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米を中心にした食事はメリットが多い 食べ過ぎると糖尿病リスクが上昇

キーワード: 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 食生活

 ごはんを中心とした日本型の食事スタイルは世界的に評価されている。米を多く摂取する国では肥満リスクが低下することが、136ヵ国を対象とした国際調査で明らかになった。
 一方で、ごはんの食べ過ぎが糖尿病リスクを高めるという研究も発表されている。専門家は、玄米や雑穀などの全粒穀物を食事にとりいれることを勧めている。
ごはん中心の食事は世界的に評価されている
 米を中心とする日本食のメリットが世界的に見直されている。米を食べることが2型糖尿病や肥満の対策になるという研究が発表されている。

 米国のベイラー医科大学などの研究チームが1万4,386人を対象とした調査で、米中心の食生活をもつ成人は、飽和脂肪酸や糖分の過剰摂取が少なく、カリウム、マグネシウム、鉄、葉酸、食物繊維の摂取量が多い傾向があることが示された。

 米にはナトリウム(塩分)とコレステロールが含まれておらず、体に悪い飽和脂肪酸やトランス脂肪酸も含まれていない。加えて米を主食にすると、主菜や副菜をコントロールしやすくなる。

 「米をよく食べることは、野菜、大豆、肉、果物をより多く食べることに関係しています」と、ベイラー医科大学のテレサ ニクラス氏は言う。

 ヒトを対象とした臨床試験でも、食事で白米や玄米を食べると、満腹感と満足感が持続してやすいことが示されている。ニクラス氏によると、米を中心とした食事スタイルは、米国の食事ガイドラインで推奨されている食事にも一致しやすいという。

関連情報
米を食べると肥満に対策できる
 米を多く摂取する国では肥満リスクが低下することが、日本の研究チームが136ヵ国を対象とした国際調査で明らかにした。米の摂取量が多い国(平均150g/日)では肥満が少なく、米の摂取量が少ない国(平均14g/日)は肥満が多いことが明らかになった。

 研究は、同志社女子大学の今井具子教授らによるもの。「米をベースにした日本食やアジアの食事スタイルは肥満を予防する助けになります。世界的に肥満度が上がっているため、肥満対策のために、米を食べることが推奨されます」と、今井教授は述べている。

 136ヵ国の国際調査で、米の摂取量が多い国(平均150g/日)では肥満レベルが低いことが明らかになった。精白米150gを炊いて水稲めしにすると、茶碗に軽く3杯分に相当し、カロリーは約534kcalになる。

 これまでの研究で、食物繊維と全粒穀物を多く摂取している人では、あまり摂取していない人に比べ、肥満が少なくコレステロール値も低く、2型糖尿病などのリスクが低いことが知られている。しかし、米の摂取と肥満の関連はよく分かっていなかった。
米の消費量が多い国で肥満レベルが低下
 2016年の調査によると、世界の成人のうち19億人(男性の39%、女性の40%)が過体重で、6億5,000万人が肥満だ。過体重や肥満は、心筋梗塞や脳卒中、2型糖尿病、がんなどの原因になる。

 日本では食の欧米化が進んでいるが、米を中心とした伝統的な食事スタイルが推奨されることは、欧米諸国にも当てはまるという。

 研究チームは、国連食糧農業機関(FAO)の人口が100万人以上の136ヵ国のデータを使用し、食事の米(白米、玄米、米粉を含むすべての米製品)の相対的なカロリー摂取量(g/日)とカロリー消費量(kcal/日)の関連を調べた。

 その結果、米を多く摂取している国の順位は、(1)バングラデシュ(473g/日)、(2)ラオス(443g/日)、(3)カンボジア(438g/日)、(4)ベトナム(398g/日)、(5)インドネシア(361g/日)となった。逆に少なかった国は、(89)イギリス(19g/日)、(87)米国(19g/日)、(81)スペイン(22g/日)などだった。

 解析した結果、米の消費量が多い国(平均150g/日/人)では肥満レベルが低く、米の平均摂取量が少ない群(平均14g/日/人)は肥満レベルが高いことが分かった。米の摂取量を、1人当たり50g/日増やしただけで、肥満リスクを1%減らすことができるという。
ごはんの食べ過ぎも良くない
 「玄米などの全粒穀物に含まれる食物繊維、ビタミンやミネラルなどの栄養素、植物性化合物は、満腹感を高め、食べ過ぎを防ぐことにつながります。脂肪が少なく、食後の血糖上昇も比較的抑えられます」と、今井教授は述べている。

 今井教授は一方で、米を過剰摂取するとメタボリックシンドロームや2型糖尿病の発症リスクが上昇することも指摘している。食べ過ぎには注意が必要だ。

 米飯を多く食べる女性で糖尿病の危険性が上昇することは、多目的コホート(JPHC)研究の大規模調査でも示されている。炭水化物の摂取量が多い人で糖尿病リスクが高くなることが知られているが、米を主食とする日本人でも、女性では米飯をとりすぎていると危険性が上昇することが明らかになつた。

 国立国際医療研究センター、国立がん研究センターなどの研究チームは、1990年と1993年に、全国の9保健所管内に在住していた45〜74歳の男女約6万人を平均5年間追跡して調査した。

 その結果、女性では米飯摂取が多くなるほど糖尿病発症の危険性が上昇する傾向がみられた。米飯の1日あたりの量が1杯強(165g)でもっとも少ないグループに比べ、1日3杯(420g)のグループでは糖尿病の危険性が1.48倍に、1日4杯(560g)以上のグループでは1.65倍に、それぞれ上昇していた。
玄米など全粒穀物が血糖上昇を抑える
 米飯にあわ・ひえ・麦を混ぜて食べている人では、糖尿病の危険性の上昇は抑えられていた。男性では米飯の摂取量による明確な差はみられなかった。

 さらに、筋肉労働や激しいスポーツを1日1時間以上する人としない人に分けて調べたところ、男女ともに身体活動の多い人で、糖尿病の危険性が低下することが分かった。しかし、運動や身体活動を1日1時間以上しており、米飯を1日に1日3杯摂取している人では、糖尿病の危険性が男性で0.83倍に抑えられていた。

 「白米では、精白の過程で食物繊維やマグネシウムが失われます。そうした栄養素が糖尿病に予防的に働く可能性があります。白米は食後の血糖上昇の指標であるグリセミックインデックスも高いが、玄米や、米飯にあわ・ひえ・麦などを混ぜた雑穀米は低くなります」と、JPHC研究の研究者は指摘している。

 さらに「身体活動量が高い人では、米飯の摂取が多くてもエネルギーの消費と摂取のバランスが保たれている可能性があります」と述べている。

 糖尿病や肥満に対策するために「日常の身体活動量を増やすとともに、食事に雑穀などの全粒穀物をとりいれるなど、米飯摂取後の血糖上昇を抑える工夫」が大切だ。

肥満(世界保健機関)
Eating rice boosts diet quality, reduces body weight and improves markers for health (ベイラー医科大学 2014年4月15日)
同志社女子大学公衆栄養学研究室
International study suggests that eating more rice could be protective against obesity(欧州肥満学会 2019年4月30日)
Obesity Statistics(欧州肥満学会)
Rice Consumption Is Associated with Better Nutrient Intake and Diet Quality in Adults: National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES) 2005-2010(Food and Nutrition Sciences 2014年3月)
White rice increases risk of Type 2 diabetes(ブリティッシュ メディカル ジャーナル 2012年3月15日)
Rice intake and type 2 diabetes in Japanese men and women: the Japan Public Health Center-based Prospective Study(American Journal of Clinical Nutrition 2010年10月27日)

(Terahata)

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