が子供の健康を心配し肥満に取り組もうとしていることを高く評価し、母親の言葉に耳を傾け、一緒に考えていくことが肝要だ。

 また、幼児の生活習慣は子供が自ら作っているわけでなく、社会や生活環境の変化にともない変化している。夫婦共稼ぎの家庭では子供は託児所に預けられて帰宅時間が遅くなり、夕食や就寝も遅い時間となることもあり、夜遅い食事は肥満と関連する。また、母子・父子家庭も増加している。

 「現代の日本では社会構造や生活環境が多様化していることにも留意し、社会全体の責任や課題に目を向ける必要がある」と指摘している。
公益社団法人 日本小児科学会
  「幼児肥満ガイド」について
[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 糖尿病

2021年01月28日
【健やか21】「COVID-19 ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する⽅へ 」の提言(⽇本産婦⼈科感染症学会・⽇本産科婦⼈科学会)
2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2021年01月28日
【健やか21】「COVID-19 ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する⽅へ 」の提言(⽇本産婦⼈科感染症学会・⽇本産科婦⼈科学会)
2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査

生活習慣 ▶ 身体活動・運動不足

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に
2020年12月24日
【新型コロナ】医療機関の受診控えで健康リスクが上昇 日本医師会は安心マークを発行「感染防止を徹底しているから、安心して来て」
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】新型コロナとインフルの同時流行に備えて 発熱したら電話で「かかりつけ医」に相談 上手な医療のかかり方プロジェクト

一無・二少・三多 ▶ 「少食」食事は腹7~8分目

2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」
2020年12月14日
【新型コロナ】薬膳レシピで「コロナうつ」「コロナ疲れ」に克つ 食養生で心身の不調を解消 近畿大学

一無・二少・三多 ▶ 「多動」身体を活発に動かす

2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」
2020年12月14日
軽い運動を短時間しただけで記憶力を高められる 脳を標的とした運動プログラムの開発へ 筑波大

 ▶ 一無・二少・三多

2021年02月01日
「全国生活習慣病予防月間2021」がスタートしました!
2021年01月22日
1月23日は、健康生活習慣『一無、二少、三多』の日です。 「全国生活習慣病予防月間2021」は2月1日よりスタートします!
2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
スローガン川柳審査中
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート